第5回は、11月16日13時〜15時です。講師は、インクルーシブ教育の専門家『野口晃菜先生』です。ぜひご参加ください。

2/11 前田康裕先生

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 「GIGAスクール 2年目 一人一台のタブレット端末をどう生かすか」をテーマに、熊本大学大学院教育学研究科特任教授の前田康裕先生に講演をしていただきました。

 学校現場では、タブレット端末が普及し、ICTの活用が広がっています。だからこそ、今後の学校教育についての在り方を具体的にお話ししていただきました。その内容の一部を紹介させていただきます。

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【第 1 部】「つけさせたい力について」
○そもそも「学ぶ」とは
「学ぶ」とは、何かに気づき、自分が変わること。

○生成 AI
最近では、質問に答えたり、絵を描いてくれたりするAIが誕生。「Chat GPT」が話題になっている。

そして、社会の高度化・複雑化、予測不可能な社会になっていく。
だからこそ、自ら問いを立て、その答えを創造していく能力が不可欠。

特定のタスクを解決する能力は AI が人間を上回るが、AI そのものが問題を解決してくれるわけではない。
批判的思考力や創造力といった、AI を活用するという新たなアプローチで問題を解決する力が人間には求められる。また、力を合わせないと複雑な問題解決は難しい。

コンテンツベースの学習(領域固有の内容(content)中心で何を知っているか)に加えて、コンピテンシーベースの学習(汎用性の高い資質・能力(compitency)中心でどのような問題解決を現に成し遂げるか)を行なっていく。各教科の力を伸ばすのに加え、教科横断的な視点に基づき育成する学習の基盤となる資質・能力を育成することが重要。
学習指導要領では“学力”ではなく “資質・能力”という言い方が使われている。

○「従来の授業+ICT」ではなく ICT を使って授業改善を行う
「教師が教える授業」から「子どもが学びとる授業」へ

○めあて(学習課題・到達目標)
協働して解決できる課題、目標を設定する。問いを立てる力を日常の教科学習で行い、育てていく。
(算数)平行四辺形の面積の求め方を誰が聞いても分かるように説明しよう
(社会)歴史的な建造物の映像から問いを考える。
(体育)自分の動きから問いを立てる。

○対話(学習者間の相互作用)
思考を見える形にする
(国語)思考ツールを使って情報の整理・分析
タブレット型端末を学習のためのメディアとして捉える
→自分の考えや集めた情報をやりとりするメディア

○振り返り(リフレクション)
活動による気付き(学習内容・学習方法)を概念化する
形成的評価でメタ認知力( どうすればよりよく学べるかを考える力)を伸ばす。
メタ認知力が高いと、
・不安を感じたり失敗したりしても冷静に対応できる
・自分と他者との関係を良好なものにできるので協調性が高くなる
・自分の長所も客観的に把握できるので意欲も高まりやすい

振り返りによる学びの言語化を行い、学びを交流し、評価することが大切。

評価の視点
・自らの気づきを明確にしている記述
・自らの伸びや課題を実感している記述
・他の経験や学習とむすびつけた記述
・友達からの学びを意識した記述

△振り返りの形成的評価に時間がかかってしまう
→あらかじめコメントを考えておき、子どもが書いたものに合わせて選択する。

デジタルによる振り返りの共有、振り返りを重視した学習活動は、
・デジタルによってより効率的で効果的
・自分の言葉で振り返ることで、自分で学びとる授業となる
・振り返りを共有することで、学びとり方まで学ぶ

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【第 2 部】「授業改善と校内研修について」
○Web サイト
・文部科学省 「StuDX Style」
・経済産業省 「未来の教室 LEARNING INNOVATION」

○対話を重視した学習形態
自分の意見や他の意見を聞きながら学習していくスタイル

精緻化
一般的な意味
→曖昧さを解消するために、言葉や視覚的要素などを明確化すること
学習活動では
→自分が学んでいることについて自分の言葉で詳しく説明すること

<探究学習の 4 つのレベル>
〈レベル 1 〉確認のための探究
→教員が作成した問いに知する結果が事前に示されており、生徒は探究の基本原則を確認する。
〈レベル 2 〉構造化された探究
→教員が作成した問いと進め方が提示され、生徒は自ら探究学習を進める。
〈レベル 3 〉ガイド付きの探究
→教員が作成した問いが提示され、生徒は自ら考えた進め方で探究学習を進める。
〈レベル 4 〉自由な探究
→生徒が作成した問いを、生徒が考えた進め方で探究学習を進める。

