【小牧市立大城小学校】「ここを走れば」の授業実践

 教材「ここを走れば」を使って道徳科の授業を行いました。危篤の祖父のもとへ行くのに、高速道路が渋滞していた。何台か車が路側帯を走っても、父は路側帯を走らなかった。結局、祖父の死に目には会えなかった。祖父に手を合わせる父の涙を見て、主人公がハッとする場面で教材は終わる。
 「こう答えれば正解なのだろう」という上辺の考えではなく、心が揺さぶられたことによる本音を引き出し、議論させることがねらいである。初めは、「自分だったら走る」が6人、「走らない」が17人だった。走る派の考えは、「祖父に生きて会いたい」「走ってもおそらく問題ない」「何台か走っていったから大丈夫」というものが多かった。走らない派の考えは、「走りたいけれど、法律に違反している」「走ることは祖父の意に反する」「走っても祖父の命は救われない」というものだった。走らない派にも、走りたい気持ちが垣間見え、そこから切り込んでいくことにした。
 「走れば、少しでも生きた祖父に会えるかもしれない」という児童の考えから、話合いを始め、走る派の考えに十分耳を傾けさせた。中でも「実際この状況になったら、よくわからないけど多分走る」という考えに反響があり、走らない派の「頭では走らないと決めているけれど、実際なってみたら分からない」「すごく共感はできる。でもやはり走らない」という変化を感じとることができた。揺さぶられたことで本音で話し合うことができ、実りある時間になった。

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【美浜町立河和小学校】4年生「『もっこ』をせおって」の授業実践

 本校では、「自分の考えを広め、深めることのできる児童の育成」をテーマに、道徳科の授業を要として現職教育を行っています。
 4年生での授業実践を紹介します。教材「『もっこ』をせおって」の授業では、中心発問を、「重い荷物を背負いながら坂を上っているとき、二人は何を考えていたのだろう」の一つにしました。まずは、自分で考える時間を確保しました。考える際には、自分の考えを付箋に書かせ、一つだけでなく、考えつくだけ付箋に書かせました。その後、付箋を画用紙に整理しながら、自分の意見を伝えると、「私も似てる」と、友達の意見と比べながら、自分の意見を言う児童の姿が見られました。
 グループの話合いの後は、全体の話合いを行いました。「なぜ、二人は、つらい思いをしているのに働くのだろう」と補助発問をすると、「ありがとうと言われるとうれしいから」という発言が出ました。そこで、「ありがとうと言われないとやる意味はないだろうか」と聞くと、「ありがとうと言われるからやるわけではないけれど、ありがとうと言われるとパワーになる」と考えが深まった。また、「自分が、二人の立場だったらどうする」という補助発問に対しては、「自分も、被災していて、つらいからできないと思う。だからこの二人は本当にすごい」など、主発問を一つにし、子供の発言に応じて補助発問をしたことで、「進んでみんなのために働く」ことについて、児童の本音を聞き出すことができました。
 児童の考えを広げ、深めるためには、発問の大切さを改めて感じました。

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【大府市立共和西小学校】修学旅行へ行く前に「自由と責任」の授業実践

 本校では、現職教育で、「対話的な学び」について研究しています。そこで、道徳科においても、様々な対話を通し、児童の考えを深めていこうと考えました。
 6年生の実践を紹介します。教材名は、「修学旅行の夜」、内容項目は「善悪の判断、自律、自由と責任」です。修学旅行という特別な日の夜ぐらい、他の人に迷惑をかけなければ自由にしたい、と考える登場人物たち。始めは、他の人のおしゃべりを不満に思っていた主人公も、話の輪に加わります。徐々に話し声が大きくなり、ついには枕投げが始まり、他の部屋の人や先生に注意されるという話です。
 児童は、「みんなが楽しむためには、どうしたらよいのか」について話し合いながら、「本当の自由とは、どのようなものか」を考えていきました。 発問に対し、ワークシートに自分の考えを書かせてから、話し合うようにしました。話合いは、ペアトークや、4人程度の小グループなど内容に応じて取り入れました。児童は、「他の人を思いやり」「迷惑をかけないように行動すること」「自分の気持ちを抑え我慢することも必要であること」「ルールを決めてきとんと守ること」など大切なことをまとめました。また、教師が「ルールをたくさん決めればよいのか?」と切り返すことにより、自律や責任についても自然な流れで考えることができました。
 他の学習でも、話合い活動を多く取り入れているため、スムーズに意見交流をすることができました。また、児童が積極的に発言し、道徳科で大切とされている「児童の言葉で授業を進める」ことができました。
 今後も、児童が考えたくなる、話したくなる授業展開を工夫していきたいと思います。
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【豊田市立旭中学校】住みよい集団

