【半田市立乙川小学校】「手品師」を題材にした授業実践

 6年生の児童は、最高学年として、下級生を気遣ったり、周りを冷静に見て判断したりできるようになりました。しかし、友達とトラブルが起きると自分を優先し、うそやごまかしでその場を逃れようとしてしまうこともあります。そこで、「手品師」を教材にして、授業実践に取り組みました。
 この資料では、あまり売れない手品師が、大劇場のステージに立てるチャンスを捨て、男の子と交わした約束を守るという、誠実さあふれる姿が描かれています。
 「手品師が男の子との約束を守るか、夢をかなえるか」で葛藤する場面では、手品師の立場に立ち、「自分ならどうするか」を考えました。「男の子との約束」「夢の実現」の二択ではなく、どちらにより考えが近いかをネームプレートで示し、選んだ理由を発表しました。「夢は、またいつかかなえることができる」「でも、二度とこんなチャンスはないかもしれない」「男の子に、また、さみしい思いをさせてもよいのか」など、自分のことのように悩み、互いの考えに質問も加えながら、意見交流することができました。
 振り返りでは、「どちらの選択をしても、自分の選んだ道が正しいと信じて進みたい」という意見があり、どんなときも誠実な心をもち、自分の行動や選択に責任をもって明るく生活しようとする思いが伝わってきました。

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【小牧市立小木小学校】インターネットで知り合った人との関わり方

 先日、小学6年の女児が、SNSで知り合った男の自宅に、誘拐・監禁される事件が起こった。この事件は、児童の関心も高く、本実践を行った5年生は、ほぼ全児童が知っていた。また、本学級の約2割の児童が、インターネットで知り合った人と会話などのやりとりをしている。今後、その割合は、高くなることが予想される。そこで、この機会に、インターネットを通じた他者との関わりについて、頭から否定するのではなく、そのよさも認めつつ、やりとりに伴う危険性に気付かせ、対応力を育てたいと考えた。
 本実践では、学校に導入されているデジタル教材「事例で学ぶNetモラル」の資料「ネットで知り合ったトモダチ」を使用した。この資料は、中学1年の生徒が、ゲームアプリの会話機能を通して知り合った相手とのやりとりを扱ったものである。同級生を名乗る相手が、実は成人男性であり、もしかしたら誘拐等の犯罪に巻き込まれるのではないかと、今後の展開が心配される場面で終了している。指導に際して、インターネット上の情報だけでは、相手の個人情報を正確には知ることはできないことに目を向けさせるようにした。
 実践を通して、「顔が分からないから、文だけで相手を信用してはいけない」「悪い人は、だまそうとして、親しみを感じるような言葉をかけてくる」など、気をつけているつもりでも、ついうっかり気を許してしまう場面が起こりうることに気付かせることができた。
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【豊田市立御蔵小学校】トラブルに巻き込まれない自分になるために〜小学校5、6年生 情報モラルの実践より〜

 本校では、5、6年生の約半数の児童が、タブレットやスマートフォン、ゲーム機でのSNSウェブサービスや、無料通信アプリの利用をしています。最近、SNSなどによる誘拐事件などがあり、児童が事件に巻き込まれないようにするために、正しい使い方を学ぶことをねらいとして情報モラルの授業を行いました。
 まず、情報モラルの動画資料「軽い気持ちのID交換から…」を視聴し、「トラブルになった原因や、トラブルに巻き込まれないようにするためにどうしたらよいか」を考えました。インタ−ネット上で、やりとりするときに気をつけたいこととして、「簡単に知らない人を信用しない」「大人の人に相談する」「個人情報を簡単に送らない」などが出ました。
 さらに、スマートフォンを利用している子を対象に、映像資料「スマホ リアルストーリー 知らない人とつながって」を視聴し、実際に起きたトラブルから、スマートフォンの正しい使い方について考えました。身近に起きている実際の話を、動画で視聴し、SNSウェブサービスや無料通信アプリのトラブルを、自分事としてとらえるきっかけになりました。その後、家庭でもスマートフォンやタブレットを使うときに気を付けたいことやルールについて話し合うよう、学級通信等で呼びかけました。
 これからも、児童がインターネットの使い方やトラブルから自分の身を守る方法について考えていく場面を、多く設定したいと思います。