○自分たちの学びが、社会に役立つという経験をさせる
・防災学習の内容を地域の方々に伝える
・生徒会活動「いじめ対策プロジェクト」
・統計データを生かす
・いじめの漫画で表現

○Creative Confidence(創造力に対する自信)
「自分には周囲の世界を変える力がある」という信念 が、子供たちの資質・能力に繋がっていく。
「教師の指導のもとで学習する段階」から、「学習者が自律的に学習する段階」を目指す。

○これからの校内研修
・教師自身が受け身になっていないか
・研修が授業改善につながっているか
教師は学んだことを実践し子供の変化を見て自分自身も変化していく必要がある。

○ICT 教育モデルカリキュラムから
・小学校
学年の系統性が弱い
・中学校
教科横断的な視点が弱い

○これからの教師の役割
教える専門家→学びの専門家へ

○研究授業では...
(1)授業者の自評
(2)タブレットで一斉に記入(良かった点と改善点)→授業者はすぐに意見を把握することができる。
(3)対話による改善のアイデアを出し合う
改善点を中心に少人数による対話をし、改善点の具体案についての全体での意見交換を行う。
(4)対話によるポイントの概念化
(5)対話による自分の授業の改善
→自分自身の授業を振り返る
(6)全体の振り返り(学んだこと)
一人一人の授業改善の視点を全体で共有する。

○校内研修=教職員の協働による問題解決学習
・スキル向上
・情報の共有
・カリキュラム・マネジメント に繋がる

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 前田先生のご講演を聞き自身の普段の指導を振り返ってみると、日々の忙しさから心の余裕がなくなり、子どもと接する上で大切にしたいことを見失っている自分がいました。日々の指導のひとつひとつから意識して改めていきたいと思うことができました。

 前田先生、ありがとうございました。
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第7回(通算144回)前田康裕先生 オンライン

■日時 2月11日(土祝)10時〜12時(オンライン)
■講師 前田康裕先生(熊本大学大学院教育学研究科特任教授)
■演題 GIGAスクール2年目、一人一台のタブレット端末をどう生かすか
■プロフィール
『まんがで知る教師の学び』、『まんがで知る未来の学び』シリーズの著者である前田先生のご登壇です。今後のICT の進化とどのように関わり、どのように生きていかなければならないか。そのために、子どもたちにどんな力をつけていけばよいか。熊本市や前田先生の実践をもとに、具体的にお話ししていただきます。ICT の活用が広がる今、さらにワンステップ先の学びをしてみませんか。

第6回(通算143回)盛山隆雄先生 オンライン

■日時 1月21日(土)10時〜12時『オンライン』
■講師 盛山隆雄先生(筑波大学附属小学校教諭)
■演題 教科書をベースに子どもたちが動きだす算数授業
■プロフィール
全国算数授業研究会常任理事、「小学算数」(教育出版)編集委員、志の算数教育研究会代表である盛山先生が11年ぶりに本セミナーに登壇します。教科書をベースに、少しの工夫で子どもたちが動きだす。その極意をお話していただきます。数学的な考え方を育てる授業を作りたい先生方にぴったりの講演です。当日は、実際の授業記録などを用いて、お話いただきます。

11/12 横山浩之先生

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 「通常学級にいる特別な支援が必要な子どもに対応できる授業とは」をテーマに、福島県立医科大学ふくしま子ども女性医療センター教授の横山浩之先生に講演をしていただきました。

 私たちが子どもと関わる上で大切にしたいことを基礎から分かりやすい例を交えてお話しいただきました。その内容の一部を紹介させていただきます。

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【第1部】特別支援教育以前に知っておきたいこと

◯発達の特徴について

 ・発達は『一定の順序』に従う。
 ・発達は連続であるが等速ではない。段階的である。
 ・発達には『学習しやすい時期』がある。(=発達課題という)