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 本校は、全校生徒39名という小規模校である。こども園や小学校の頃から中学校まで、同じクラスの生徒ばかりで、お互いのことをよく知っており、学年や性別に関係なく仲がよい。しかし、その反面、人間関係を固定化させてしまう環境でもあり、一度友達との関係がこじれると修復がとても難しい。さ細なことをきっかけに、悪化してしまった人間関係で悩む生徒が多いと感じる。そこで、悪気がなくても相手を傷つけてしまう言動や、住みよい集団とはどのような集団かを考えるための道徳科の授業を、小規模校の特色を生かして全校生徒に向けて実践した。
 導入時に、本校の教員が、「ひそひそ話」を題材にした寸劇を行った。ひそひそ話をしている人と、ひそひそ話の内容を教えてもらえなかった人の心情を考え、それぞれがどうするべきだったかを、異学年グループで話し合った。あるグループの中には、同じような状況になった経験があることを話し、当時の気持ちになって発言する生徒もいた。
 その後、「お互いが気持ちよく過ごすためには、どうしたらよいか?」という主発問を設定し、意見交流を行った。「笑顔で接すること」「誤解が生まれない言動をすること」といった相手を思いやる意見が多かった。
 生徒の振り返りには、「嫌な感情になったときに、どうするべきか考えたい」「もっと素直に接したい」といった意見もあり、自分の感情をコントロールする大切さに気付くことができた。

【春日井市立出川小学校】6年生実践「手品師」

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 本校の6年生は、学校のリーダーとして、生活の様々な活動に対し意欲的に取り組む姿が見られます。しかし、教師に注意を受けたり、何か失敗したりすると、自分の立場を優先に考えて他者に責任を転嫁し、その場しのぎの言い訳を考えてごまかそうとすることも少なくありません。そこで、自分だけが得をすることや、周りから外れないことを考えて行動するのではなく、自分の心に誠実に向き合い、「自分はこういう人になりたい」「こう生きていきたい」というような人としての誇りをもって生きようとする実践意欲と態度を育てたいと考え実践しました。
 授業では、4人ずつのグループを作り、「誠実に生きる」ことについて、個人で考えたことを付箋に書き、ミニホワイトボードに貼りました。似た内容の付箋紙をまとめたり、内容のつながりを書き込んだりする活動を通して、グループとして考えをまとめました。さらに、その考えをグループ間で共有し、全体に発表をしました。誠実に生きることについて、物語から離れ、自分たちの生活とつなげ、自分事として話し合っているグループの姿が見られました。
 児童の振り返りには、「これからは、相手の気持ちを考えて、小さな約束でも守る」などとあり、手品師の生き方を参考にし、自分の経験と重ね合わせながら、これからの自分の行動について考えることができました。

