【設楽町立設楽中学校】SNSトラブルから考えるテキストコミュニケーション

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 本校は、へき地に属する全校66名の小規模の中学校です。個人の携帯電話の所持率は50%を超えており、SNSを使ったコミュニケーションも頻繁に行われています。
 今回の実践は、1年生を対象に行いました。1年生は携帯電話の所持率は高くはありませんが、タブレット端末や保護者の携帯電話を使ってSNSでコミュニケーションをとる生徒が多くいます。また、小学校まで少人数学級で生活してきた生徒たちですので、コミュニケーションに不器用さが見られる場面もあります。これらの様子から、今後SNSを使ったコミュニケーション上でのトラブルが起こることが想定されます。
 このような実態を受け、本実践はSNSを使ったテキストコミュニケーションを取り上げました。実際のSNSでのトラブル例から、なぜトラブルが起こったのかを生徒みんなで考えました。生徒たちからは「メッセージが違う意味で伝わったから」「言葉を誤解されたから」などの意見が出され、思ってもいないところで、トラブルが起こることを知りました。
 次に、生徒の「誤解されたから」という言葉を取り上げ、なぜ誤解が生まれたのかをグループで考えました。生徒たちからは「本気か冗談かわからないから」「文字では抑揚や表情が伝わらないから」「メッセージを打ったときの気持ちが分からないから」などの意見が出され、テキストコミュニケーションでは、相手に伝わる情報が少なく誤解が生まれやすいことに気付きました。
 最後に、誤解を生まずにコミュニケーションをとるために気をつけたいことをみんなで考えました。生徒からは「感情をうまく伝える方法を考える」「自分のメッセージを相手がどう受け取るか、どうとらえられるかを考える」「言葉を選んで誤解を生まないような言葉を使う」などの意見が出されました。授業後の生徒の感想には、「テキストコミュニケーションは、表情や声のトーンが分からず、そのせいで、勝手に解釈したり、違う意味で受け取ったりしてしまうので難しいと思いました」「言葉だけだとちょっとした一言で、いろいろな問題になってしまうので、気をつけたいと思いました」「なるべく声を出してコミュニケーションをとりたいなと思いました」「相手の表情や声が分かるコミュニケーションを大切にしていきたい」などの感想が出され、今回の授業を通して、テキストコミュニケーションの難しさや対面してのコミュニケーションの大切さを学ぶことできました。
 SNSは、正しく使えば便利で、コミュニケーションを円滑にしてくれます。情報化社会といわれる現代では遅かれ早かれ、ほとんどの生徒が使うことになります。今回の学んだことを生かして、その便利さや楽しさだけでなく、怖さや難しさを知った上で、上手に利用をしていってほしいです。