【尾張旭市教育委員会】道徳科の手引書『特別の教科 道徳のいろは』

 尾張旭市では、令和元年度に教務主任会が作成した道徳科の手引書『特別の教科 道徳のいろは』を活用した実践を継続しています。『特別の教科 道徳のいろは』は、基礎編・授業編・評価編・指導案編の4部構成となっており、道徳科の目標や基本の指導過程及び多様な指導方法を示したり、評価方法や指導案の書き方を紹介したりしています。数年に一度、記載内容の改訂をしており、今年度は、評価編について評価の文例等の一部見直しを行いました。
 また、本市では教科領域での研究を推進するため、専門性を磨く教科等研究員を配置しています。その教科等研究員が各校の研究授業を参観し、指導する機会があります。各校からの要請を受け、初任者研修や各校での校内授業研究後に発問や授業の流れなどについて良かった点や改善点等を授業者に伝えることで、授業力の向上につなげています。特に特別の教科道徳では、指導の際に『特別の教科 道徳のいろは』を活用することで、本市における道徳教育の基本となる考えを共有することができています。(2023年12月18日)

【清須市教育委員会】 3年目教員研修の取組

 清須市教育委員会では、3年目教員を対象に、「特別の教科 道徳」の授業研究を実施しております。本研修では、道徳科の研究授業・協議会を通して、授業力の向上を図ることを目的とし、9月に小学校部会、10月に中学校部会を開催しました。事前に同じ教材で指導案を作成し、自分の指導案と比較しながら代表者の授業を参観しました。授業後の研究協議会は、「考え・議論する道徳の実現」を目指し、「公開された授業をよりよくしていくためには」という視点で行いました。
 小学校部会では、活発な質疑応答の中から、授業の展開部分やタブレット端末の効果的な使い方について、中学校部会では、ワークシートや授業形態などを中心に協議が行われました。また、同期の教員同士が久しぶりに集まる機会ともなり、日頃の授業等で困っていることを話し合う情報交換の場にもなりました。
 本研修で学んだことを、日頃の授業力の向上につなげるとともに、市全体の教育力の向上にもつなげていけるよう今後もよりよい研修の形を検討していきます。(2023年11月29日)

【新城市教育委員会】「特別の教科 道徳」を要とした道徳教育の充実 −家庭・地域との連携を生かした道徳教育の推進−

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 新城中学校3年生では、授業参観日に保護者にも参加をしていただいて道徳の授業を行いました。教材の主題は「家族」でした。資料には、幼い頃から自営業にいそしむ父親の姿を敬愛し、その店を引き継ぐことを考え、手伝ってきた主人公が、中学生になり、新たな夢を見つけ、両親の思いと自分の思いとの間で揺れ動く心が描かれています。
 授業では、主人公、父親それぞれの思いをグループ活動や全体での発表を通して深く掘り下げました。保護者の方には、「(子供が)夢を実現できなかったとき、どんな声をかけるか」や「夢に向かって親元を離れるときどんな声をかけるか」等を問いかけ、親としてのリアルな思いを直接聞くことができました。授業を振り返っての保護者の方の声(抜粋)を以下に掲載します。

○子供がこれからどのような道を歩むか分からないですが、悔いのないように歩めるようにしてあげたいが、少しは親の気持ちも分かってもらえたらよかったです。
○まさにすぐに直面していく問題だと思いました。親なりの「こうなってほしい」みたいな期待や希望を子供に対してもってしまうものですが、もし子供が思う目標や夢が違ったとしてもきっと応援すると思うし、結果的にダメでも受け入れられる。それが家族という絆(つながり)だと思います。

 授業の最後に、改めて生徒に「自分にとって家族とはどんな存在か」を問いました。「成長すると両親とは別々に暮らすようになるけれど、どれだけ離れても大事な人になる。」という記述が見られるなど、家族に対して物理的な距離ではない存在感を認識できた生徒もいました。(2023年11月29日)

