【豊田市立伊保小学校】2年生 道徳科の授業実践

 5月の道徳科で、「およげない りすさん」の授業を行いました。登場人物の気持ちを考えていく中で、仲間外れをせず、みんなで仲よく遊んだ方が楽しいということに気づき、友達と仲よくし助け合おうとする態度や心情を身につけてほしいと願い、本授業の実践をしました。
 授業前に、「どんな遊びをしていますか」「遊んでいるときはどんな気持ちですか」というアンケートをとりました。「もう一回やりたいな」「楽しいな」「誰と同じチームになるかな」等のわくわくした気持ちが出ました。
 本時で、りすさんを仲間外れにして遊んでいるときの登場人物たちの気持ちを問うと、「りすさんがいないから楽しくない」「りすさんもいればなあ」とりすさんがいないことが心に引っかかっている様子でした。
 まとめでは、りすさんもそろってみんなで遊びに出かけたときの登場人物の気持ちを問いました。「昨日よりも楽しくなりそう」「みんなで行くと楽しくなりそう」等、「みんなで仲よくした方が楽しめる」という意見が多く挙がりました。子供たちの言葉で、「仲よくして、仲間に入れてあげるとみんなにこにこになれる。なかよしよっし。(本学級の級訓)」とまとめました。
 振り返りでは、「一緒に遊んで笑顔にしてあげる」「大丈夫。一緒に遊ぼうと言ってあげたい」という意見が発表されました。互いに誘い合い、誰とでも仲よく遊べる子供たちになってほしいと思います。

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【豊田市立稲武中学校】モラルジレンマ資料から考え議論する道徳へ

 本校では、4月の授業参観で、全学年での道徳科の授業に取り組みました。1年生では、「全てがリオでかみ合った」、2年生では、「ガレキの中の決断」、3年生では、「心にしみこむ言葉の力」という資料を扱いました。ここでは2年生で行った道徳について紹介します。
 本資料は、災害時にお年寄りと少女、どちらの命を優先的に助けるかを迫られたレスキュー隊員の葛藤を描いたものです。「あなたならどうしますか」という問いかけに、生徒の意見は半々に分かれました。「おじいさんは呼びかけに反応がないから、急いで助けた方がよい」「娘さんは、話ができるから必ず助けてあげたい」「それでも目の前の命を見捨てることはできない」とそれぞれの立場の意見で話合いは進んでいきました。話合いの後半では、「命に軽重はないけれど、命を選ばなければならないときもある」という命の価値に迫る発言も見られました。
 授業後のワークシートには、「被害を受けている人だけでなく、その家族のことも考えて行動すべきだと感じた」など、広い視野で命について見つめ、新たな考えを獲得することができた生徒もいました。生徒同士、お互いの意見を尊重し合いながら、本当に大切なものは何かを考え、話合う授業を展開することができました。

【蒲郡市立蒲郡中学校】言葉にそえて 言葉おしみ

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 昨年度の文化祭では、大好きな蒲郡中への思いを歌にした「蒲中ソング」を生徒と職員で創作し、全校で肩寄せ合って歌うなど、温かな学校を作ってきました。今年度は「心〜熱く温かく〜」の生徒会スローガンのもと、更に温かみのある学校をつくろうと日々奮闘しています。
 本校には、あいさつが自然にできる生徒が多くいます。すれ違う友達、教師、地域の方に出会ったとき、あいさつが当たり前にできます。しかし、その反面、「おはよう」「さようなら」という言葉を発することが目的となってしまい、心がこもっていないのではないかと感じられることもあります。そこで、あいさつについてもっと深く生徒たちに考えてほしいと考え、5月7日に3年生の「言葉にそえて 言葉おしみ」(内容項目:礼儀)というあいさつについて考える道徳科の授業実践を行いました。資料の作者が体験した「病院の待合室で名前を呼ばれても返事をしないのはなぜか」という内容や「電車内で席をとっさに機械的に譲った私と、それを、言葉を発さずに断った男性」のことを扱った「言葉おしみ」を教材として授業を展開しました。
 生徒たちは、病院の待合室の話で、「自分だけ声を出すのは恥ずかしいから」「病院は静かにしなくてはいけないから」といったことを答えました。多くの生徒が病院の待合室での返事を必要だと考えてはいませんでした。そこで教師が、「学校では名前を呼ばれたら返事をするのは当たり前にしているのに、どうしてなのだろう?」と切り返すと、「確認だけのものなので、返事をする必要性がないから」という返答の生徒もいました。病院に限らず自分の名前を呼ばれたときの自分の在り方について話し合った後の振り返りでは、「病院では静かにする」という多くの意見の中に、「学校で返事しているのにしないのはやはり違和感がある」という意見もありました。そして、「返事をして、呼んでくれた人へ心で応える」という温かい考えを記す生徒が増えました。
 この「言葉おしみ」の教材から生徒たちは、どうしてあいさつをするのか、どうして返事をするのかということを考えることにつながりました。授業のまとめでは、「あいさつは心を込めてこそ意味がある」と口にした生徒もいました。これらの言葉から、この授業の実践で生徒たちは、形と心の一致したあいさつの大切さ、そして、時と場に応じた行動について考えることができたと感じられました。
 今後は、これからの道徳科の授業で、更に生徒の本音の部分を掘り起こすことをしていきたいと考えています。心が揺れる教材を扱っていき、一人一人がきちんとした倫理観を培ってほしいと願っています。