【豊橋市教育委員会】令和2年度豊橋市道徳研究部の取り組み

 令和2年度、豊橋市の道徳研究部では、「豊かな心をもち、他者と共によりよく生きる子供を育む道徳教育」をテーマに、道徳教育の実践に取り組みました。その中でも、生徒がこれからのグローバル社会の時代を生きていくために、同年代の子供たちが置かれている苦しい世界の現状を知り、国際問題を「自分ごと」として考えることで、多様な他者の存在を肯定的に捉える生徒の育成を目ざした、豊橋市立豊城中学校の取り組みを紹介します。
 単元を2時間で構想し、1時間目には、まず「そのこ」という詩を読み、感想を書きました。次に、「貧困」「難民」の生活がわかる写真を提示したり、生活のために川まで水を汲みに行く動画を見せたりすることで、「何か自分たちにできることはないか」と考えるきっかけづくりをしました。そして、「そのこ」の詩に立ち返り、一人一人が「そのこのためにできること」を考え、付箋に記しました。次時には、グループでの話し合いを行い、記した付箋をもとに自分の意見を述べながら画用紙に付箋を貼り分類していきました。グループでの話し合い後、全体で意見を共有しました。授業の振り返りでは、「自分以外の人に目を向けることも大切であり必要と感じた」「自分の無力さを痛感するが、ボランティア活動など自分のできることをしたい」などの記載がありました。今回の実践で、生徒たちにとって、多様な他者の存在や学級の仲間の意見を肯定的に捉えることができるきっかけとなったと考えます。