【新城市立八名中学校】道徳科の授業実践「カーテンの向こう」を通して思いやりの心を養う

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 1年生の9月の実践で、「カーテンの向こう」を題材にした授業を行いました。
 もう治る見込みのない重症患者たちが、ベッドを並べて横たわっている病室内でのやりとりが表現されています。一人窓際のベッドにいるヤコブが、カーテンのすきまから見た外の世界のことを、毎日、皆に話しをしますが、ヤコブが亡くなった後、カーテンを開けてみると、そこはレンガの壁があるだけでしたという内容です。
 授業では、初めに状況や入院患者の気持ちを想像しやすくなるように、写真やスライドを使うなどの工夫をしました。
 前半部分では、生徒の生活経験を想起させ、「うそ」についての意見交換をしました。次の発問で、「死に際のニコルの申し出を無視して、場所を変わろうとしないヤコブを、『わたし』はどう思ったでしょうか」と問いかけると、「自分だけのことを考えている人だと思う」「ひどい」「ずるい」「思いやりの心がない」など、ヤコブを批判する立場の意見が多く出ました。
 後半部分を読み、ヤコブの行動の真意を理解した後、「もしも自分がヤコブと同じ立場だったら、ヤコブと同じようにするのか」と発問すると、「みんなに希望を与えたいから、うそをつく」「ヤコブの優しさは分かるけれど、自分が死んだらうそだと分かってしまうからうそはつかない」と、両方の立場の意見が出ました。生徒たちは、自分の考えを伝え合う中で共感し、自分の考えに自信をもったり、自分の考えとの違いを明確にし、また、その考えを伝えたりして、お互いの考えを深めることができました。   
 振り返りでは、「場合によっては、うそをつかなければいけないときがくるかもしれない」「今までは、うそは悪いものとしか捉えていなかったけれど、うそをつく思いやりというものがあるのだと、新しいことを学ぶことができた」などの発表があり、生徒たちがこの主題に対して自分ごととして感じるとることが伝わってきました。