【小牧市立味岡小学校】モラルジレンマの授業

画像1 画像1
 道徳が教科化され、「考え、議論する道徳」を具体化していく方法の一つとして、「モラルジレンマの授業」に取り組んだ。
 この授業では、子供たちが道徳的ジレンマ(価値葛藤)に陥ることで、初めて道徳的な問題(矛盾,不条理,疑問,悩みなど)に気づき、その解決のために主人公が大切にしたい価値は何かを考える。そして、主人公を取り巻く人の考えや思いを考慮し、主人公にとってどうすることが公正で公平かという視点で判断し、問題解決していく。その一連の話合いが、道徳性の発達にとって大きな意味をもつようになってくる。
 ここでは、3年生の「たぬきのぽん太」の実践を紹介する。「ぽん太を山に返すべきか、それとも、このまま小学校で飼い続けるべきか」を、それぞれの立場に立って考えさせ、自由に意見交換をさせた。「山へ返すと敵におそわれてしまう」などの理由で「学校で飼い続けるべきだ」と考えていた児童が多かった。しかし、「山へ返すことで自分で強く生きてほしい」などの理由を聞いて、「山へ返すべきだ」と立場を変える子供が何人も見られた。動物を飼うことの意義や責任について、一人一人の児童がより深く考えることができたと思う。また、授業後の子供たちの声には、「自分の意見をみんなの前ではっきりと言うことができて自信がついた」「友達の考えを聞いて、考えがかわった」など、話し合うことに意欲の高まりを感じるものが多かった。このように、話合いを通し、自分の考えと比較しながら、多様な考え方にふれることができるモラルジレンマ教材は、「考え、議論する道徳」として取り組みやすい教材と考える。