【大口町教育委員会】道徳教育の充実に向けて

 大口町では、「考え、議論する道徳科の授業」の実現に向けて、各校で実践を積み重ねてきました。また、これまでに町内での研修会で理解を深めたり、町の教務主任会議で授業展開、発問、教材などの工夫について各校の取組を情報交換したりして、授業改善へつなげています。
 本年度は、新型コロナウイルス感染症による制限が緩和され、久しぶりに町内の学校間で授業を互いに見合って研究を行うことが再開されました。各教科をはじめ、道徳の授業についても学び合う機会となりました。また、学校訪問の機会を生かし、児童生徒の記述や発言、担任とのやりとりをもとに、教材分析、課題設定、中心発問、意見交流の進め方、振り返りなど、さまざまな視点から道徳の授業づくりについて情報交換を行いました。12月には、町教育委員会主催の「教師力向上セミナー」を開催し、各校の現職教育と先生方の実践についての情報共有を図る予定です。
 今後も道徳教育を充実させ、大口町の子供たちが健やかに成長できるよう努めていきたいと思います。(2023年11月28日)

【みよし市教育委員会】 子供の心を育てる教育の推進

 本市には「みよし教育プラン」として、【作戦8子供の心を育てる教育を大切にします】の重要施策で「道徳教育の研究推進」があります。その取組の一つとして、市内中学校の現職研修会に参加する形で「令和5年度みよし市道徳教育推進教師研修会」を行いました。
 3年生<B(8)友情・信頼>教材『ゴリラのまねをした彼女を好きになった』の授業において、友達の思いに同意し自分の気持ちをごまかしてしまった以前の主人公と、自分の思いをはっきり伝えた今の主人公の気持ちを比較する切り返し発問で考えを深めました。「人を好きになるとは」との問いかけに、自分の恥ずかしさより相手を優先する彼女の姿に気付いた主人公の姿から、「外見ではなく、内面を知って好きになること」「相手に対する尊敬の気持ちをもつこと」等の意見が出されました。
 研究協議会では、「考え、議論する道徳の授業に向けて中心発問でねらいに近づき、最後にめあてに戻って子供たちの生活に返していくこと、そのために、話し合う際の焦点をはっきりさせ、単純化すること」を学びました。
 継続して取り組んできた道徳教育の実践が、市内各小中学校に浸透してきています。授業改善・充実を図るために、内容項目のねらいと発達段階に応じた児童生徒の姿での見取り方について再検討し、指導方法・評価の仕方等を市内各小中学校で共有していきます。(2023年11月27日)

【春日井市教育委員会】市全体における道徳教育の指導力向上を目指して〜道徳教育特別部会〜

 本市では、市内3校で取り組んだ愛知県教育委員会の事業「道徳教育の抜本的改善と充実」での研究の成果を全市で共有し、各校の道徳教育を推進することを目指して、令和元年度に道徳教育特別部会を設立しました。
 今年度は昨年度に引き続き、初任者と各校1名の道徳教育推進者(推進教師に限らない)を対象として、この特別部会による研修を行いました。
 初任者研修では、「道徳の授業づくりと評価」と題して研修を進めました。特別部会が年度当初から何度も模擬授業を行い、初任者自身が道徳教育のおもしろさを実感して授業がやりたいと思えるような研修になるよう、また、児童生徒の実態に即した適切な評価の方法を伝えられるよう、内容や構成について検討を重ねて実施しました。
 推進者研修では、各校で中心となって道徳教育を進めていく教師の授業力を高められるよう、道徳教育学会参事の川崎雅也先生を講師にお招きしました。「自己との関わりにおいて深く考える道徳科の授業づくり」をテーマにご講演いただき、充実した研修となりました。
 今後も、春日井市全体の道徳教育推進を目指し、取り組みを進めていきます。(2023年11月24日)


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【犬山市教育委員会】自他の人権を尊重し、望ましい人間関係を築く児童生徒の育成を目指した城東中学校の取組