 立つ前に座り,話す前に片言を言うように,発達には順序があり,それぞれの発達段階で達成しておかなければならない発達課題がある。また,その順序に合わせて学習しやすい時期があり,このことをレディネスという。

 子どもにとって適切な対応とは,このレディネスを守って対応していくことである。レディネスを守って教えることで,徐々に次の発達課題ができるようになっていく。逆に,レディネスを守らずに教えると,異常行動をもたらしてしまう。

◯教育目標分類学で評価すると…

 《認知領域》
 浅 (1) 想起 : 暗記 ・・・幼児期
 | (2) 解釈 :内容理解・・・思春期
 深 (3)問題解決:応用可能・・・就職後

 本人が自分で使えるのは「(2) 解釈 」よりも深い理解ができてからである。「(1) 想起 」のレベルでは,教え続けることが大切。例)4〜5歳児が「ごめんなさい」と言うことができても,すぐに同じことを繰り返してしまうのは,理解が「(1) 想起 」レベルであるため。このことを理解している大人だけが子どもを指導することができる。

◯ゲーム障害(依存症)について
 依存症の背景には,周囲に頼ることができず,何も言えず,自らの生き辛さを薬や酒,メディアだけでなんとかしようとしてしまうことが挙げられる。意志が弱いのではなく,『ヒトに頼るのが下手』なことが問題。よって,『ヒトに頼ることの大事さ』を教えることが何よりも大切である。そのため,特別活動などで,人と関わることの楽しさを伝えていくことが一番大切であり,ゲームを制限することが一番大切なわけではない。

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その他にも,
【第2部】特別支援教育に関する基礎基本
【第3部】通常学級にいる特別な支援が必要な子どもにできる授業 …。
と,子どもと関わる上での基礎基本から,それを基にした実践的な内容まで,分かり易く講演をして下さいました。

 横山先生のご講演を聞き,自身の普段の指導を振り返ってみると,日々の忙しさから心の余裕がなくなり,子どもと接する上で大切にしたいことを見失っている自分がいました。日々の指導のひとつひとつから意識して改めていきたいと思うことができました。

 横山先生,ありがとうございました。
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野口芳宏先生セミナー1

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10月10日に、野口芳宏先生をお迎えし、ご講演をいただきました。

第1部では、小学校4年生教材「世界にほこる和紙」の模擬授業を通してお話しいただきました。
お馴染みの○×法の全員参加をはじめ、教材の内容と教科の内容の区別、板書で用いる漢字表記などについて丁寧にお話しいただき、時代が変わっても変わらない国語の授業の流れや教材との向き合い方を知ることができました。
また、国語教育における身につけなければならない力、1読字力、2語彙力、3文脈力についてもお話しいただき、この三つの力をしっかり育てていかなければならないのでそれぞれが相互に大切であるということも学びました。

野口先生の熱い思いとユーモア溢れる授業でした。

野口芳宏先生セミナー2

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第二部 対談 野口先生から学ぶ
 
発問作りでは落差が鮮明になっているほどいい。
国語の発問は選択的発問(A,B,Cなど)にすることで落差を顕在化できる。

主体的・対話的で深い学びについて、キーワードに流されていませんか?子供が主体的になる時は、正誤がはっきりわかる時である。学ぶには、素直に先生や親の言うことを受け入れることが大切である。また対話的であるには、聞くことが重要である。よく話すから対話的でいいと言うわけではない。

〇教科内容を知りたい たくさんある中でどう絞るのか?
〇英語の教科内容は?
〇授業では意見を活発に出すけれど、テストでは点数が取れない
〇音読時は目当てを持たせることが大事だか、子どもにどう落とし込むか
など多くの先生方、ご質問いただきありがとうございました。