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【半田市立板山小学校】自分を好きになろう

 2年生の道徳科の授業で、教科書にある「ぼく」という教材を使い授業を行いました。「生きる喜び」を主題として行い、自分のよいところを見つけて、自己肯定感を高めることをねらいとしました。
 まず、「自分の好きなものや好きなことは何か」を尋ねると、野球、サッカー、ダンス、ゲームなど、多くの児童が、自分の好きなことについて答えることができました。次に、教材文を読み、主人公の「ぼく」が好きなものの中にある「自分」について考えさせました。「なぜ、『ぼく』は、『ぼく』が一番好きなんだろう」という問いには、「自分がいないと、友達もできない」「家族にも会えない」「好きなことができない」「何もできない」という意見が出ました。しかし、その中で「わたしは、自分のことは好きじゃない」と発言した児童もいました。
 そこで、自分を好きになるために、自分のよいところを見つけて、自分に賞状を送ることにしました。初めは、なかなか書き始められない児童もいましたが、2年生になってできるようになったことを思い出したり、友達に聞いたりして、自分の得意なことやよいところを書くことができました。誰とでも友達になれる「なかよし賞」、リフティングをがんばっている「リフティング賞」、絵や色塗りが上手な「ずこう賞」など、様々な賞を考え、自分に賞状を送りました。自分に賞状を書くことで、児童が自分の長所に目を向けるきっかけになったのではないかと思います。
 今後も、児童が自分の長所を見付けて伸ばし、自信をもっていろいろなことに取り組めるよう、実践を重ねていきたいと思います。
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【北名古屋市立栗島小学校】人権週間によせて〜心を豊かにする図書委員会の取組を通して〜

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 本学校では、12月4日〜10日の人権週間に合わせて、「標語の作成」「よいとこ見つけ」「人権講話」「人権集会」などの取組を行い、全校で人権について考えました。
 図書委員会では、谷川俊太郎さんの「ともだち」の読み聞かせと、人権に関する本の紹介を行いました。図書委員の心のこもった読み聞かせは、全校児童を温かな気分にさせてくれました。さらには、「どんな人が友達なのか、こんなとき、友達はどんな気持ちなのか」など、改めて友達について考えるよい機会となりました。その後、図書室に人権に関する本の特設コーナーを設置しました。図書委員が書いたおすすめ理由や本の紹介文を読み、実際に本を手に取る児童の姿も多数見られました。
 今後も、互いに認め合い、温かい心で接することができる子供たちがたくさん増えるように、児童とともに考え、実践していきたいと思います。

【豊田市立益富中学校】道徳科の時間で扱う情報モラル教育実践

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 本校では、各学年部が中心となり、年間計画に沿って道徳科の授業を展開している。情報モラルについては、トラブルの増える夏季休業・冬季休業の前に行っており、教科書の教材にとらわれず、市の教材や自作教材なども使って実践している。
 2年生では、7月に著作権に関する授業を行った。クイズ形式を取り入れ、「どのような行為が権利侵害なのか。なぜ、いけないのか」について理解を深めた。
 生徒の感想は、「本屋で、好きな芸能人の写真を撮ってしまったことがあったので、これからは、しないように気を付けたい」「違法にアップロードされたビデオを見てしまったかもしれないので、今後は、レンタルしたり、お金を払ったりして見ようと思いました」「レンタルCDを、よくコピーしていたが、個人で楽しむ分なので違法性がないことにホッとした。友達に貸してと言われたときに、貸さない強い心をもたないといけないと思った」「好きなアニメや漫画をアイコンとして使ったことがあるので、著作権フリーの素材かどうか確認してから使うようにしたい」などがあった。

【岡崎市立羽根小学校】全校で取り組んだ人権週間

 「人権デー」を受けて、本校では、11月25日から12月6日まで、「人権週間」として、全クラスで人権に関する学習をし、感じたことを、一人一人が、「人権標語」としてまとめました。
<人権DVD視聴による道徳科の学習>
 市の視聴覚ライブラリーから、いじめ、障害者、インターネットによる人権侵害等を取り扱ったDVDを借り、視聴後、クラスで人権に関する話合いを行いました。具体的な事例を視聴することで、自分ごととして考え、人権の大切さやSNSの危険さについて知り、考えを深めることができました。
<岡崎人権擁護委員会協議会による人権教室の開催>
 20名を超える 岡崎人権擁護委員協議会の方を講師に招いて、4年生と5年生の全クラスを対象に、人権に関する授業を行いました。クイズ形式で「思いやりの心」について考え、その後は、グループでの話合いを通して考えを深め、「全ての人に人権があり、思いやりの心をもち、大切にしていかなければならない」ことを学びました。
<代表委員会による「STOPいじめ、集会」の開催・人権標語の発表>
 代表委員会の児童が、全校アンケートをもとに寸劇を行い、全校でいじめについて考えました。いじめられている子の気持ちを考えることで、自分の行動を振り返ることができました。また、全校児童が人権に関する標語を作り、学年代表に選ばれた児童が全校集会で発表しました。その後、標語は校内に掲示し、啓発活動の一助としました。全校で人権に関する思いをより深めることができました。
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【東海市立横須賀中学校】1年生「礼儀の意義」を考える授業