 犬山市では、犬山市人権教育研究会を設置し、市内14校で道徳教育や人権教育の実践を行っています。城東中学校では、多様な人との関わりの中で自分と相手を大切にできるように、互いの立場を認め合えることができる生徒の育成の実践を進めました。
 2年生の道徳の授業で、絵本「わたしのせいじゃない−せきにんについて−」を教材として取り上げ、「公正・公平」という点から、人権について考える機会を設けました。絵本の中の子供たちの発する言葉から感じたことを交流し、自分だったらどうするのかを考えました。授業の後半では、過酷な環境の中で生きる子供たちの写真を見せ、世界の問題と自分たちとの関わりについて考える実践を行いました。
 また、1年生では認知症サポーター養成講座を受け、認知症の方との接し方や、認知症の方を含め、誰もが安心して暮らしていける社会のつくり方について考えたり、3年生では、「正しく望ましい人間関係を築く児童生徒」を育てるために、相手の良いところを伝える活動を行ったりし、全校で人権について考える機会を設けました。そして、各学年での成果を持ち寄り、全校集会を行い、学年の代表者が成果や今後学校全体で取り組みたいことなどを発表しました。交流会の後には、自分について改めて考えるために振り返りを行い、これから自分自身や学校全体で何ができるのかを考えました。
 犬山市教育委員会では、城東中学校での取組を他の学校にも発信し、今後も犬山市の子供たちの健やかな成長を願いながら、これからの取組につなげていきます。(2023年11月24日)

【豊川市教育委員会】「道徳教育で大切なこと」

 豊川市の道徳主任会では、研究主題「豊かなかかわりの中で自己を見つめ、よりよく生きる子供を育てる道徳教育」に取り組んできました。
 令和5年6月16日(金)には、豊川市立南部中学校長西川真治先生と豊川市立御津北部小学校長田中基明先生を講師に迎え、学習会を行いました。
 西川真治先生には、「道徳授業の悩み」に対する質問についてお答えいただきました。「教科書だけでなく、自作教材をどのくらい使ってよいのか」という質問には「年間35時間とすると、最低限、学年の内容項目数程度は教科書を使う。残りの時間は自作教材と考えると、他の教材や自作教材をかなり使うことができる。各学校の重点目標を意識して+αができるとよい」と教えていただきました。また、本音を引き出すための発問については、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンについて、それぞれが有効な場面と、その使い方を教えていただきました。
 田中基明先生からは、学習指導要領の見方と別葉の作成の仕方、活用の仕方についてお話をいただきました。特に、別葉の作成については、道徳主任一人で作るのではなく、各教科の主任や学年担当にも協力してもらいながら職員全体で作成していくことで、各教科のねらいや内容項目との関連について、同じ視点で考えて進めていくことができると教えていただきました。
 今後も、子供たちが興味をもって学ぶことのできる道徳授業を目指し、研究を進めていきたいと考えています。(2023年11月18日)

【あま市教育委員会】道徳科授業研究会(宝小)

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 「他者とのかかわりの中で、自己を高める児童の育成〜伝え合い、学び合う道徳授業の工夫〜」をテーマに研究を進めています。この度、ご縁があり岐阜聖徳学園大学非常勤講師河合宣昌先生を本校の現職教育にお迎えし、「道徳の特質を生かし、考え、議論する授業づくり」について体験授業を通してご講演いただくことができました。
 教材研究の際には、内容項目の価値を指導者が理解し、「価値理解」「人間理解」「他者理解」「自己理解」の要素をふまえて、ねらいを明確化することの重要性を改めて感じました。また、展開後半の自己を見つめるときには、「これからどうしていきますか」と発問をしがちでしたが、道徳科は「心を育てること」であり、これからどうしていくかを問うことは行為を育てること(学級活動)になるとのお話を聞き、内面的資質の育成を意識して授業をつくっていかなければならないと思いました。また、そのためには、これまでの自分(過去)を見つめることが有効だということも教えていただきました。そのほか、教材提示の仕方、発問の工夫、子供たちの思いをキーワードで整理した構造的な板書、役割演技の仕方など、これまでの先生の実践を基に語られること一つ一つが貴重な学びとなりました。「授業は子供の一人一人の思いを大切にし、それを生かしてつないで発問し、追求意欲を高める授業をつくっていく」という河合先生の言葉がとても印象的でした。   
 自分の思いを語ることができる子、友だちの思いを聴くことができる子、意見の交流により思いを深めることができる子を育てるために、日ごろの学級経営にも力を入れながら、今後も研究を進めていきたいと思います。(2023年11月17日)