野口芳宏先生セミナー3

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第3部 教養講座「家庭教育と保護者との付き合い方」

昨今、生活が豊かに、快適に、主体的に、自由になってきている一方で、家庭教育が問題視されてきている。
そもそも教育は、「家庭教育」「学校教育」「社会教育」の3つに分けられるが、この3つが不十分だと人(ヒト)は人(人間)になることができない。人間にするためには、人による教育、とりわけ免許を持つプロが教える学校教育の責任が大きい。
今の日本の教育は、自由、平等、主体などで、秩序や「敬」がない。

「孝は百行の本」親を大切にしましょう。

第5回(通算142回)横山浩之先生 オンライン

■日時 11月12日(土)10時〜12時『オンライン』
■講師 横山浩之先生(福島県立医科大学ふくしま子ども女性医療支援センター教授)
■演題 通常学級にいる特別支援が必要な子どもに対応できる授業とは
■プロフィール
会員の熱烈な要望での登場です。学級集団の中で、発達障害などの個別支援が必要な子どもに どう授業したらよいか、どう対応したらよいか、今回、再度、特別支援教育の基礎・基本についても、ふれていただけます。日頃の指導を見つめ直す、とても貴重な機会になります。単なる理論ではなく、どうすればよいのかを、具体的に示していただけます。現場に即した視点でのお話は、とても貴重です。先生の具体的なお話に引き込まれること、間違いなしです。

第4回(通算141回)野口芳宏先生(対面)

■日時 10月10日(月祝)10時〜15時
■会場 大口町立大口中学校ランチルーム
■講師 野口芳宏先生(植草学園大学名誉教授)
■演題 教育界のレジェンド「野口芳宏先生から学ぼう!」
・第1部 模擬授業 4年国語「世界にほこる和紙」(説明文)
・第2部 対談「野口先生から学ぶ」(参加者を巻き込んで行います)
・第3部 教養講座
■プロフィール
千葉県で公立小学校教諭・教頭・校長を歴任。退職後は大学教授。著書は「鍛える国語教室シリーズ」をはじめ、100点を優に超える。87歳になった今も「授業道場 野口塾」を主宰し、現役教師の指導に取り組んでいる。

9/3 樋口綾香先生 小倉美佐枝先生

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「2学期が楽しみになる!授業&学級づくり」をテーマに、「アヤミサ」コンビとしても絶大な支持を集めている、樋口綾香先生と小倉美佐枝先生に講演をしていただきました。
 その内容の一部を紹介させていただきます。

第1部 学級づくりの根底を考える 小倉先生

 子どもたち一人ひとりの成長が、学級の成長につながっていく。子どもたちには常に、「自分はどうしたいのか」「その理由はなにか」と問いかけていくことで、自分事として考えられるようにする。
 2学期は行事が多く、子どもたちが成長する絶好の機会。子どもたちにとって行事は参加するのが当たり前、教師が計画し、主導していくことになりがちではあるが、そんなときこそ、「行事はなんのためにするのか」と考えさせ、「自分は〜を学びたい」「クラスのみんなで〜したい」という気持ちを引き出していく。
 また、教師が子どもたちに毎日かけている言葉。言葉を「選ぶ・変える」という意識をもっていたい。例えば、伝えるときに少し笑いのセンスを入れてみる。その方が子どもに響くことが多い。ちょっとした声かけ一つで、学級の雰囲気は変わっていく。

第2部 文学の授業づくり 樋口先生

 「物語の大事なことに気づける子どもをどう育てるか」という視点で授業づくりをしている。大事なことというのは、「言葉の見方、考え方を働かせながら文章を読むこと」。具体的に授業で意識しているのは、以下の5つがある。
・言葉を大切にする
・問いをもつ
・これまでの作品と比べる
・積み重ねの実感
・読み方を知る
 また、教師自身が読み方を知ることが重要である。そのために、題名、場面、設定、山場・結び、アイテムの5つの観点で教材分析を行う。

第3部 対談「教師として大切にしていること」

〈若手の頃〉
とにかく一生懸命やる、そこに価値がある。
自信がなく、不安だったからこそ、謙虚になれた。年の近い先輩から学んだ。
〈子どもとのつながり方〉
その子のそのままを認める。否定しない。
裏に隠れている思考過程をよむ。その子自身をみる。