【豊川市立御津南部小学校】 こまっているともだちに…

 1年生の道徳科で、資料「くりのみ」を用いて授業を行った。 本資料には、冬支度をするうさぎときつねが登場する。きつねは、どんぐりを見つけておなかいっぱい食べ、残った分を、葉っぱに隠してとっておいたのにもかかわらず、帰り道でうさぎにあった際に、「何も見つからずに、はらぺこ」と、うそを言う。うそだと知らないうさぎは、二つしかないくりの一つをきつねにあげると、うさぎの思いやりの行動に対してきつねは涙したという物語である。
 この資料は、「こまっている友達に」が主題名となっている。子供たちは、きつねが涙した際の気持ちについて考えることで、助けてくれたうさぎへの感謝の思いや、うさぎの思いやりのある行動について気づくことができた。また、自分がとった言動に対して、後悔をしているということにも気づくことができた。その後、「自分がきつねだったら、その後どうするか」という発問に対して、「本当のことを言って、謝る」「一緒に食べ物を探す」「どんぐりを渡す」など、きつねが本来行うべきはずだった行動についても考える姿が見られた。さらには、「二人はその後、本当の友達になれたのではないか」という意見も出てきた。
 終末の振り返りでは、「自分も困っている子がいたら、声をかけたい」「まずは、相談にのってあげたい」「心配してあげたい」などの意見が出された。仲間と助け合うことの大切さに気づき、今後の生活に生かそうとする気持ちが感じられた。
 道徳科の時間では、日常生活で自分に起こりそうな場面について、少し立ち止まって考えさせる機会を設定できるよう、これからも大切にしていきたい。

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【江南市立藤里小学校】2年生「仲よくするために」

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 2年生の教材「ぶらんこ」では、ぶらんこを壊してしまったくまと、くまも一緒に遊べるような丈夫なぶらんこを作ろうとする動物たちの姿が描かれています。くまや他の動物の気持ちを想像しながら、人との関わりについて考えました。
 はじめに、最後の場面にある動物の顔だけを提示しました。動物は、みんな笑顔ですが、くまだけが後ろ姿です。子供たちからは、「みんなにこにこしている、楽しそう」「一緒に遊ぼうと言っている」等の意見が出ました。後ろ姿のくまに対しても、「みんなうれしそうだからきっと笑顔だと思う」と周りとの関わりから想像する子供も多くいました。
 次に、泣いているくまの場面まで読み、ぶらんこを壊してしまったくまを、「許せる」か「許せない」かについて、動物の立場になって考えました。「やっぱり壊されたら嫌な気持ちになる」と意見が出ている中で、「どうしてぶらんこを引っ張ったのかな」「やっぱり、くまさんも乗りたかったんじゃないかな」など、相手の気持ちを考える意見も出てきました。
 最後の場面の絵を提示したところで、「後ろ姿だけれど、やっぱりくまさん笑顔だよ」「うれしくて泣いてるかもしれないよ」などの声を聞くことができました。
 子供たちは、自分の考えと違う友だちの意見を聞きながら、自分の考えが変わっていくことを経験しました。子供たちは、「友達と仲よくするために、自分は何ができるか」を考え、相手に対する思いやりの気持ちを高めることができました。

【瀬戸市立萩山小学校】友達のことを考えて「二わのことり」の実践を通して

 本校では、1年生で、友達と仲よくし、助け合おうとする実践意欲と態度を育てるために、「二わのことり」を教材にして授業を行いました。
 はじめに、「やまがら」の誕生日のお祝いも大切だと思いつつも、より面白そうな「うぐいす」の誕生会に参加してしまう「みそさざい」の気持ちを考えました。次に、どうしても「やまがら」のことが気になってしまい、こっそり抜け出して「やまがら」の誕生会に向かう「みぞさざい」の心情を考えました。この二つの学習活動では、「個人」→「ペア」→「学級全体」で話合う形態をとり、児童が同じ目線で教材に取り組めるようにしました。
 また、終末では、「みそさざい」と「やまがら」の会話部分を役割演技することで、友達の立場や気持ちを考えることの大切さを実感しました。
 この授業で、子供たちは、「一人で怖くなかった。今は、ぼくがついているよ」「来るのが遅くなってごめんなさい」など、「みそさざい」の言動から、友達のためにできることを真剣に考えました。
 友達と仲よくし、助け合おうとする姿が、今後の学校生活で見られるようになってほしいと思います。