 本校では、生徒が多様な価値観に触れ、自らの生き方についての考えを深めるために、「考え、議論する」活動を主軸において道徳教育に取り組んでいます。
 1年生の授業では、「礼儀の意義」について考えを深めました。はじめに、ある高校で実際に行われた「あいさつを成績に入れること」の是非について、個人で考えをもったあと、クラス全体で議論しました。「あいさつは大切である」という考えは全員が納得していましたが、生徒からは、「それであいさつができるようになるのならよい」「あいさつは強制されるものではない」という意見など、あいさつを評価することについての多面的な意見が出ました。
 次に、教材「おはよう」を読み、新入生と先生とのやりとりに注目して、礼儀正しさについて考えました。あいさつをし忘れた新入生が、先生に対して帽子を脱いだり頭を下げたりする場面を取り上げ、「なぜ、こういった行動をしたのか」について、グループで意見を出し合いました。各グループからは、「帽子を脱ぐことで、目を見てあいさつできる」「言葉だけでは伝わらない気持ちを、行動で表せる」などの意見が出ました。その後、各グループから出た意見をクラス全体でまとめていくと、「言葉だけでなく、行動も付けることで、より礼儀正しいあいさつになる」という共通認識が出てきました。
 最後に、これまでの意見を踏まえながら、「礼儀の意義」について考えワークシートにまとめました。授業のはじめでは、「あいさつは、大切である」と何となく考えていた生徒も、あいさつに礼儀を付加することで、「よりよい人間関係が築ける」「相手を喜ばせることができる」「礼儀は、みんなを幸せにする」など、「礼儀の意義」についてそれぞれ考えを深めることができました。
 今後も、生徒が自分の考えを深められる道徳教育を行っていきたいと思います。
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【稲沢市立治郎丸中学校】本当の友達って

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 本校では、「1.自分と向き合い、自己と対話し、道徳的価値に気付き、考える生徒」「2.話し合いによって、他者の考え方を聞き、他者と対話し、自分の考えや道徳的価値を深める生徒」をめざす生徒像として、日々の道徳科授業を行っています。本年度は、「気付き、考え、深める道徳科の授業」を研究主題とし、実践・研究を推進しています。
 2年生では、「本当の友情とは何か」をテーマにした教材「本当の友達って」をもとに、現在の人間関係や本来の友情のあり方を考えました。今回の教材では、スマートフォンでのメールやSNSでのやりとりの中で起きるコミュニケーションの行き違いや、表面的な友人関係を問題としています。「それらの問題を、どのように解決していけばよいか」「本当の友達とは、どのような存在なのか」などを、グループワークや意見交流を通して級友の考えを聞きながら、自分の考えを深めることができました。
 今後も、一年を通して様々なことをテーマに取り上げ、学級や学年の仲間と意見を交わしながら、気付き、考え、深める授業を行っていきます。

【豊田市立駒場小学校】4年生「わかっているはずだから」の授業実践

 4年生の道徳科で、教材「わかっているはずだから」を使って授業を行いました。本教材は、仲よしの「さくら」と「真由」が、児童祭りで何を行うかを決める際に、いつも分かり合えているはずという誤解からトラブルになり、互いにどうすればよかったかを考える話です。
 教材についての感想を発表する場面では、「真由は、自分勝手」「自分も押しつけられたら嫌」「あいまいに笑っているのは、いけない」など様々な意見が発表されました。
 これから先、二人は、どうしていけばよいかを考える場面では、さくら、真由の言動について多くの意見が出ました。「さくらは、自分の意見をはっきり相手に伝えるべき」「真由は、仲よしでも、意見は違ってよいと考えるべき」など、児童は、二人の言動についての考えを深めていきました。
 終末の「自分に同じようなことがあったときに、大切にしたいことは何か」を考える場面では、「相手の気持ちをしっかりと考えて行動する」「仲がよくても、自分の考えはしっかり伝えあう」「自分と違う考えや意見も認めていく」という意見が発表されました。
 この授業を通して、「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、相手のことを理解し、自分と異なる考えや意見も大切にする」ことを、学級全体で確認することができました。この思いを、これからの生活の中でも生かしてほしいです。

