第6回は、1月25日10時〜12時です。講師は、理科教育の第一人者である『鳴川哲也先生』です。ぜひご参加ください。

和田先生の授業

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11月9日に授業と学び研究所フェローの和田裕枝先生と愛知教育大学教職大学院特任教授の野木森広先生をお招きし、「授業づくりの基本と深い学び〜算数・理科の模擬授業を通して〜」という演題で算数・理科の模擬授業をしていただきました。また、模擬授業後には、岐阜聖徳学園大学教授の玉置崇先生の司会進行の下、パネリストや授業者を交えて深掘りをしました。

第1部前半では、和田裕枝先生による5年生「整数」の公倍数について、模擬授業をしていただきました。
まず、和田学級の3つの基本は、「人の話を最後まで聞くこと」「反応すること」「人と違う言い方をすること」であると教えていただき、子どもにどんどん発言させる中で、考え方・言い方の違いから内容を深めていく授業で児童役の大学生も活発に発言しながら授業に臨んでいました。
また、長方形のタイルを並べて、正方形をつくる活動では、根拠をしっかりと児童にもたせ、ただその問題を解くだけではなく、
「一辺が48cmの正方形を見つける問題をつくるなら」→「2番目の公倍数」
「一辺が96cmの正方形を見つける問題をつくるなら」→「100cmに近い正方形は?」
子どもたちによる問題作りを通して、発展的に考えられる授業でした。

和田先生の授業の深掘り

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第1部後半では、玉置崇先生の司会進行の下、パネリストや授業者を交えて授業の深掘りをしました。
様々なやりとりの中で、「発言を待つだけではなく、子どもたちから考えが引き出せるような布石を打つことが必要である。」「10-1=9のクラス。指名により1人が発表した後も、残り9人が自分なりの考えを続けて言える学級を目指している」など授業を進める上でのポイントがわかりました。深い学びについては「子どもの見方、考え方を広げ、日常に活かす。このようなことをすると他の単元でも活きる。」と教科全体を見通した指導にも話が広がりました。
また、参加者からの質問コーナーでは、ノート指導について、「子どもたちは本時の自分の学びを振り返るためにノートに記録をしている。」「教師は、本時の概念やキーワード、思考の過程を板書等で可視化されるようにしている」という2点を聞くことができました。

野木森先生の授業

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第2部後半では、野木森広先生による4年生「ものの温度と体積」について、模擬授業をしていただきました。実験の動画をもとに、こんにゃくが入った管をさした瓶にお湯をかけると起こる現象に興味をもたせたり、実際に確かめさせたりすることで、児童役の大学生が、様々な条件下で実験したいとワクワクしながら授業に参加していました。
また、ペアで実験を行わせ、対話させながら、どのような道具が必要なのか、どのような条件で実験していくのか、見通しをもたせて実験させるなど、子どもの進捗状況をしっかりと把握して、支援していくことの大切さをひしひしと感じる授業でした。
まとめでは、「たしかに言えること」「もしかしたら言えること」「もっと調べたいこと」の3点で振り返りをさせるなど、次時へのつなげ方を学ばせていただきました。

野木森先生の授業の深掘り

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第2部後半では、再度、玉置崇先生の司会進行の下、パネリストや授業者を交えて授業の深掘りをしました。
特に、「各グループで直感的に出たつぶやきの見方・考え方をどのように全体で共有して深い学びにもっていけるか」について、様々な意見がでました。
「あとで言ってねと子どもに依頼する。」や「グループでつぶやいていることを板書していき、視覚化しながら共有していき授業を進めていく。」など、深い学びをするために、つぶやきを大切にしていくことについて聞くことができました。

第5回(通算126回)「和田裕枝先生&野木森広先生」登壇

■日時 11月9日(土)10時〜12時30分
■会場 大口町立大口中学校
■講師 和田裕枝先生(授業と学び研究所フェロー)
■講師 野木森広先生(愛知教育大学教職大学院特任教授)
■演題 授業づくりの基本と深い学び〜算数・理科の模擬授業を通して〜
■プロフィール
 和田先生は元小学校長、野木森先生は元中学校長。若い頃から授業研究に積極的に取り組み、授業のうまさは天下一品。
 当日は、和田先生が算数、野木森先生が理科の模擬授業を行い、その後、岐阜聖徳学園大学教授の玉置崇先生の司会進行の下、パネリストや授業者を交えて深掘りをしていきます。その中で、授業づくりの基本や授業を進める中で考えられたことをクローズアップしていきます。乞うご期待を。

