6/3 山田洋一先生
「『学びのユニバーサルデザイン』の考え方を取り入れた学級経営」をテーマに、学級経営の第一人者である山田洋一先生に講演をしていただきました。
その内容の一部を紹介させていただきます。 〇前提として UDL(学びのユニバーサルデザイン)とは、障害の有無に関わらず、全ての子どもが学びのエキスパートになれるようにすること。これは「方法」ではなく「考え方」である。山田先生の実践を真似するというよりは、「考え方」を真似するのがよい。ただ、いきなり全てをやろうとすると学級が荒れてしまうかもしれない。ほんの少しのものでいいので、その子どもに必要なことから始めるとよい。 〇「ガイダンス」と「カウンセリング」 どちらも児童の発達を支援するものであるが、ガイダンスは全体に、カウンセリングは個人に対して行うものである。 〇学びやすい環境を調節する 「変わりなさい」などと言われて不登校になる子どもが増えている。発達の過程では、直接的に他人がその人を変えることはできず、自分で自分を変えようとしなければ変われない。よって教師は、強制、毅然、圧力ではなく、感化、自律の環境を作り、変わっていくようにする。教え方が上手なだけでなく、学びやすい環境を調整できる教師になることで、やがて子どもは自分で舵取りして学習できるようになっていく。 〇十分な支援とは 全員に平等な支援を行ったとしても、その支援が適さない子もいる。本人の資質に合わせて支援すること、子どもが自分で選択できるよう手立てを多く設けることこそが必要になってくる。また、そのような支援は教師にも余裕を生む。その余裕があれば、子どもたちへよりよい支援を提供できるようになる。 〇学びのエキスパート ・目的を持ち、やる気がある ・いろいろな学習リソースや知識を活用できる ・方略を使いこなし、自分の学びの舵取りをする これら3点をUDLのゴールとして、学びのエキスパートになることを目指す。 〇学習に見通しをもたせる 子どもたちに、学習の中で何をどこまでやることが目標なのか、可視化して分かりやすく示すことが必要である。また、単元の初めに押さえるべきポイントや、テストに類似した問題などを示しておく。そうすることで見通しをもって学習することができ、既にできてしまう子どもについては、もっと難しい問題を提供するなどして、個別の学びに繋げる。 山田先生の講演を聞き、自分の学級経営はいかがなものか、見つめることができました。一人ひとりを見つめ、その子に合った支援を提供する、どの子も十分に活動できるよう選択肢を増やすなど、出来ることが少し見えてきました。まずは実現しやすいものから少しずつ、UDLの考え方を取り入れていきたいです。 |
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