○学級づくりと授業づくりは両輪である。
○主軸として変わらないものをもつ。
○プラスの積立貯金をしていく。


あっという間の2時間で、2学期に活かしたいことがどんどん湧き出てきました。
樋口先生、小倉先生、ありがとうございました。

第3回(通算140回)樋口綾香先生&小倉美佐枝先生

■日時 9月3日(土)10時〜12時(オンライン)
■講師 樋口綾香先生(大阪府池田市立神田小学校教諭)
    小倉美佐枝先生(佐賀県唐津市立入野小学校教諭)
■演題 「2学期が楽しみになる! 授業&学級づくり」
■プロフィール
「アヤミサ」コンビとして、全国の若手教師から絶大な支持を集めています。樋口先生はInstagram で、#国語教師、#構造的板書など、国語教育を中心に発信。小倉先生は、教室で子どもたちと明るく楽しく!をモットーにするポジティブ教師。Instagram の投稿からは、子どもたちに対する愛情をたっぷり感じます。当日は、2学期に向けて、授業づくりや学級づくりの極意を元気いっぱい話していただきます。

6/3 山田洋一先生

 「『学びのユニバーサルデザイン』の考え方を取り入れた学級経営」をテーマに、学級経営の第一人者である山田洋一先生に講演をしていただきました。
 その内容の一部を紹介させていただきます。


〇前提として
 UDL(学びのユニバーサルデザイン)とは、障害の有無に関わらず、全ての子どもが学びのエキスパートになれるようにすること。これは「方法」ではなく「考え方」である。山田先生の実践を真似するというよりは、「考え方」を真似するのがよい。ただ、いきなり全てをやろうとすると学級が荒れてしまうかもしれない。ほんの少しのものでいいので、その子どもに必要なことから始めるとよい。

〇「ガイダンス」と「カウンセリング」
 どちらも児童の発達を支援するものであるが、ガイダンスは全体に、カウンセリングは個人に対して行うものである。

〇学びやすい環境を調節する
 「変わりなさい」などと言われて不登校になる子どもが増えている。発達の過程では、直接的に他人がその人を変えることはできず、自分で自分を変えようとしなければ変われない。よって教師は、強制、毅然、圧力ではなく、感化、自律の環境を作り、変わっていくようにする。教え方が上手なだけでなく、学びやすい環境を調整できる教師になることで、やがて子どもは自分で舵取りして学習できるようになっていく。

〇十分な支援とは
 全員に平等な支援を行ったとしても、その支援が適さない子もいる。本人の資質に合わせて支援すること、子どもが自分で選択できるよう手立てを多く設けることこそが必要になってくる。また、そのような支援は教師にも余裕を生む。その余裕があれば、子どもたちへよりよい支援を提供できるようになる。

〇学びのエキスパート
 ・目的を持ち、やる気がある
 ・いろいろな学習リソースや知識を活用できる
 ・方略を使いこなし、自分の学びの舵取りをする
 これら3点をUDLのゴールとして、学びのエキスパートになることを目指す。


〇学習に見通しをもたせる
 子どもたちに、学習の中で何をどこまでやることが目標なのか、可視化して分かりやすく示すことが必要である。また、単元の初めに押さえるべきポイントや、テストに類似した問題などを示しておく。そうすることで見通しをもって学習することができ、既にできてしまう子どもについては、もっと難しい問題を提供するなどして、個別の学びに繋げる。


 山田先生の講演を聞き、自分の学級経営はいかがなものか、見つめることができました。一人ひとりを見つめ、その子に合った支援を提供する、どの子も十分に活動できるよう選択肢を増やすなど、出来ることが少し見えてきました。まずは実現しやすいものから少しずつ、UDLの考え方を取り入れていきたいです。
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5/14 和田裕枝先生

 授業と学び研究所フェローの和田裕枝先生に「授業作りの本質」について、模擬授業の実践をもとにお話をしていただきました。
 その内容の一部をご紹介させていただきます。