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【稲沢市立法立小学校】児童の「アウトメディア」の実現に向けて

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 7月の「第1回学校保健委員会」では、「メディアと上手に付き合おう」を議題に、講師から4〜6年生児童に向けて、講演をしていただいた。講演のねらいは、以下の三点である。
・スマートフォン等によるトラブルについて、事例を通して危険性を学ぶ。
・スマートフォンやメディア利用による健康被害(睡眠への影響、生活リズムの乱れなど)について理解する。
・スマートフォンやメディアとの上手な付き合い方「アウトメディア」について、自分の生活を振り返りながら考える。
 4年〜6年生の児童の中には、スマートフォンを持っている児童もおり、特にその危険性についての内容は、身近に感じ真剣に講演を聞く様子が見られた。振り返りの結果から、「メディアとの上手な付き合い方が分かった」「この講演を、これからの生活に役立たせたいと思う」という児童が多くいた。また、講演で使用したワークシートを持ち帰り、家庭内で保護者と講演内容について話合い、「アウトメディア」のルールを決めさせた。
 11月の「第2回学校保健委員会」には、PTAの役員に来校していただき、教師を交えて「アウトメディア」についての意見交換を行った。「時間制限を設けている」「自分の部屋には、持ち込まない」というルールと、その基になる保護者の考えが多く出された。ふだん、あまり聞くことのない他の家庭の考えなどを聞くよい機会となった。以下は、参加者の感想である。
・メディアが、こんなにも浸透しているのかと思って怖い気がした。ゲームなどよりも楽しいものを与えられるようにしたいなと思う。
・改めて、子供の「アウトメディア」と生活について見直すことができてよかった。一度、何が悪いのか、どんなルールを決めるのかなどについて話してみようと思う。
・先生を交えての意見交換は、新鮮でよかった。こういった機会を、もう少し増やして、コミュニケーションの場としていけるとよいと思う。

【知立市立知立南中学校】異年齢との交流会

 本校の3年生は、家庭科の授業で、「家族・家庭と子供の成長」を学びます。これまでの自分の成長を振り返り、育ててくれた方への感謝の気持ちをもつとともに、異年齢との関わりを大切にしたいと願い、授業を組み立てています。それと関連して、10月には「赤ちゃん抱っこの会」を実施し、4か月〜1歳半の子供と母親に来ていただき、話を聞いたり抱っこをしたりする体験を行いました。
 生徒たちは、「泣くしか出来ない赤ちゃんを育てていくのは大変。自分もしてもらったから感謝したい」「大変なことも多いけれど、成長を見守れるのは幸せだと思う」という感想を述べていました。
 また、12月には、近くの保育園児70名ほど招いて、自作のおもちゃを使って交流する「園児交流会」を行いました。その日は、生徒たちも童心に戻りおもいっきり遊び、園児との仲を深めていました。感想では、「どの子も楽しんでくれて、一生懸命おもちゃを作った甲斐がありました」「思った以上に大変でした。小さいころ面倒を見てくれた祖母に感謝したいです」「『赤ちゃん抱っこの会』の子たちと比べて、たった4年ほどでこんなにも成長することに驚きました」などが聞かれました。
 生徒たちは、いよいよ卒業を控え、新たな進路へ向かって羽ばたいていきます。これから先、いろいろな出会いがあるでしょうが、様々な人と関わる中でどんなときも、相手の気持ちを考え、感謝する気持ちを大切にしてもらいたいです。

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【東海市立富木島中学校】情報モラルを題材とした道徳科の授業実践

