(11月13日 校長講話)
今日は、ある本を紹介します。『君たちはどう生きるか』という本です。
この本が最初に発行されたのは80年前、戦争が終わる前のことです。つまり80年も読み続けられている名作です。そして、今年の8月にマンガ本が出版されました。2か月で43万部が売れるという大ヒット作品です。
皆さんは、「自分は何のために生まれてきたのか」「どのように生きたらいいか」と考えることがあると思います。この本は、主人公であるコペル君という中学生が、日常生活の中で持つ悩みや疑問をおじさんに相談して、どう生きたらいいかを考えていくというお話です。
例えば、コペル君がある時大きな過ちをしてひどく思い悩んだことがあります。その時、おじさんは、コペル君にこんなことをノートに書いて知らせています。
「王位を失った国王でなかったら、誰が、王位にいないことを悲しむものがあろう」「正しい道義に従って行動する能力を備えたものでなければ、自分の過ちを思って、つらい涙を流しはしないのだ。」
つまり、正しいことをする力がなかったら思い悩むこともできない、思い悩める人は、過ちから立ち直ることもできる、と慰めているのです。このようにおじさんの言葉の中には、生きるためのヒントがたくさん詰まっています。
中学生の皆さんが読むにはぴったりの本です。図書館にも入れておきます。是非読んでみてください。
また、この本を読んで校長先生は、書くことの大切さを、改めて感じました。コペル君とおじさんのやりとりは、会話だけでなく、大事なことは手紙やノートの文字で行われます。特に、おじさんの考えは、ほとんどがノートに書き記されています。
お話の中でコペル君自身も「自分を振り返ってみるということがどんなことかそれを少しずつ知りはじめた」と書いています。
皆さんは、毎日、自問ノートを書いています。自分自身を振り返ってノートに書くことは、自分の生き方を考えることです。自問ノートを書くことで着実に成長しています。これからも自分と向き合いましょう。