【豊田市教育委員会】道徳科の授業改善の推進

 豊田市では、6名を道徳科教科領域等指導員として委嘱し、授業力改善を図る指導訪問を行っています。また指導員自らが市内の4年目、9年目の若手の教員に授業を公開し、協議する研修会を行うことで、若手教員が道徳科の授業について学ぶ機会を設けています。
 令和5年度は、指導員6名の指導力向上を目的として、6月に合同研修を行いました。A指導員が担当する指導訪問校の公開授業、協議会を他の指導員と教育委員会指導主事が参観した(写真左)後、A指導員の指導の様子について協議しました。指導員としての指導方法や悩み等も共有することができ、1年目の指導員からは「様々な疑問が解決され、安心して指導に臨めそう」という声が聴かれました。
 9月には、4年目研修として小学3年生「学級しょうかい」の示範授業・協議会を行いました。内容項目を意識した授業展開や3色チョークを活用した構造的な板書等、若手教員が基本的な道徳科授業力を身に付けられる研修となりました。受講者からは「小グループでの話し合いにより意見が活発に出て、考えを深めることができた」という感想が寄せられました。(写真右)
 10月には、9年目研修として示範授業・協議会を行い、参加した中堅教員自身の指導力向上だけではなく、経験を深め、よりレベルの高まった教員同士の協議を通して、道徳科授業に対して深い学びができ、自校の若手教員に適切に助言する力を身に付けられる研修となりました。(2023年11月14日)
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【岡崎市教育委員会】教師の力量向上を図る「学年別研究部会」の取組

 各校の道徳主任で構成される岡崎市道徳部会。毎年、各校1名の計67名の教員を小学校低学年、中学年、高学年、中学校の学年別の4つに分けて、授業研究に取り組んでいます。各部会で研究する1つの教材を取り上げ、それぞれの学校で授業を実践します。実践後に、道徳科の本質に迫る発問や問い返しなど深い学びにつながる授業展開や、豊かなかかわり(ペア学習やチーム学習、ICT活用など)を取り入れた授業展開について自らの実践をもとに話し合い、さらにねらいに迫る実践であったかを検証していきます。そして、部会で出された意見を生かし、代表の教員が授業を行い、その成果を岡崎市教育研究大会で発表しています。
 今年度は、思考ツールを活用した子供の考えを整理し、補助発問でねらいに迫ることや、役割演技で子供の考えを引き出すことなど、それぞれの部会で授業展開を考えました。実践後の協議では、授業記録や板書写真を提示して、どの部分で子供が自分事として考えているか、ねらいに迫っているかなどを活発に協議しました。
 代表授業者からは「研究部会で、様々な意見を出し合い、指導案を練り上げた結果、質の高い授業を行うことができた」という言葉を聞くことができました。
 この学年別研究部会で学んだことを、道徳主任が各校で伝え広めることで、岡崎市の教員の力量向上につながります。さらに、岡崎市教育研究大会の場で発表することで、主任以外の教員が実践報告を聞き、今後の授業に生かすことができます。今後も岡崎の教員の力量向上につながる研修を行っていきたいと考えています。(2023年11月13日)

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【西尾市教育委員会】西尾市教育研究会・道徳部会の取組

タイトル
豊かな関わりの中で自己を見つめ、よりよく生きる子供を育てる道徳教育
〜現代的な課題と向き合う多様な指導方法の研究〜

西尾市教育研究会・道徳部会の令和5年度の授業研究から
 中学校1年「命の重さを感じよう」(「捨てられた悲しみ」:光村図書 内容項目Dよりよく生きる喜び)の授業を道徳部員で参観し、その後、協議会をもった。協議会では、「現代的な課題や新教材の取り扱い」、「本時のねらいに迫ることができたか」という視点をもとに協議された。

<協議会での主な意見>
・山場での発言については、展開で資料を提示した時に出た発言と関連をもたせられるとよかった。また、資料は数を絞ったり、ホワイトボードを使って大きく掲示したりするとよい。
・終末のゲストティーチャーの講話がとても効果的だった。導入の場面と終末の場面で明らかに生徒の表情に変化が生まれた。
・「人間とペット、逆の立場だったらどう思うか」という切り返しの発問によって、生徒は命の重さや尊さについて考えを深めることができた。

<講師の指導も含めたまとめ>
・今回の授業のように、お互いの考えを聞くことで、考えを広げることができる。さらに立場や視点の違うゲストティーチャーなどの話を聞くと、考えに厚みが増す。その考えの変化が深まりである。
・現代的課題は複数の内容項目を含んでいることが多い。そのことから、教師主導の教え込みの授業ではなく、生徒と共につくっていく授業を心がけたい。そのために、人間の弱さや醜さを自覚しながらも、人間のよさを感じることを基盤とする視点で発問を構成する授業を心がけていきたい。(2023年11月1日)

