第2回は、6月16日10時〜12時です。講師は『土居正博先生』です。土居先生は国語科教育の若手のホープ。ふるってご参加ください。

20代からの教師修業 出会いと挑戦 −6−

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恩送り 倖せとばし

言葉にこだわる福山節が続きます。

“教師は鉛筆人間になれ”  これは、芯はぶれないが、周りの人(子供)に気を使える(周りは木)。 人に合わせてHB、Bなど濃さを変えられる。鉛筆を削る→身を削って人のためになれ。  また、“教師はバカ(馬力、化力、場力)になれ”   その場所で頑張れる、どんな場所でも力になれる。

土井先生からは、どんどん本を読めといわれました。
福山先生の庭には書庫があります。“本は頭の栄養” なのです。

これまで、多くの人の本を読んできました。
・岸本裕史先生 
・斎藤喜博先生
・大西忠治先生
・西郷竹彦先生 
・青木幹勇先生 
・大村はま先生 
・向山洋一先生
・野口芳宏先生
・有田和正先生 

師匠・有田先生が下関へ来た時のこと。
関門海峡の風景から、何か疑問が浮かばない? 有田先生は、子供のことを考えた授業にしろ、旅学びをしろといつも言っていた。 ここは交通の要所のはず。新幹線はどこ通っている?車は? “見えない所を子供に伝える”のが授業。 有田先生はそこから発問を13個考えた。
教師が多くのことに関心を持つことが大切なことを、有田先生の姿で教えていただきました。

福山先生の話題は尽きません。

狩人(かりうど)のように、うどが付く漢字を10個書こう。周りと交流してもよい。
周りと交流しながら、素人、玄人、蔵人、若人、仲人、商人等を見つけていきました。
人に聞くことは、行動(こうどう)⇒ 請う動 ⇒ 幸動 になるのです。

色んな人の知恵を出し合うことを “三人寄れば文殊の知恵”と言う。 “知層をためよ” “出会い”は宝、共育は協育になり、響育になる。

凝った魚の手紙が郵便で送れることを教えると、かまぼこ板やうちわを送ってきた。 段ボールの手紙(裏に糸で住所・名前が書いてあった)をくれた子はデザイナーになった。 “手間をかける = 心の時間”である。

最後に、若い頃に教師修行を積んだ者として、メッセージが贈られました。

受けた恩を、次の人に送るのが、恩送り。倖せとばし。 自分がしてもらったことを、次は誰かに返してあげたい。 喜びを分かち合えば、倍になる。 これを“運呼”という。

最後まで言葉にこだわった、福山先生らしいオチでした。

アンケートは、ここから見ることができます。

【6/13志水先生&大羽先生1】算数授業のユニバーサルデザイン

今回は、志水廣先生と大羽沢子先生のコラボ。今注目されているユニバーサルデザイン(以下UDと記す)について語っていただきました。 
参加者116名。満足度100%のセミナーでした。参加者からは、理論だけでなく模擬授業(解説付き)もあったので、理解が深まったという声が多数ありました。セミナーの様子は【6/13志水先生&大羽先生1〜5】、詳しいアンケート結果は、ここをクリックすると見ることができます。

はじめに大羽先生から、次の話がありました。

●授業のUD化とは?
「学力の優劣や発達障害の有無にかかわらず、全員の子どもが楽しく『わかる・できる』ように工夫・配慮された通常学級における授業デザイン」(授業のUD研究会)
●キーワード
・視覚化・・・見てわかる
・焦点化・・・シンプルに
・共有化・・・分かり合う、学びあう
●課題
これがUDの授業です!といえるモデルが「分かりにくい」
・理由1 UDの視点を持っていないと見えない
・理由2 「これだったら、やってるわ」と思うことが多い
・理由3 「何だか難しそう、できない」と思い込んでいる

まずは、UDの視点で、UDセルフチェックシートにチェックしてみましょう。
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【6/13志水先生&大羽先生2】うまくいかない子どもたちへの対応

●うまくいかない子どもたちの気持ち
・また失敗するかも→不安
・どうしていいかわからない→パニック
・自分にはできそうもない→あきらめ
・自分はダメ人間だ→自己肯定感の低さ
・どうせ自分が悪いんだ→開き直り
以上のような気持ちがあるので、授業中そわそわする、みんなと一緒にできない、こだわりが強くなる。
そこで、このような子どもにはどのようにかかわったよいか。

●かかわり方を見直そう
・3つの枠で行動を考えよう
・結果OKで子どものやる気を引き出そう
・行動の「意味=機能」を考えよう
・できていることをつかもう

●かかわり方の基本
できるだけ「ほめられて終わる」「できて終わる」「満足して終わる」
具体例は、下のスライドを見てください。
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【6/13志水先生&大羽先生3】UDとは何か?

