(4月18日 校長講話)
多くの運動部で春季合同練習会が行われる季節になりました。スポーツは、どんな試合でも、正々堂々と戦う姿勢に感動を覚えるものです。
少し前の話になりますが、1月5日にオーストラリアで行われたプロテニスプレーヤーの試合で、素晴らしい光景があったので紹介します。オーストラリアのヒューイットという選手と、アメリカのジャック・ソックという選手との試合での出来事です。ヒューイット選手が打った第一サーブが、セーフかアウトか際どいところに落ちます。審判の判定はフォールト、つまりアウト。ヒューイットが気を取り直してセカンドサーブを打とうとした時、何と相手のジャック・ソック選手が、チャレンジを要求したのです。
チャレンジというのは、審判の判断に不服だった時に、一人3回までビデオ判定を求めることができる権利です。もしもこのチャレンジで判定が覆ったら、ジャック・ソック選手にとって不利になります。にもかかわらずチャレンジを要求したことに、ヒューイット選手はもちろん、審判も観客も大変驚きました。
そしてビデオ判定の結果、セーフになったのです。
おそらく、ジャック・ソック選手は、相手の素晴らしいサーブに感動したのでしょう。そして、それが審判の判定ミスでアウトになったとしたら、それは公正ではないと思ったのではないでしょうか。たとえ自分の不利になっても、公正に戦おうとするジャック・ソック選手のスポーツマンシップに、会場からは大歓声が巻き起こりました。
(→こちらから動画がご覧いただけます)
これとは話とは少し違いますが、今の3年生の人が昨年度書いた日記に、こんなすばらしい文章があったので紹介します。
「土曜日の部活の途中トイレに行くと、練習に来ていた他校の生徒がスリッパを乱していきました。揃えるのが当たり前な岩中生は揃えていきました。普段からの習慣がないと、他校に来てスリッパを揃えることはできないと思いました。『常が大事』という言葉の意味を改めて理解できました。」
どうですか。
皆さんは、部活動を通して人間性を磨いているのです。そして、その人間性は、態度に現れます。ジャック・ソック選手のように、だれもが感動するような、素晴らしい態度がいつも取れるようになりたいですね。そして、そのためには、靴を揃えるというような、小さなことの積み重ねが大切なのではないでしょうか。小さな当たり前を積み重ねましょう。