本年度も本校の校長としてお世話になることになりました。５年目になりますが、新たな気持ちで子どもたちや学校を見つめていきたいと思います。
　南箕輪村は現在も人口が増え続けている元気な村です。本年度の在籍児童は７７０人ほどになります。
　

　本校では教科横断的な学習として、『トレジャータイム』という時間を設けています。
　コロナ禍で思うような活動が展開できない悩みを抱えつつ、子ども達は校地内の自然や近くの森、地域の中でたくましく活動しています。森で出会ったサワガニが卵を抱えているのに驚き、その驚きはサワガニを大きく描いた絵になっていきます。畑で育てた野菜を売った代金は、次年度入学してくる園児との交流会で読み聞かせる絵本の制作費になっていきます。
　このようなアクティブで教科横断的学びは、学習に内なる目標を持たせ、子ども達に意欲に満ちた明るさをもたらします。
　学習指導要領でも説かれているように、変化の激しい現代社会においては、次々に押し寄せる新たな課題に対し、自ら知恵を絞り、周囲と力を合わせて乗り越える力が求められます。『剥落しない生きる力』を教育で培っていくことが求められる時代になったと換言できます。
　我慢をして物事に取り組むことも大切にしつつ、子どもたちが魅力を感じられる自治的な学びをトレジャータイムや教科学習で実現したいと願っています。この学びを通して子どもたちの「感情」が動き、その動きと共に理解されたものは、子どもたちの血となり肉となって「剥落しない生きる力」になっていくと考えます。

　本年度は本校の教育活動について、子どもたちの姿を根拠に見つめなおしていく取組をさらに強く進めていきたいと思います。様々な教育活動が子どもの確かな成長につながっているのか。私たちの独りよがりの取組になっていないか。職員一同、真摯に見直してまいりたいと思います。

　令和４年４月　　　　　　　　　　　　　
　　南箕輪村立南箕輪小学校長　大島　俊彦