ここからは志水先生のお話。
◎「UDとは何か?」
授業に置き換えると、どの子にも分かりやすく、適切な環境で学習できる教師の配慮や工夫といえる。
・わかりやすい…視覚化、焦点化、共有化
・できるようになる…そろえる化
●視覚化
・黒板の左端に前時の学習で学んだこと、右側に今日の問題
・子どもとともに創る授業は子どもの言葉を書く。
●授業展開の視覚化
・「つかむ、くりかえす、ひろげる、たしかめる、まとめ」のように黒板の左端にこの時間でやることを書いておく。
→子どもたちも今授業のどのあたりをやっているかがわかる。先生も頑張ろうと思える。
●そろえる化
・道具をそろえる(例:分度器→いろいろな分度器がある。なので、啓林館の教科書では、付録に分度器をつけた)
・ノートの書き方をそろえる
・操作をそろえる
・授業の冒頭をそろえる→集中力がUPする。
●手順の視覚化
・教科書は結果の絵しかないので、黒板の図に1、2、3と順番を書くとわかりやすい。
・先生が話をしてできる子とできない子がいるから手順を示すとよい。
以上のことをふまえて、UDの考えに基づく授業(わかりやすい授業)とは、
1 見やすい…板書、ノート
2 聞きやすい…教師の言葉、子どもの言葉、数学言語、生活言語
3 考えやすい…確かな見通し
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【6/13志水先生&大羽先生4】志水先生の模擬授業から学ぶ(長文)

本時は「180度より大きい角を調べる」授業。

導入では、分度器を使って、角のはかり方の復習。実に丁寧にされた。
・小刻みに指示し確認して足場をそろえていた。
・押さえたいところをわざと間違えて子どもに言わせるようにしていた。
・先生がしゃべりすぎず、大事なことは子どもに言わせるようにしていた。

その後、まるく開くおうぎを使って、本時の課題に迫っていた。
T (一直線に開いて)「何度?」
C 「180度」
T 「今日やる角度へいくよ。これは何度ぐらい?」
C 「200度」
T 「そうだね、OK」
C 「190度」
T 「よし」
T 「今日はどういう問題をやるのかな?」
C 「180度より大きい角を調べます。」
T 「そうだね、じゃあ、めあてを書きます。『180度よりも大きい角を調べよう』」
T 「一回分度器を当ててごらん。」
C 「・・・・・」
T 「はかれない?じゃあ、どうすればできるか考えてみて。30秒だけ考えて。」
T 「(机間指導しながら)なるほど、おもしろいね、素晴らしい」
T 「分からない子は手をあげてごらん。いいんだよ。」
  「じゃあ分かった子は?聞いてみようかな。」
C 「分度器を2つ当ててやればできる。」
T 「なるほど、2つ当ててやればできる。」
(志水:ちゃんと予想をして分度器を2つ用意しておいた)
(この時黒板に「2枚あればできる」と書いておく)
T 「分度器1枚でもできるんだよ。1枚だったらどうやる?」
T 「補助線を引く」
T 「難しい言葉を知っているね。補助線のこと説明してくれる?」
C 「本当は見えない線、直線を延長する」
T 「どこに引けばいいかな。やってくれる?」
 (子どもに前に来てもらって線を引いてもらう)
T 「線を伸ばして・・・この後どうするの?」
C 「ここをもう一回はかる」
T 「これではかれる?はかってみよう」
  (ここではかれないと言っていた子に個別指導)
  ○つけ法を行う。180度と書くように伝える。

〜大羽先生、志水先生による解説〜
・短い言葉で指示をする(教えるのではなく問いかけ、本人に決めさせる)
・最後に「素晴らしい、できたね」
・先生が沈み込んではいけない(特定の子につきっきりにならないように気を付ける)
・まだ習っていない言葉を言った子にも「すごいね」と伝える
・どの子もほめながら、伸びようとしている子も大切にする
・180度が分かったら180という数字を書かせる⇒見えていることを増やす
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【6/13志水先生&大羽先生5】志水先生の授業ビデオから学ぶ

