【西尾市立西尾小】ふるさとの伝統や生活に親しみ、愛着を育む実践〜総合的な学習と絡めて〜

 本校は、西尾城跡地に立地しています。隣接する歴史公園は、当時の面影を数多く残しています。また、地元で400年間継承されている祇園(ぎおん)祭は、子どもたちの心に根づいています。学校周辺には、城主に関わる神社仏閣や、城下町の面影を残した味噌屋や薬屋などの老舗店、刃物屋や和菓子店などの専門店が多数あります。さらに、西尾市には、抹茶、カーネーション、うなぎといった特産物があります。こうした環境を生かして、本校では10年以上前から町学習を進めています。とりわけ、昨年度からは、ふるさと西尾の人・こと・ものと関わらせて、ふるさとを愛し、語れる子を育てる取組をしています。

 3年生は町へ出かけ、気になるお店を決めて自慢の逸品などについて追究をしています。調べていると、自然にその店の人との関わりが深くなります。「〇〇屋の△△さんは、ぼくたちに、やさしく話してくれたよ」「〇〇屋さんお店のことを詳しく教えてくれたよ」。町から帰ってくる子どもたちは、異口同音に満面の笑顔で話し、町の人が大好きになっていきます。

 5年生は祇園祭に着目し、祭りに携わる人々と関わっています。祭りの核は大名行列や獅子(しし)舞などの出し物であることや、担い手不足の問題を知った子どもたちは、「自分たち」が受け継ぐ気持ちを一層高め、積極的に祭りに参加しています。6年生は、西尾市の特産品で町を活性化させようと、うなぎや抹茶を使って名物づくりを試行錯誤しています。
 このような学習活動は、1年を通して、全学年で系統的に進められており、年を増すごとに子どもたちの心に「ふるさと西尾」への愛着が育まれていきます。そしてその思いは、参加、提案へと発展していきます。将来、地域の担い手としての自覚につながっていくことでしょう。
 西尾小学校では、地域に対する愛着を深める子がどんどん育っています。
画像1 画像1