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【豊田市立美里中学校】みんなで権利を守ってあげよう

 本校は、今年度、「中学校への子どもの権利啓発事業」の実践校として、11月下旬に弁護士を招いて、「子供の権利」について講演をしていただきました。また、12月には、講演の内容を生かした道徳科の授業を行いました。
 道徳科の授業は、「一人一人が、自分の意見を発表する権利をもっており、その意見は、尊重されるものであると知ること」「自分だけでなく周りの人にも権利があり、自分の権利と同等に守られるべきであると知ること」をねらいとして行いました。ねらいを達成するために、「学校生活でどうしてもしたいこと、したくないことをどうしたら実現できるのか?」をテーマに、小グループで話し合いました。その際、生徒たちは、周りの仲間の意見を否定することなく、その意見を達成するための手立て、多様な考え方や捉え方を発表し合いました。
 授業後、生徒たちは「権利だからと調子のよいことは言わずに、相手の意見も自分の意見も大切にしていきたい」「全員が自分の権利を主張してしまうと、権利が奪われてしまう人が出てくると分かった。様々な場面で、主張する権利の優先度が変わるので、しっかり対応していきたいと思いました」等の感想をもちました。
 今後は、権利についての知識や理解を深めたことを、学校生活の中で生かしていけるように支援していきたいです。
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【半田市立さくら小学校】「くずれ落ちただんボール箱」を題材にした授業実践

 5年生の児童は、友達に対して優しく接している姿や、困っている友達を助ける姿が多く見られるようになりました。しかし、友達以外の知らない人に対しては、どのように行動したらよいか、親切にするかどうか迷ってしまうという児童が多くいます。そこで、「くずれ落ちただんボール箱」を中心資料として、「親切」について考える授業実践に取り組みました。
 この資料では、知らない男の子が崩した段ボール箱を、わたしと友子が直していたところを、店の人に遊んでいたと思われてしまい、親切にしたのに怒られるという複雑な思いをします。しかし、その後、誤解だと知った店の人が謝りの手紙を送り、わたしと友子の心は晴れやかになります。
 資料では、誤解だと知った店の人が、謝りの手紙を送りましたが、「もし、店の人から謝りの手紙がこなかったとしても、わたしは、今後、人に親切にできるだろうか」という発問で、児童は「自分だったらどうするか」を考えました。自分の心を100%として、「親切にできる」「親切にできない」かを%で表し、その理由を考えました。揺れる自分の気持ちに正直に向き合うことで、自分のこととして、自分を見つめ直すことができました。
 振り返りでは、友達の意見を聞いた上で、もう一度「親切にできる」「親切にできない」かを%で考えました。友達の意見を踏まえて、もう一度、自分の気持ちについて深く考え直すことができました。特に、「周りの人に怒られたとしても、親切にした相手が喜んでくれればそれでよい」という意見に多くの児童が共感していました。一人一人の児童が、自分なりに「親切」について考えて、今後の自分の生活に生かしていこうとする思いが伝わってきました。

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【岡崎市立河合中学校】命の尊さを考える道徳科授業

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 本校では、道徳教育で、互いの意見を十分に討論し、「生命の尊さ」とは何かを自分なりに考えることができる生徒の育成を目標としている。今回は、臓器移植をテーマに生命の尊さを考えていく。事前アンケートでは、約6割の生徒が臓器移植に対して、「よく考えたことがない」と答えている。しかし、4割の生徒は、「新聞で読んだことがある」「臓器提供への登録などを家族と相談したことがある」などの意見があった。さらには、「脳死や臓器提供を知っていますか?」の質問に対して、「今は詳しくは知らないけれど、知りたい」「勉強をしたい」などの意見が多かった。命の尊さを考えることで、命を軽んじる発言を減らし、他者を見つめ直し、一つだけの命の大切さを深く自覚させたい。
 この教材には、親が子に当てた手紙が書かれている。その子は脳死しており、親が臓器提供をする結論を出すまでの苦悩が描かれている。資料を通して、臓器移植とは、生命の尊さとは何かを考えていく。生徒は、この教材を学ぶことで、「命にいつか終わりがあること」「その命が失われることは取り返しがつかないということ」「命はずっとつながっていること」などを学ぶことができると考える。特に、命とは、生徒個人だけのものではなく、連続性があり、親や子、その他の人たちも互いに支え合って生き、生かされていることに気付くことができる単元である。生徒が命の大切さに気付くことができると考える。
 授業では、生徒に、「生命の尊さ」を身近に感じるために、「もし、自分が脳死になったら」と導入で投げかけた。中には、「自分が死んでしまったらどうでもいいだろう」と話す生徒がいた。しかし、親、移植コーディネーター、提供する側、提供される側の苦悩などの視点から資料を提示することで生命の尊さについて考えを深めていった。
 効果的であった手立ては、実際にドナーカードや運転免許証を見せたり、臓器移植に関する法律クイズを行ったりすることで、臓器移植に対して現実感をもたせることができた。また、教科書の「命が生まれるそのときに」「三百六十五×十四回分の『ありがとう』」を事前に学ぶことにより、生命の尊さをより横断的に考えることができた。さらに、生徒の心の動きを観察し、生徒の心を揺さぶることができた。特に、資料「娘の臓器提供を実際に行った母親」の動画は、生徒全員の心を揺さぶることができた。

