【武豊町教育委員会】「いのちの教育」−武豊町役場健康課と連携した道徳教育の推進−

 武豊町では、学校教育の重点目標として、「いのちの教育の推進」を掲げ、自他のいのちを大切にする心を育て、共に学び合い、高め合える学校を目指して各校の教育活動を行っています。
 昨年度から、文部科学省の「児童生徒の自殺予防に係る取組(通知)」を受けて、教育委員会と役場の健康課が連携し、「SOSの出し方教育」を始めました。文部科学省から示された手引きにしたがい、教育委員会が全体の実施計画を立て、健康課の保健師と小中学校の保健部会が中心となって指導案を作成しました。また、担任や生徒指導担当、スクールカウンセラーとも事前に合意形成を図りながら進めています。昨年度は、町内小学校1校のみの実践でしたが、今年度は町内全ての小学校と中学校1校で実施する予定です。
 授業は、担任と保健師または養護教諭がティームティーチングで行い、「自分の心の状態を知ること」「心にはさまざまな状態があること」「つらいときや苦しいときには信頼できる大人に相談をすること」などを指導しています。児童生徒の心の状態についての指導となるため、児童生徒への事前アンケートや授業中、授業後の心の状態に配慮しながら進めています。
 武豊町では、今後も、「いのちの教育」を中心とした教育活動を継続して行い、各校の道徳教育の推進に向けた取組を行っていきます。

【みよし市教育委員会】 子供の心を育てる教育の推進

 令和元年度は、11月20日(水)に市内小中学校の道徳教育推進教師12名が集まり、授業研修会を行いました。中3教材「足袋の季節」の授業では、「弱さを乗り越える」ことをテーマに授業が展開されました。展開後半に「自分の弱さとどう向き合うか」ということに焦点が絞られたとき、一人の男子生徒が次のように語りました。「一生抱えていくということ。自分がやってしまったことを取り返すことはできない。でも、自分の弱さから気付くことはある。自分の弱みは自分を高める糸口にもなる。でも、糸口を引っ張るだけでなく、校長先生が全校集会で教えてくれた『恩送り』のように自分がまだ他に生きている人のためにできることはある。自分がこんな経験をしたからこそ、他の人にすることでおばあさんも喜ぶ。幸せを人に広げて。結局、自分の弱さを知ることにより、相手の幸せを築くこともできるということだと思う」
「学び合い、学びを深める授業の在り方」をテーマにした研究協議会では、「生徒には力がある。その力を引き出す発問、働きかけを見つけていきたい」「校長先生の言葉と結び付けて考えるように、教材から離れ、日常の生活と関連付けて考えることは各教科での『学びを深める』と同じことであり、各教科の授業実践を道徳科の授業にも生かしたい」といった意見が出るなど、有意義な研修会にすることができました。

【あま市教育委員会】令和元年度あま市教職員研修「特別の教科 道徳」

 あま市では、あま市教職員研修において大学教授等を講師に招いた「Ama Teachers College」を開催しています。各種講座を設定し、教職員が個々で受講したいと思う講座を選択し、力量向上につなげています。
 昨年度は、8月に「特別の教科 道徳」に関する講座を2つ開講しました。そのうちの8月26日には、管内中学校教務主任を講師に招き「子供を高める道徳の授業づくり」として、教職員45人が子供たちの考えを深め広げるための方法を学びました。講座の前半では、「学びを楽しくする」をテーマに、「特別の教科 道徳」の新学習指導要領で目指すべき「主体的・対話的で深い学び」を具体的な授業実践例を聞きながら、体験的に学ぶことができました。また、後半では、具体的な教材をもとにして、ワールドカフェ方式で、意見を交換しながら授業案を考えました。誰もが目指したい「楽しい」授業を作るコツを具体的に学ぶことができました。
 事後アンケートでは、「楽しい授業、楽しい学びのためには何が必要なのかを考えることができ、とても有意義な時間となりました。道徳や他の授業づくりにも生かしていきたいです」など、今後の意欲向上につながった内容が多くありました。これからもあま市では、先生方にとって励みとなる研修機会を設けていきたいと考えています。