【東海市教育委員会】夏季に行われる授業力向上研修

 東海市では、毎年、夏季休業中に教員研修センターを会場にして「夏季研修」が行われます。今年も大学の先生など、様々な分野の第一線で活躍されている方を講師としてお迎えし、7つの講座が開かれました。その中の一つが「道徳科の授業展開と評価」です。人気が高かった講座の一つで市内の教員から、80名の参加がありました。コロナ禍での開催ということで、研修センター会場での対面受講が30名、市内各校とつなぐオンライン方式での受講が50名のハイフレックス方式で行いました。
 講演では、対話を創り出すための方法や補助発問のつくり方など具体的な話を聞くことができ、受講者からは「2学期からの実践にすぐに取り入れ、実践したい」と多数の声があり、大変好評でした。
 コロナ禍ではありますが、これからも学ぶ場を大切にして、子供たちがともに心豊かな生活を築く態度を養っていけるよう、道徳教育を推進していきます。

【小牧市教育委員会】力量向上のための研修会

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 小牧市では、仲間と関わり合い学び合う「学び合う学び」を基本理念に、子供たちが自ら学びに向かう力を育てようと教育活動に取り組んでいます。特別の教科道徳においてもその理念を基に、子供たちをより深い思考へと導くための授業改善を行っています。その助けとなっているのが教職員研修です。
 今年度は少経験者向けに年間を通して特別の教科道徳の研修を行っています。研修は年間を通じて4回行われ、第1回では授業づくりについて、第2回は自分たちが作った指導案を持ち寄っての指導案検討、第3回は授業実践と反省、第4回は公開授業及び研究協議という流れで進めています。教材研究の進め方に始まり、多面的・多角的な見方・考え方を引き出すための授業展開や思考を深めるための発問など、すぐに実践に生かせる研修内容となっています。
 特別の教科道徳に関する研修は教職員の関心も高く、様々な要望もあるので、参加者のニーズに合った研修となるよう毎年研修内容を見直し、検討しています。今後も子供たちの豊かな人間性を育んでいくために、市全体の力量向上を目指して研修機会を設けていきたいと考えています。

【みよし市教育委員会】子供の心を育てる教育の推進

 本市での「みよし教育プラン」として、【作戦8 子供の心を育てる教育を大切にします】の重要施策で「道徳教育の研究推進」があります。
 その取組の一つとして、市内中学校の現職研修会に参加する形で「令和3年度みよし市道徳教育推進教師研修会」を行いました。3年生<B(9)相互理解、寛容>教材『言葉の向こうに』の授業のことです。「意見が対立してしまった相手と付き合っていくために大切なことは何だろう」と担任の先生が問いかけたところ、「自分の意見を言うのもいいけれど、相手の意見も尊重することも大切」「きのこの山派とたけのこの里派と分かれたとしても、お前も好きになれよと簡単に変わることはできない。それもいいけど、これもいいよ、みたいに相手を思いやることも大切」「相手の意見を否定するのではなく、相手の意見を取り入れることは大切だと思う」という意見が出されました。そして、「違いを受け入れるのは難しくないですか」とさらに問いかけたところ、「一人一人の価値観は違う」「お互いに相手の立場に立って考えることが大切」「相手と付き合っていくためには心の器を大きくしていくことが大切」と深まっていきました。
研究協議会では、「自分の弱さをいかにつかんでいくかが大切となる」「切り返し発問を子供のことばで深めていけるとよい」などの意見が出ました。
 「学び合い、学びを深める授業づくり」を目指して、外部講師を招聘して積み上げている研究が、「特別の教科 道徳」にもつながることが、教職員に浸透してきています。
近年、大きな課題となっている「情報モラル教育」について、各校から指導案の集約を行い、効果的な指導・支援の方法を広めていき、子供の心を育てる道徳教育を推進していきたいと思います。

【蒲郡市教育委員会】令和2年度 蒲郡市現職研修活動 道徳部会の取り組み

 令和2年度、蒲郡市の道徳部会は「豊かなかかわりの中で自己を見つめ、よりよく生きる子どもを育む道徳教育」をテーマに取り組みました。その中でも、地域教材の開発や活用に重点を置きながら、子供たち一人一人が道徳的な課題を自分自身の問題として捉え向き合う「考え、議論する道徳」を目指した、蒲郡北部小学校の実践を紹介します。

