【安城市立三河安城小学校】情報モラル教育「何でだめなの?」の実践

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 3年生の児童で、スマートフォンやタブレット端末を用いてインターネットに接続したり、ゲーム機を使って情報の共有をしたりしている割合は約半数である。児童の多くは、親の目が届く範囲で使ったり使用時間を制限されたりと、使い方のルールを保護者が管理している家庭が多い。安全に使えている反面、「親が決めたルールだから」という捉え方をしていて、自ら積極的に安全性を求めたり、実際の情報社会に潜む危険性について理解したりしているわけではないように感じた。そこで、現在個々に定められているルールの本質を捉えられるようになってほしいと考え、情報分野の中でも児童の関心が高いインターネットを取り上げることにした。
 単元の導入として、学校用のタブレットを一人1台配り、自由に使う時間を設けた。大型テレビで全員の画面が見られたり、写真を撮影してマーキングをしたりと、いろいろな使い方ができることに多くの児童がおもしろさを感じていた。楽しいことばかりではないと気づかせるため、「友達を撮影するときは許可をもらう」「相手が傷つくような落書きをしない」といった細かなルールを定めずに行った。活動後、気づいたことや考えたことを話し合うと、「知らないうちに写真を撮られたり落書きされたりして困った」という意見や、「うけねらい」「相手のことを考えていない」というインターネット上での人との関わりに着目した意見が出た。この学習を足がかりに、各家庭でのインターネットの使い方や、自分たちが自由に使うことが許されていない理由についても考えていった。本実践を通して、児童はインターネット利用に潜む社会的な危険に気づき、より安全な使い方に目を向けることができた。