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【稲沢市教育委員会】道徳科の授業力向上を目指して

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 稲沢市では、道徳教育の充実・発展を図るため、毎年道徳に関する研修会を開催しています。
 夏季休業中には、道徳教育推進教師のさらなる力量向上と各学校での道徳教育の充実・発展に向けて「道徳教育推進教師研修会」を開催しました。本年度は、最初に道徳科の教科等指導員による講義「道徳教育・道徳科について」を聞き、道徳教育推進教師に期待される役割について学びました。次に、実習「道徳科の授業づくりについて」を通して、グループで授業の展開を考え、実際に模擬授業を行いました。最後に、道徳科の評価についても学びました。本研修で学んだことを各学校へ持ち帰り、他の教員にも広げていくことで、教員の授業改善・授業力向上を図っていきたいと思います。
 また、10月の初任者研修では、初任者が道徳科の模範授業を参観し、研究協議を行いました。ここでは、発問の仕方や話し合いを活性化する手だてなどについて協議し、持ち寄った道徳科の学習指導案をもとに各自の実践について振り返りを行いました。本研修を通して、「考え、議論する道徳」となるように、初任者が指導方法等の工夫・改善に努めることで、授業力向上を図っていきたいと思います。(2023年10月27日)

【東海市教育委員会】夏季に行われる教師力向上研修

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 東海市では、毎年、夏季休業中に教育委員会主催「夏季研修」を8講座開催しています。今年は、研修センターの他に東海市芸術劇場を会場に、のべ約680名の参加がありました。講師として大学の先生など、様々な分野の第一線で活躍されている方をお迎えし、どの講座においても好評を得ています。その中の一つ「道徳科の授業展開」は、人気の高かった講座の一つです。市内の教員から103名の参加がありました。
 昨年度までの発問や評価を中心としたテーマから、今年度は「うれしい、たのしい、道徳大好き!〜考え議論する子供たちの姿と教師のファシリテート〜」とステップアップをしました。講演では、考え議論している子供たちの姿や子供の考えをつなぐ教師のファシリテートの具体的な方法を紹介していただき、受講者からは「話の引き出し方、対話力の育み方、役割演技の方法についてとても勉強になりました」「道徳の授業は発問や意見など教師側がしっかり導いていくものと思っていたので、今日のお話を聞いて、子供たちとともに作り上げていくことを感じ、道徳の授業が楽しみになりました」と、自身の学びとともに道徳科への意識の向上を感じさせる感想が多数寄せられました。
 これからもこのような研修の場を設定し、子供たちが心豊かな生活を築く態度を養っていけるよう、道徳教育を推進していきます。(2023年10月10日)

【東海市教育委員会】「教科指導員制度」を利用した研修

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 東海市には、毎年、各教科の指導に優れた市内の教員を教科指導員に任命し、教科研究を充実させるとともに、少経験教員の教科指導力の向上を図ることを目的とした「教科指導員制度」があります。
 今年も14名の教科指導員を任命し、経験年数が2〜5年までの少経験教員や経験年数を問わず指導を希望する教員に対して、授業研究等の指導・助言を行っています。
 「特別の教科 道徳」については、小中学校の少経験の教員が一緒になって授業研究をしています。少経験の教員にとって、授業づくりについてだけでなく互いの悩みを共有し、一緒に考えられるよい機会となっています。また、指導教員も授業についての課題や悩みへの助言を通して中堅教員としての力量向上につなげています。
 コロナ禍ではありますが、これからも共に学ぶ場を大切にして、子供たちが心豊かな生活を築く態度を養っていけるよう、道徳教育を推進していきます。(2023年10月10日)