<北部小ならではの地域行事「北部体育祭」を教材化>
 「北部体育祭」を題材に、地域や家庭の人々の願いを考えることで、自分たちが地域や家庭に支えられていることに気づかせ、地域に愛着を感じ、たくましく生きる子供たちへと育っていってほしいと地域教材を開発しました。「北部体育祭は学校だけで行った方が良いのか」をテーマに議論した授業では、当初、自分たちの立場に限定した発言が多く出されました。しかし、北部小学区外から転入した子供の「地域みんなでできる体育祭は少ないから、ぜいたくだと思う」という発言を受け、自分たちの立場で考えていた子供たちが「自分たちの地域は特別じゃないのか」「なぜ、地域の人たちは忙しい仕事もあるのに自分たちのために準備や片付け、種目などのお手伝いをしてくれるのだろう」と考えを変容させました。子供たちは、議論の中で北部地区の良さについて自分や保護者、地域の方それぞれの立場で、北部体育祭を行う価値を考え始めました。
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【知多市教育委員会】情報モラル教育の推進に関する取組

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 社会全体における情報化が急速に進展し、知多市においても小中学生の携帯電話・スマートフォンの所持率は増加し続けています。その中で、SNS上での書き込みによる誹謗・中傷やメッセージアプリでの悪口・仲間外れなど、インターネット上のトラブルの件数も年々増加していることから、児童生徒に情報モラルを身に付けさせることが一層重要になると考えます。市内の各小中学校において、各教科や道徳の学習内容に関連付けて指導したり、外部講師を招いて講演していただいたりして、情報モラル教育の更なる充実を目指して取り組んでいます。
 知多市立知多中学校では、今年度、知多警察署生活安全課少年係の警官を講師にお招きし、情報モラル教室を開催しました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため集会形式では行わず、講師は会議室で講演し、生徒は各教室の電子黒板を通して話を聞くオンライン形式で実施しました。講師からインターネット上でのトラブルや犯罪のつながりに関して具体例を挙げて解説していただき、トラブルや犯罪を起こさないために気を付けなければならないことを教えていただきました。講師の話を聴いて生徒は、「私も友達も(メッセージアプリを)使っていて犯罪とはほど遠いことだと考えていましたが、すごく身近なところで起こることが分かりました。今後は発信する言葉にも気を付けようと思います。」「私はネッ友(インターネット上で知り合った友達)が何人かいて、一部の子とは毎日メッセージアプリで会話しています。よく『会いたいね』と話していましたが、今回の話を聴いてやめようと思いました。」といった感想を述べていました。
 今年度、知多市教育研究会視聴覚・情報部会が中心となって、知多市情報活用能力体系表を作成しました。市内の小中学校が同一歩調で情報モラル教育を推進していくための環境づくりに努めています。

【幸田町教育委員会】初任者の授業力向上のための研修会

 幸田町では、豊かな心を育むため、「特別の教科 道徳」を要として、「いのちを大切にする心」「思いやりの心」「他者を尊重する心」「美しいものを美しいと感じる心」「助け合う心」等、心を耕す教育を教育活動全般において推進しています。
 幸田町教育委員会では、「初任者研修会」にて、毎年「特別の教科 道徳」の授業力向上を図る研修会を実施しています。
 令和2年度は、初任者代表(小学校教諭)が新型コロナウイルスを題材とした西尾市立東部中学校、石川雅春先生自作の資料を使い、コロナ禍の中で差別や偏見をもつことなく、集団や社会との関わりをもてるようにすることをねらいとした授業を公開しました。研究協議会では、授業の展開、子供の様子、教師の出方などの分析を行いました。さらに講師の石川雅春先生に御指導、御助言をいただくことで、ねらいに迫るための授業づくりについて学ぶ機会になりました。
 令和3年度も、10月に中学校教諭が代表授業を行う同研修を行い、昨年同様石川雅春先生に御指導、御助言をいただきます。
 今後も道徳的実践力を高める授業づくりを目指して、充実した研修を実施していきます。

【武豊町教育委員会】 いのちの教育「SOS出し方教育」の実施

 武豊町では、自他の命を尊重し、大切にしようとする気持ちを育てる「いのちの教育」に、20年以上取り組んでいます。
 その一環として、令和元年度から「SOS出し方教育」を行っています。
 本年度は、学級担任が保健師と連携して、町内全小学校5年生児童を対象に授業を実施しました。
 保健師からの心の発達に関する詳しい説明や、他人に助けを求めることの大切さに関する話に、児童は熱心に耳を傾けていました。授業後の児童の感想には、「悩みがあるときは、友達や家族に相談しようと思いました」というものが多く見られました。
 この実践を通して、つらいことや苦しいことがあったときに、心の内を他者に打ち明け、周りの人々と協力しながら困難に立ち向かおうとする気持ちを高めることができたと考えます。
 このような取組は小学校のみではありません。町内中学校では、ICT機器を活用して、同時配信による「いのちを大切にすること」に関する学校保健委員会を合同で開きました。
 今後も、「SOS出し方教育」をはじめとした「いのちの教育」の推進に町全体で取り組んでいきます。

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【蟹江町教育委員会】蟹江中学校におけるタブレットを活用した道徳科の研究授業について