最後に志水先生の授業ビデオを視聴。
このビデオから学んだこと。
・わざと間違えて子どもたちが言いたくなるような雰囲気をつくっている。
・子どものちょっと気になる発言を取り上げて黒板に書いている。
・子どもをできるようにさせてから練習問題に入っている。(「できた感」が弱いまま練習問題に入らない)
・不適切な行動にどう対応するか事前に考えておくと叱らずに済む。
 うるさい子に対しての対応は次のとおりである。
 おこらない。適切なことを言ったときだけ「あ、そうか」と反応する。しゃべりたい子には「ここで声を出していいよ」という場面をつくる。
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第1回菊池省三先生セミナー報告2/2

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2 気になる子への接し方〜気になる子が教育観を覆してくれる〜
 【個と集団・2:6:2・ピグマリオン効果・ぶつからない指導・先手を打つ・うろたえない・…】
・ 非言語をほめる 
・ 「写すだけやん」
 学校では写すだけで「写すだけやん!」と言う子どもがいる。その時は「この紙1枚にどんな力があるか皆で考えよう。」とみんなで考える場をつくることが出来る。
・ 「君たちの責任だ」
 「お前らの責任だろ、なんで(友達が)こんなになるまでほっといたんだ。」
4月に言っても「なんで私まで怒られるんや・・」と思うだけ。6月頃に底上げが出来れば、スーパーAを叱るという叱り方に変えることもでき、全員で考えることが出来る。時期が大事。
 ※スーパーA・・・周囲の仲間を成長させることができる学級リーダー
・ 「何か気になることある?」
・ ○○君の成長
・ 知的で無邪気でほんわかしたクラスを作りたい
・寝ている子を起こそうとすると「起きろ」「うるさい」となってしまう。少人数の話し合いだと自ら起きて活動する子が多くなる。少人数での話し合いを取り入れないとでこぼこを活かすのは難しいのではないかと思う。
・少人数による対話も大切。
自由に動き回っていいから意見交換しよう。→自信と安心感のある学級でないとできない!
・ アクティブラーニングや学びあいも学級の土台が出来ていないと成り立たない。
・ ディベートをする時は、相手の根拠に対して賛成、反対を言うように指導している。
発言の内容の質がどう変わってきているか、というところがポイント。
・グループ学習では、誰かが発言したら他の子が意見を言う、1回言ったら次の子が言うまで休み、というようなルールを作り、皆が参加できるようにする。
・全体学習では、1人が発表、みんなが分かるように指示をするように誘導。「見えますか?」「はい。待ってください。」というような授業中の発言のキャッチボールがあるとよい。
・教師が常に教壇にいる必要はない。時々教師は横にはけて子どもが前に立つと、子どもも新たな気持ちで話を聞ける。→黒板の字や図の「見える化」
・子どもが自分で意見を書くなど、黒板を子ども達に開放する。
・どうすれば全員が参加して楽しめるか。
 例:ソフトバレーボールの試合、グループの全員がボールにタッチしたら相手コートに返せるという独自のルール。
出来るようになるにつれ、ボールの重さを変えたり、コートの広さも変えていく。
・ でこぼこが生きる学級にするために授業観を変える

第1回菊池省三先生1/2

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5月9日土曜日、本年度第1回セミナーは菊池省三先生に登壇していただきました。
 参加者は、180名程でアンケートから、ほぼ全参加者が「最近、気になっている多様な子どもの問題も『やはり学級をまとめあげていくことが大切だ』『そのための教師力アップなのだ』と原点に返りました。若い子たちに学級を群れでなく集団にすることを伝えていこうという思いが高まりました。」など、本年度の学級経営について触発され、意欲的になられたことがうかがえます。
 簡単に報告させていただきます。
1 菊池流学級づくり〜自分を自分の言葉で語れる子どもに育てる〜
 【ほめる・自分らしさ・自己開示・群れから集団・自信と安心・成長・…】
・ ほめ言葉のシャワー
 毎日できれば朝1番に子どもをほめる。そうすれば子どもたちも卒業前には自らほめるようになる。欠点を言うときも自己開示、自信をもってプラスで話すこと。
・ 質問タイム
・ 価値語
 教師が価値ある言葉でほめないと。例えば、他己中という言葉は教師が教えなければ子どもは知らない。つまり、価値語は教師が教えていかなければならない。シャワーのように浴びせないと子どもたちの中に落ちていかない。
・ 係活動
 自分らしさを出すのは特別活動の中の神髄ではないか。その特別活動の神髄が係り活動にある。ダンス係の活動を紹介。
・ 成長ノート       他

<1年間の見通し>「成長曲線」で考える
・始業式⇒教師との縦糸⇒学級目標⇒子ども同士の横糸⇒自信と安心⇒自分らしさの発揮⇒リセット 成長ノート・価値語・ほめ言葉のシャワー・朝の質問タイムの指導・係活動の充実

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