【春日井市立篠原小学校】道徳科1年「ジャングルジム」の授業

 集団や社会での生活において、誰にでも分け隔てなく接することは重要である。児童は、誰とでも仲よくすることの大切さは分かっている。しかし、自己中心的な考え方から、「○○さんとは遊びたいけど、△△さんとは遊びたくない」という発言を聞くことがあり、誰とでも仲よくすることは、決して容易ではない。また、みんなで仲よく遊ぼうとするが、うまくいかず、困っている姿も見られることがある。
 本教材「ジャングルジム」は、体が大きく自己中心的で強い立場の「くまくん」、気持ちをうまく話せず弱い立場の「ねこちゃん」、どちらとも仲よく接し公平な立場の「さるくん」という、異なる立場の三者が登場する。物語の中の「道徳的な問題」の解決に向けて、それぞれの気持ちを考えるだけでなく、どのような会話をすることで仲よく遊べるようになるのかを考えさせる。さるくんのセリフを中心にグループで考えることで、実際の生活にも生かせるようにした。
 ねらいに迫るために、物語の公正、公平な態度に根差した具体的な言動を取り上げ、そのよさを考えさせるだけでなく、「どのような会話をすることで仲よく遊べるようになるか?」という「問題解決的な学習」の要素を取り入れた。そのことによって、児童の発言や振り返りの記述からは、「道徳的価値の理解」にとどまらず、偏見や差別が背景にある言動について、毅然とした態度で是正できるような道徳的実践力を学ぶ授業にすることができた。

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