 2年生の道徳科の授業で、「既読スルー」という教材を基に、SNSでのコミュニケーションについて話し合いました。話合いを通して、立場や考え方の違いを理解し、自分の考えを伝えたり、異なる考えを受容したりする気持ちを高めることをねらいとしました。
 教材の主人公の「わたし」が、ようやくスマートフォンを手に入れ、友達との仲が深まったと喜んでいる様子や、同じ行動以外認めないというグループの雰囲気の中で、仲間外れにされるのではないかと不安に思っている様子に、生徒は共感し、活発な話合いとなりました。生徒の振り返りには、以下のような記述がありました。
・SNSやメールを使うときには、相手のことも考えて、今とは違う使い方をしたい。
・相手が嫌な気持ちになるような言葉は、絶対に書かないようにしたい。
・友達とは何だろうと深く考えた。相手の立場や状況を考えてSNSの返信をしようと思った。
・勝手な思い込みで相手の事情を決めつけるのはよくないので、理由をちゃんと聞いて、違いも理解することが大切だと思った。
・これからは、言葉の表現に気をつけたい。
・勝手な都合で怒ったりせず、広い心をもって優しく友達に接しようと思った。
・SNSのような文字だけのやりとりでは、誤解しやすいので、大切なことは、直接話をするようにしたいと思った。
 今回の授業を通して、生徒たちは自らのSNSの使い方を振り返ることができました。トラブルを避けるためには、「自他の個人情報を、第三者に漏らさないこと」「真偽の明らかでない情報について書き込みをしないこと」が大切であると、改めて気付きました。また、自分本位な判断に偏らず、相手への影響を考えた言葉の使い方や相手への寛容な態度など、日頃の友人との関わりにおいて大切なことについても考える機会になりました。

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【岡崎市立常磐南小学校】漢字に思いをこめて

 本教材「漢字に思いをこめて」は、小学校3年生の道徳科の教科書に掲載されている。家族への思いを、漢字一字にこめるとしたら、どの漢字に、どんな気持ちをこめて伝えたいのかを考え、カードを作る。自分の作ったカードにこめた思いを発表したり、友達の作ったカードを見せ合ったりすることで、家族愛を深めることがねらいである。
 授業の導入で、「いつもお世話になっている家族に対して、伝えたい思いはありますか」と尋ねた。大勢の子供たちが挙手をして、家族に対しての感謝の思いを発表した。そこで、「漢字一字を選び、思いをこめてカードを作ってみませんか」と言うと、「作りたい」と言って、子供たちの意欲が大きくわいた。どんな漢字を選ぼうかと、子供たちは真剣になって悩み、考えていた。色鉛筆やペンを使ってカードを作成した。もらった人が見やすいように、いろいろな色を使ったり、お母さんの笑った顔の絵を描いたりして、それぞれが工夫をしてカードを作成した。
 特に、児童Aは、誰よりも真剣にカードを作成していた。渡したい相手は、祖父であった。祖父は、最近体調を崩し、入院をしているようであった。祖父の体を心配した児童Aは、祖父の回復を願い、再び一緒に楽しく生活できることを望んでいた。カードには、「願」という字が大きく書かれ、まわりには祖父の笑顔や海で釣りをしている絵などがいくつも並んでいた。
 カードが完成すると、子供たち同士で、カードにこめた思いを発表し合った。児童Aは、「このカードを作っていたとき、ずっとおじいちゃんのことを考えていました。おじいちゃんはいつも本当に優しいです。けれど、最近、体調を崩しました。おじいちゃんに元気が出るようにと思いをこめて、『願』という字を選んでこのカードを作りました」と発表した。振り返りカードには、「自分たちは、家族に支えられて生きている。これからは、家族の一員としてお手伝いをして協力していきたい」という記述が多くみられ、家族愛の深まりが感じられた。
 後日、児童Aが、カードを渡したときの様子を、母親から連絡を受けた。児童Aは、「おじいちゃん、ぼくは、勉強をがんばるから、早く元気になってね」と言ってカードを渡したとのことだった。また、祖父は、このようなカードを児童Aから初めてもらったことや、自身の回復を願っていることに感動し、「本当にありがとう。おじいちゃんもがんばるよ」と声をかけたようである。そのことを児童Aに聞くと、「もっとおじいちゃん孝行したい」と話してくれた。このような児童の心を揺さぶる授業実践を、今後も続けていきたい。