 令和3年度GIGAスクール構想を受けて、学校現場では児童生徒一人一人の手元にタブレットが届きました。蟹江町の小中学校では、授業の中で学習が効率的・効果的に行えるようにタブレットを活用した、よりよい授業の在り方を研究しているところです。今回この場をお借りして、コロナウイルス感染症対策を含めて行われた道徳の研究授業の様子をお伝えしたいと思います。
 6月下旬、蟹江町立蟹江中学校の1年生の教室で道徳科の研究授業が行われました。クラスの仲間との交流を通して自分の「よさ」に気づき、見つめ直してそれを伸ばしていこうという気持ちを高めるのがねらいの授業でした。(光村図書中学道徳1 カメは自分を知っていた A(3)向上心、個性の伸長)
 自分の「よさ」をワークシートに書いた後、グループの友達の「よさ」を書いた付箋紙をそれぞれ交換することで、他者の視点から見た自分の「よさ」について改めて気づくことができました。「友達から自分の『よさ』を聞いて、あなたはどんなことを思いましたか」の発問をもとに、生徒それぞれが自分で最初に書いた自分の「よさ」と友達から教えてもらった自分の「よさ」とを重ねて自分自身の「よさ」について深く考える貴重な時間となりました。その後、生徒自身の手でタブレットのカメラ機能でワーク―シートを撮影し、先生の下へデータを提出して共有し、全体発表となりました。「自分にはよいところはあまりないと思っていたが、友達がそう思っていてくれて嬉しかった」「気づくことのできた自分の『よさ』を生かしていきたい」等、様々な思いが教室の中で発表され交流されることとなりました。
 グループでの直接の話し合いを最小限にしたり、友達との接触をなるべく避けたりする等、コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐための制限がある中で、タブレットを活用して交流を補っていこうとした今回の試みは、無事に終えることができました。その後、授業の研究協議会が行われ、授業における成果と課題が共有されました。先生方の一丸となっての取り組みが、生徒たちのさらなる成長へとつながることを強く願っています。

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【飛島村教育委員会】SDGs×道徳

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 学習指導要領の改訂に伴って「子供たちが持続可能な社会の創り手」となることができるようにしていくことが求められています。総則の中でも、教科等横断的に全ての教科の指導を通して力を育んでいくとあります。そこで、教育委員会と飛島学園が連携をとりながら、SDGsを教育課程の中にどのように取り入れていくのか研修をもちました。その後1・2年生は生活科、3〜9年生は総合的な学習の時間を中心にSDGsを絡めた年間計画を作成しました。それぞれの学年が、目指す子供像を掲げ、それに向かって年間を通して活動し、社会全体、世界全体の課題をグローバルな視点で捉え探求していきます。その中で、4年生は年間を通して「環境」をテーマに学習を深めていくことにしました。様々なゲストティーチャーからの講義を深めるため、道徳科でもSDGsを意識した授業を行いました。その中の一つに「甘いチョコレートの苦い現実」という教材を用いました。日本では当たり前に食べているチョコレートが何から作られているのか、どのようにカカオ豆がとられているのか考える中で、自分たちと同じ子供たちが働かされているかも、不平等なことが起きているかもと想像し、そこから身近な教室での思いやりの心につなげていきました。自分たちが学んでいるSDGsがどんなことにもつながっていること、自分ができることに目を向けることなど、全ての活動や授業にSDGsを絡め何事も自分事として考える子供たちを育てていきたいと考えています。

「情報モラル教室」を開催

 5月18日、豊根小・中学校で「情報モラル教室」を開催しました。Zoomを使って、通信会社の方からお話を聞くことができました。今回は、SNSに潜む危険について教えていただきました。
 生活の一部となっているSNS。実際に起きた事件や事例を元に、どこがいけなかったのか、何が悪かったのかを考えました。
 お話を聞いて、小学校では、「知らない人にも自分の記事を見られることがあるので、載せる内容には気をつけたい。」と感想が書いてありました。インターネットやスマートフォンが、便利なだけの道具ではないことに改めて気付くことができました。
中学校では、SNSを使って人間関係がこじれてしまった事例を知って、「関わった人それぞれ少しずつ悪いところがある。そこを直していけると、もっと気持ちよく過ごせると思いました。僕たちもそんなことがないか気をつけたいです。」と、感想を書いた生徒がいました。
中学校は、平成28年度より一人1台のタブレット端末を導入しました。授業だけでなく、家庭にも持ち帰って活用していることもあり、生徒はすでにタブレット端末の正しい使い方を身につけています。小学校でも、今年度から、一人1台のタブレットを授業などで活用しています。
情報モラル教室をきっかけに、さらによい使い方にできるよう、考えていくことを期待しています。
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