【あま市立七宝北中学校】絵手紙を送ろう

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 11月12日、道徳科の授業実践で、「思いやりって何だろう」という授業実践を行いました。あま市の小中学校は、毎年「愛知県に避難されている方に寒中見舞いの絵手紙を送ろう」という心の支援活動を行っています。本校では、この活動にあたり、次のような取組を行っています。東日本大震災について講話を聞き、各クラスで内容項目「命」「生きる」「思いやり」について道徳科の授業を行ってから、絵手紙の図案や絵手紙に書く言葉を考えさせています。
 道徳科の授業では、モラルジレンマ資料をもとに話合い活動を行いました。相手の立場や様子を考え、思いやりに優先順位をつけなければならない状況を想像して、様々な意見を交わし合いました。

【豊橋市立嵩山小学校】3年道徳科「ハチドリのひとしずく」の授業実践

 3年生の道徳科で、教材「ハチドリのひとしずく」を使って授業を行いました。本教材は、「森が燃え、生き物たちは逃げたが、ハチドリのクリンキンディは水を一滴ずつ運んだ。それを動物たちは笑ったが、クリンキンディは『わたしにできることをしているだけ』と答えた」という話です。
 読み聞かせをした後に、子供たちは、「1滴ずつ運んでも、火は消えないと思う」「ほかの動物は、いじわる」「かわいそう」「森や命を守ろうとするのは、すごい」「ぼくなら逃げると思う」などの感想を発表しました。子供たちの多くは、「1滴ずつでは、火は消せないのに」という物理的側面に興味をもちました。
 そこで、子供たちの関心ごとを中心に、「ハチドリのしたことは、意味があるのか、ないのか」を話合うテーマとしてとして、考えていくことにしました。
 まずは、3、4人のグループごとに、ホワイトボードを使って、自分たちの考えを出し合いました。意味があると考えている子、意味がないと考えている子など、それぞれが自分なりの思いや理由をすすんで述べ、「マインドマップ」を使ってグループ内で思いをまとめていきました。
 次に、学級全体で話合いを行いました。意味がないと思う子たちからは、「ちょっと水をかけただけでは、消えないと思う」「命が大切だから、やっぱり逃げた方がよい」「1滴ずつかけたって、意味がない」との発言が出ました。一方で、意味があると思う子からは、「がんばって、自分にできることをやっている」「自分がやれば、ほかの動物も呼べるかもしれない」との発言が出されました。
 話合いを進め、様々な考えを板書のマップで確認しました。終盤では、「一人では無理かもしれないけれど、それを見ていた他の動物が手伝ってくれるかもしれない」「あきらめないことで、奇跡が起こるかもしれない」とグループワークだけでは出てこなかった広い視野に立つ発言が見られました。その上で、自然を守るために、自分にできることをやっていることの大切さと、そこから開かれる未来の可能性について子供たちの考えが広がっていきました。
 最後に、現在、世界で起こっている環境問題へ目を向けました。特に、人間の生活から出たごみが、実際に、生き物に大きな影響を与えていることを示す写真を見せました。そこから感じたこと、そして授業で考えたことを通しながら、一人一人が自然を守っていきたいという気持ちを高めることができました。

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