【豊橋市立南陽中学校】今一度考えてみよう、SNSのこと

 6月22日に、本校の生徒指導主事が講師を務め、全校生徒を対象に「ネットモラル講座」を行いました。テーマは、SNSの使い方についてです。はじめに、以下のような大学の博士の研究を紹介しました。
・人と人とのコミュニケーションでは、相手の感情を読み取るときに、 93%を行動や態度、声を頼りにしている。
・言葉で伝わるのは、残りの7%である。
 研究結果を知った生徒たちからは、驚きの声が上がりました。SNSの文字だけで、相手に思いを伝えるのは、大変難しいということを実感しました。
 続いて、「今一度考えてみよう、SNSのこと」というテーマで、SNSを利用していて、困ったことや、嫌な思いをしたことを小グループで話し合う活動を行いました。
1.すぐに返信がない。
2.なかなか会話が終わらない。
3.知らないところで、自分の話題が出ている。
4.話をしているときに、携帯電話やスマートフォンをさわっている。
5.自分が写っている写真を公開される。
 この五つの項目について、自分が最も嫌だと思うことをテーマにグループで意見交換をしました。
 自分があまり嫌だと思わないことでも、友達はすごく嫌だと感じていることなどを知り、互いの感じ方の違いを理解しました。自分の思いや考えをきちんと伝えることの大切さや、まわりの仲間の思いや考えを誤解なく受け止めることの大切さに気づき、生徒は嫌な思いをしない・させないSNSの望ましい利用の仕方を学ぶことができました。

【あま市立甚目寺西小学校】ペア学習の取組

 本校では、2つの学年が、一年間ペアを組んで活動する「ペア学年活動」が定着しています。高学年主体で、企画・運営を行い一緒に遊ぶ「ペアレク」を始め、「ペア掃除」や「ペア読み聞かせ」を年間通して実施し、互いを思いやり、尊重し合う気持ちを育てています。
 今年度は、新たに、学習活動を通した関わりを設定し、算数的な内容で、「ペア学習」を行いました。高学年は、事前に問題の出し方や、数え方を練習して臨みました。6年生が、1年生に出したのは、おはじきを使った10の合成問題です。手の中のおはじきの数を当ててうれしそうな1年生や、「すごいね、よくできたね」と大きな声で褒める6年生の姿が、見られました。5年生は、2年生に、物差しの使い方や目盛りの読み方を教えました。物差しの持ち方まで丁寧にアドバイスしてもらい、2年生は、真剣な表情で直線を引いていました。4年生は、3年生に、自作の割り算問題を出しました。算数が苦手な4年生児童も頑張って事前に問題を作り、正解したペアの児童に大きな丸をつけてあげていました。年齢の近いペアですが、3年生からは、「ぼくのために問題を作ってくれてうれしかった。来年は高学年になるから、低学年に勉強を教えてあげたい」という声が聞かれました。
 異学年と関わる機会が多いせいか、休み時間や終業後にも、学年に関わらず一緒に遊ぶ姿が見られます。子供たちに芽生えた相手へのいたわりの気持ちや、尊敬の気持ちを大きく育てていきたいと思います。
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【豊田市立佐切小学校】いいとこ見つけ「キラリカード」

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 本校では、全校のみんなが友達であり、「佐切っ子ファミリー」と呼んでいる。その友達に、「ありがとう」を伝えたときや、「きらりと光るよいところ」を見つけたときなど「キラリカード」にメッセージを書いています。この活動を始めて数年がたちますが、学年をこえてメッセージを伝え合うことのよさを実感しています。
 廊下に全員の名札のポケットがあり、いつでも気が付いたときにメッセージを書いたり、読んだりできるようになっています。また、月一度の「キラリデー」を設け、その日は、必ず誰かにメッセージを送ることにし、より活発なメッセージ交換ができるようになっています。
 4月、入学したての1年生に、6年生が、「毎日、がんばって歩いているね」と伝えると、すぐに1年生から、かわいいイラストのメッセージが返っていました。このように、学年を超えた心の通い合いがなされ、やさしさや思いやりを伝える「キラリカード」で、掲示板のポケットにはいつも温かい心があふれています。
 この「キラリカード」は、年度末にキラリカードファイルに綴り、6年生の卒業時に、渡すようにしています。


