【安城市立二本木小学校】インターネットを利用するときの責任とは?「気に入らなかった写真」の実践を通して

 本学級の児童の会話を聞いていると、スマートフォンを使ってゲームをしたり、友達と連絡を取り合ったり、写真を撮ったりしていることが話題に上がることが多く、日ごろからスマートフォンに慣れ親しんでいることがうかがえます。ただ、スマートフォンを楽しいツールとしてしか認識しないまま活用を続ければ、トラブルに巻き込まれてしまう可能性が高くなります。自分が被害者にも加害者にもなりうることを踏まえた上で、責任をもってインターネットを利用することができるようにしたいと考え、本実践を行いました。

(あらすじ)
 お姉さんは、マートフォンで友達との写真を、インターネット上に投稿した。友達からは喜んでいるメッセージが来る。しかし、数日後、友達の一人(里菜)に「写真が気に入らないから削除するように」と言われる。喜んでいる友達と、怒っている友達の間で板ばさみになり、お姉さんは悩む。

 児童に、「なぜ里菜が怒ってしまったのか」を尋ねると、「気に入らない写真を載せられてしまったから」と答え、何がトラブルの原因になっているかは理解していました。お姉さんは「削除しなくてよい」と答えた児童は、その理由として「他の子が気に入っているからよい」「嫌がらせで載せたわけではない」「一人のために消してというのはわがままだ」という意見が出ました。どんな写真であっても勝手に載せてしまったこと自体が悪いという認識がありませんでした。
 その後、里菜の「勝手に投稿するなんてひどい」という言葉に注目し、里菜はどうして欲しかったのかを考えさせると、「先に投稿してもよいか聞く」「投稿するのではなくて画面を見せる」「自分だけの判断で決めない」と意見が出ました。さらに、「インターネット上の権利」のページで、著作権と肖像権に関する資料を、児童と一緒に読みました。すると、前述の質問に対し「写真を削除しなくてもよい」と答えた児童も「写真を載せること自体がだめなことだから、削除しなくてはいけなかったんだ」と話しました。
 インターネットが当たり前のように身近にある今の時代、「危険だから使わせない」という指導では児童の実態には合わず、教師や保護者が消極的になってしまうと、ますます児童を危険にさらす事態になってしまうかもしれません。児童が、自分のスマートフォンを手にする年齢での情報モラル教育が大切だと感じました。