【刈谷市立刈谷南中学校】 〜メル友って本当の友達〜

 本校は、学年が上がるにつれてスマートフォンやタブレットを利用する生徒が増えることが、アンケート調査で分かった。中には、SNSでのトラブルの被害者になったことがある生徒や加害者だった生徒もいる。知識不足から事件が起こったり、また起こってからどのように対処すればよいのか分からなかったりした事例もあった。そのような生徒の実態を考慮し、本校では、各学年で情報モラルの授業実践を行った。
 中学3年生では、「メル友って本当の友達」の資料を使い、正しいスマートフォンの使い方を身に付けさせ、SNSのトラブルを未然に防ぐことをねらいとした授業を行った。
 本資料「メル友って本当の友達」は、中学2年生のトモ子と道子がスマートフォンを用いて、同級生の真美をいじめる内容である。この資料を通して、正しいスマートフォンの使い方を理解し、被害者にも加害者にもならないようにすることの大切さに気付かせたいと考えた。
 まず導入では、「携帯電話の利点、問題点」について考えた。利点とは、「すぐに連絡がとれること」「ゲームができること」などが挙げられた。一方、問題点は、「いじめが起こる」「悪口が拡散する」「既読無視をする」などたくさん挙げられた。
 展開では、生徒自身が悪口を言っているグループの一員だという立場を設定し、被害者の真美を救う方法をクラスで話し合った。生徒からは、「真美をグループから退会させる」「グループをなくす」「画像を消去する」「大人に相談する」「まずは真美に謝る」など、たくさんの意見が出てきた。生徒たちは、加害者側に立ちながら、真美を救う方法について、自分の経験や友達の意見をもとにしながら、自分なりの解決策を発言することができた。
 以下は、生徒の授業の振り返りで書かれていたものである。
「自分の軽そつな判断で、誰かを傷付けてしまうかもしれないし、逆に自分がいやな目に遭ってしまう場合も十分にありえます。インターネットは、便利だしおもしろいけれど、ときには誰かを傷付けてしまうものだということを忘れずに、これからも扱っていきたいです」
 生徒一人一人が、今回の授業で感じたことを忘れないよう、これからも引き続き、情報モラルの実践を積み重ねていきたい。