【江南市教育委員会】江南市立布袋小学校の取組「一人一台端末の活用」

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 江南市立布袋小学校4年生では、一人一台端末であるクロームブックを活用し、道徳の授業を行っています。
 ジャムボード機能の背景に思考ツールを貼り付け、教材を読んで感じた思いや、友達と議論して広がったり深まったりした考えを書き込んで、整理しています【写真左】。そうすることにより、多面的・多角的な見方・考え方が視覚的に捉えやすくなり、自己を見つめ、これからの生き方を考えるきっかけとなっています。
 また、友達と議論したことにより、自分の考えがどのように変化したのかも記録しています【写真右】。自分と友達の考えの違いが明確になり、自分に足りなかった見方・考え方に気付くことができています。そして、それらを素直に受け入れることにより、よりよく生きていくための資質・能力が培われています。(2023年10月7日)

【安城市教育委員会】LGBTQへの理解と自尊感情を育む授業づくり

 安城市では、LGBTQへの理解と自尊感情を育む研究に取り組んでいます。この研究では、子供たちがLGBTQに対して理解を深め、自尊感情を育むことができるような授業を目指し、教材の開発、授業の進め方を研究しています。「LGBTQって何だろう」と題したパワーポイントや男の子がぬいぐるみを欲しがることについて問いかける4コマ漫画などを作成し、実際に授業を行いました。子供たちの反応から発問の仕方を改善したり、教材を作り直したりして試行錯誤しました。また、LGBTQの当事者であるゲストを招聘(しょうへい)し、実際に触れ合うことで、子供たちがより多様な他者を身近な存在として感じられるような授業を行いました。授業では、過去に感じた不安や、LGBTQに対しての思いをゲストに語ってもらいました。子供たちは、当事者の生の声を聞くことで「友達がLGBTQに悩んでいたら、相談に乗ってあげたい。」と思いやりの心で接することの大切さに気付くことができました。(2023年10月5日)

【豊明市教育委員会】道徳科授業研修

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 豊明市では、愛知地区4市町合同で毎年8月に初任者研修を行っています。この研修は、初任者の力量向上を目的としており、今年度は、8月2日(水)に道徳科の研修を行いました。
 道徳科の研修では、あま市より講師の先生をお招きして「道徳科 授業づくりの基礎・基本 〜はじめの一歩〜」のテーマで以下のような項目でお話をいただきました。
1 「道徳科」の理解
2 授業の実際
3 授業づくりの「基礎・基本」
4 資料の「基本構成」
5 道徳科の授業づくり「Q&A」
6 質疑応答
 講師の実際の授業動画をもとに、導入の仕方、発問や資料の扱い方、児童生徒の発言のつなぎかた等について丁寧に教えていただきました。初任者の先生方も真剣な面持ちで研修に取り組んでいました。
【受講者の感想】
・「特に話したくなる空間づくり」の内容が勉強になった。「アドジャン」などのゲームも取り入れつつ、子供たちが「話したい」「話していいんだ」と思えるような学級づくり、空間づくりをしていきたい。
・道徳の授業は自信がなく、マイナスのイメージを強くもっていたが、講師の先生の話を聞き、私が楽しい気持ちでプラスのイメージをもって授業ができるように心がけたい、というように気持ちが前向きになった。(2023年8月31日)


【扶桑町教育委員会】ICTを活用した道徳授業の実践

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 ICTを活用することで、より深まりのある道徳の授業になると考えます。今回は、iPadの「keynote」というアプリとウェブのブラウザ上にある「メンチメーター」を活用した授業を実践しました。
〇「keynote」の活用
 道徳の授業では、題材のあらすじを理解することが話し合いの基盤であると考えます。児童がより理解しやすくなるように、「keynote」というアプリを活用しています。アニメーションを使ったお話の挿絵や登場人物のセリフをスクリーンに映すことで、児童の目線がスクリーンに集まります。また、スクリーンにあらすじを映すことで、教科書の文章から答えを探すのではなく、登場人物の気持ちをより想像するようになると考えます。
〇「メンチメーター」の活用
 道徳の授業では題材の価値項目への考え方が授業の前後で変化することが大切であると考えます。「メンチメーター」内にある「ワードマップ」という機能を活用することで、クラス全体が価値項目に対してどのような考えをもっているのかを一目で把握することができます。また、授業の導入時とふり返り記入時に価値項目に対する考えを記入することで、価値項目についての自己の考えの深まりや広がりを実感することもできます。
 今回のようにICTを効果的に活用することが、題材理解や価値項目に対する考え方の変容の実感につながります。今後も、効果的なICT活用を校内で共有し、より深まりのある道徳授業を模索していきます。(2023年7月12日)