【瀬戸市立古瀬戸小学校】ケータイ・スマホ安全教室

 本校では、毎年2学期の学校公開日に合わせ、5、6年生が、「ケータイ・スマホ安全教室」を行っています。小学校高学年になると、半数近くの児童が、携帯電話やスマートフォンを持ち、「情報モラルを学校で学習すること」「保護者とともに問題点や使用の注意点を確認すること」が必要となっています。そして、瀬戸市の社会福祉課や人権擁護委員の協力のもと、携帯電話会社から講師を派遣していただきました。
 「インターネット上での情報公開が、原因となり犯罪に巻き込まれてしまう事例」「使い過ぎにより睡眠時間が削られたり、家庭学習がおろそかになってしまったりする事例」の映像を、子供たちは真剣な表情で見ていました。ふだん、スマートフォンでのゲームが楽しいと話している児童も、「ここまでには、なりたくない」「家の人との約束を守りたい」という感想をもっていました。保護者も、改めて家庭での約束事を考え直そうと思われたようです。
 今年度は、12月の人権週間に合わせて、「ケータイ・スマホ安全教室」を開催する予定です。3月の閉校に伴い、来年度は、にじの丘学園の開校により、学区の範囲が広くなり、交友関係の広がりも予想されます。携帯電話やスマートフォンのマナーやルールを考えた使用が、更に望まれます。

【幸田町立荻谷小学校】3年生道徳科の授業実践「行った方がいいのかな」

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 本校では、道徳科の授業を実践するにあたり、関連する内容項目を他教科や行事とつなげて単元を組んで行っている。この単元を「ユニット単元」とし、複数の時間のふり返りを行うことで、子供たち自身が、学びの積み重ねと自分の成長を振り返ることができるようになっている。
 3年生では、「善悪の判断、自律、自由と責任」の内容項目を軸に単元を組み、授業を行った。「近くの火事」という教材を使って授業を行った。導入時に「正しいことをするために大切なことは何か」ということを、前時までの学習を想起させながら考えさせた。「わがままをおさえる」「挑戦を続ける」「友だちに優しくする」などの意見が出たところで、教材の前半部分を範読した。そこで、「迷った主人公が、見に行くことにしたのはなぜか」と投げかけた。ワークシートに自分の考えを記述し、3人組で話合いを行った。「気になって遊んでいられない」「まちがったらはずかしいけれど、本当に火事だったら死んでしまうかも」などの意見が出された。さらに「自分ならどうするか」と問いかけると、「知らせる」という意見がほとんどだった。しかし、半分の児童は、「知らない大人には、はずかしくて話せない」という考えだった。自分ごととして考えたとき、はっきりと判断できないことを大人に言うことは、難しい児童も多いことがわかった。最後に、「正しいことをするために大切なことは何か」という発問をもう一度問いかけた。「思い切って言うことが大切」「自分の時間をけずってでも、正しいと思ったことを言う」と、より具体的な行動にまで踏み込んだ意見が多く出された。一方、本来はここで、「言う」よりも「行く」ことに、つまり、「行動すること」に着目させたかったのだが、子供たちは、「言う」ことに着目していてので、授業の構成や発問などが適切であったのかを分析した上で、今後の実践を重ねていきたいと思う。

【東浦町立石浜西小学校】2年「友情について考えよう」

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 本学級には、26名が在籍し、そのうちの4名は外国籍児童です。中には、言葉の理解が困難な児童もおり、ふだんの道徳科の授業で、内容の理解にまで至らないことがしばしばあります。そこで、外国籍児童にも積極的に授業に参加させたいと考え、教科書の挿絵を利用した視覚的な教材の活用や、役割演技など体験的な活動を取り入れた授業を行いました。
 最近、学級内での友達とのけんかやトラブルが多くなってきたため、友情に関する資料、「森のともだち」をもとに友達との接し方について考えました。
 まず、森の仲間に意地悪をするきつね「こんきち」の気持ちを考え、ピンチのときに、森の仲間に助けてもらったときの「こんきち」の気持ちと比較するようにして、授業を展開していきました。また、助けを求める「こんきち」の場面では、相談をする森の仲間たちを役割演技で児童に演じさせました。「意地悪だから助けなくてもよい」「でも仲間だから助けないと」「助けに行ったら自分が食べられてしまう」「みんなで助ければだいじょうぶ」など、様々な場合を考えさせると、ふだんは、授業に消極的な外国籍児童も、意欲的に仲間の意見に耳を傾けていました。
 授業の最後に、「こんきちくんは、このあとどうなったと思う」と問いかけると、「意地悪をしなくなった」「みんなを助けてあげるようになった」など、友達を大切にするようになったという意見が多く出ました。振り返りには、「自分も友達を大切にしたい」「友達が困っていたら、自分から助けたい」などの意見が多く見られました。