○模擬授業の実践から
式や答えを問うような授業展開ではなく、そこにたどり着くまでの思考を伝え合うことを大事にされていた。

〇習得と活用
家に帰ってから宿題が自力で出来るように、授業の中で分かったら、次の問題ができるという体験をすることが大切である。

〇板書する意見、しない意見
・すぐ書くとき→みんなが分かるとき
・すぐ書かないとき→みんなで深めてかみ砕いて理解しておきたいもののとき

〇子どもの発言が長くて、何を言いたいか分からない
「何を言いたかったと思う」とクラスに問いかけると、子どもが噛み砕いて説明してくれる。

〇いつから、このような授業づくりを意識されたのか
5~6年目の頃には、授業が滞りなく終わるようになっていた 。ただ、問題の答えをゴールにしており、子どもの数人は、答えよりももっと様々なことを考えていると感じた。子どもの振り返りを見て、子どもの学びを止めているのは教師だと気づいた。もっと様々な学びをさせ、他の人に意見を伝えられることを教材研究をする際に意識するようになった。

 模擬授業からは、子どもの考えを大切にされ、それを共有し合う姿が印象的でした。
 和田先生、栗木先生、パネラーの皆様、ありがとうございました。
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5/14 栗木智美先生

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 授業と学び研究所フェローの栗木智美先生に「授業作りの本質」について、対面式で一年間の授業動画をもとにお話をしていただきました。
 その内容を簡単にですが、一部ご紹介させていただきます。

○一年間の授業動画から
 1〜3学期で一本ずつ、授業の様子をご紹介いただきました。一年を通して、子どもたちの対話の様子の変化や、栗木先生の聴き合うことを意識した働きかけを見ることができました。

○共有では他者との意見の違いを楽しむ
 自分の考えを持ち、他者と意見を聴き合う。聴き合うとは、他者の意見に納得し、疑問を持って返せるかということである。聴き合う際に、自分との意見の異なりを楽しむ気持ちを持たせることが重要である。良質な聴き合いとは、たくさんの質問が交わされる聴き合いである。

○主体性を育てられる教師の授業の特徴
 ・子どもの「え?」「どうして?」を引き出す授業
 ・子どもから生まれる・引き出す授業
 ・子どもがこぼしたかけら(振り返りなど)をどう拾うか

○学び合いに大切なこと
 ・教師がどのような子どもを育てたいかを、明確に持つこと
 ・子ども同士、子どもと教師の良質な関係
 ・評価の質

動画で実際の子どもたちの様子を見せていただくことで、一年間の変化の様子がよく見てとれました。また、栗木先生の「授業作り」や「教育」への思い、お考えを知ることができました。自分にできること、目の前の子どもたちに合っていることを考え、実践していきたいです。
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第2回(通算139回)山田洋一先生 オンライン

■日時 6月11日(土)10時〜12時『オンライン』
■講師 山田洋一先生(北海道恵庭市立和光小学校教諭)
■演題 『学びのユニバーサルデザイン』の考え方を取り入れた学級経営
■プロフィール
山田先生は学級経営の第一人者。教育研修サークル「北の教育文化フェスティバル」を主宰しています。「個別最適を実現する! ユニバーサルデザインで変える学級経営ステップアップ術60」「子どもの笑顔を取り戻す!『むずかしい学級』ビルドアップガイド」「誰でもできる白熱する『対話』指導53」など著書多数。新しいテーマでの講演が、今から楽しみです。

第1回(通算138回)和田裕枝先生&栗木智美先生

■日時 5月14日(土)10時〜12時
■会場 大口町立大口中学校ランチルーム(対面)
■講師 和田裕枝先生、栗木智美先生(授業と学び研究所フェロー)
■演題 模擬授業から授業づくりの本質を学ぶ
■プロフィール
授業と学び研究所フェローである和田裕枝先生、栗木智美先生のご登壇です。お二人は多くの教育現場から要請を受けて、講演や指導助言をされています。今回のテーマは、ずばり「授業づくりの本質とは何か」。和田先生には算数模擬授業、栗木先生には国語模擬授業をしていただき、岐阜聖徳学園大学教授・玉置崇先生の進行で、テーマに迫る深堀りを行います。皆様、このお二人の授業は必見です!
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