【瀬戸市立幡山中学校】 ギブ・アンド・ギブ

 先日、本校の女子ソフトテニス部が、他地区の学校が集まる練習試合に参加しました。その日は、早朝から雨が降っており、コートにはたくさんの水たまりができていました。主催者側から、「コートの整備ができるまで武道場で練習してください」と指示がありました。各チームの生徒が武道場に移動していくなか、本校の生徒を見ると、小雨の降る中、主催校の生徒と一緒に水取りをしていました。顧問が、キャプテンに他の学校の生徒はみんな練習をしていることを伝えると「水を取らないと試合ができないので、水を取ります」と当たり前のように答えたそうです。
 「ギブ・アンド・テイク」は、よく聞きますが、「ギブ・アンド・ギブ」は、あまり聞きません。損得ではなく人のために行動すること。言うは易し行うは難しです。ふだんから礼節とともに奉仕の精神を説いても、簡単に身につくものではありません。地域のごみ拾い活動に参加したり、登校時や大会後の会場のごみ拾いも実践したりしていますが、生徒たちが、進んで行うまでにはなかなか至っていません。しかし、本校の生徒たちにとって、早く試合をするために、どうすればよいかを考えて、無言でひたすら手を動かす、そうすることが彼女たちにとって当たり前になっていたのでしょう。
 本校の女子ソフトテニス部では、「心を変えるには、まず行動を変えること」を実践してきたそうです。そうする中で、少しずつ当たり前が増え、当たり前のレベルが上がってきたのだと思います。
 部活動を引退しても、登校時にごみ拾いをしてくる生徒がいます。少しずつですが、生徒たちの中に「ギブ・アンド・ギブ」の精神が根付いてきています。この精神がほかの生徒たちにも、広がるようにしていきたいと思います。

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