野口芳宏先生セミナー1

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午前の部
語彙の拡充の原理〜3年生「ありの行列」〜

国語の学力とは、
「読字力」「語彙力」「文脈力」である。

「文脈力」はつながりを理解する力で、いちばんつけにくい。
「読字力」は、教科書には平仮名で書くことを、黒板には漢字で書くことで身につけさせることができる。→ 講演中も多くの言語を拾いながら実践していきました。
そして、「語彙力」。語彙自体の意味を知らないといけない。

それを、教科書で教えていく。

言語の力をつけていくことが、国語の教育。学力は教わらなければ身につかない。
国語の学力はすべての学力の基礎学力、「底」である。

人が去り行く時、手に入れたものはすべて失い、与えたものだけは残る。

なんとも心に響く第一部でした。

野口芳宏先生セミナー2

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第二部
会員発表 松井大樹先生〜道徳「ロレンゾの友達」〜

本当の友達とは、について、自分の立場をどれにするか決めさせ、自分の意見を持たせながらの模擬授業でした。
また、子どもたちが資料を理解できるように、資料に補足をいれながらの授業でした。

この2点について、野口先生は高く評価されました。

自分の立場を決めさせ、ノートに書かせたこと。→全員参加の授業になっていた。
資料に補足をいれながらの授業→ とても大切なこと。国語では何回も読ませるのに道徳では一度で内容を理解させようとする。理解できるわけがない。

野口先生は続けます。

子どもに立場を決めさせるなら、教師も自分の立場を決めて子どもに話すべき。
そして、立場はAかBかにするといい。

野口先生だったら、どの立場にするかも話してくださいました。

学びの多い、第二部となりました。

野口芳宏先生セミナー3

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第三部
修養講座〜「日本人の精神」とは〜−教育勅語を用いてー

教育勅語について、いいイメージ悪いイメージ?と聞くと、悪いイメージをもっている人が多い。しかし、その中には、教育勅語を読まずに悪いイメージを持っている人が少なくない。

教育勅語を読み解きながら、講演は進められました。


「教育勅語」は、たった315文字。
これほど簡潔に厳選して教育に対して書かれたものはない。

何でも自分の目で本物に触れて確かめることが必要である。

第4回(通算125回)「野口芳宏先生」登壇

■日時 10月14日(月・祝)10時〜15時
■会場 大口町立大口中学校
■講師 野口芳宏先生(植草学園大学名誉教授)
■演題 
【午前の部】語彙の拡充の原理 〜3年「ありの行列」〜
【午後の部1】松井大樹先生 〜道徳「ロレンゾの友達」〜
【午後の部2】修養講座 〜「日本人の精神」とは〜
■プロフィール
 教師力アップセミナーのレギュラー講師。18年連続は野口芳宏先生だけ。今年で83歳、ますますお元気です。今回も丸一日、たっぷりと聞いていただきます。
 第1部は野口先生の模擬授業、第2部は会員のライブ授業発表、第3部は教養講座です。この第3部は、先生方の人格を高めるための講座。前回から始まりました。先生方の声も上々。教師力がアップすること間違いなしです。どうぞお楽しみに!

山田貞二先生セミナー1

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 9月7日に愛知県一宮市立浅井中学校校長の山田貞二先生をお招きし、「うれしい、楽しい、道徳大好き!〜しなやかな道徳授業をめざして〜」というテーマで講演していただきました。

 まずは、アイスブレイクとして「セブンイレブンじゃんけん」をしたり、2分間でペアの人の似顔絵を描いてプレゼントしたりするなど、温かい雰囲気づくりを行いました。学級でもセミナーでも、何でも言い合える雰囲気づくりが大切だということを教えていただきました。
 次に、ペアで簡単な場面指導を行いました。テーマは「明日は合唱コンクール、指揮者の子が泣いている。どのように声をかけますか」というものでした。その際、「君ならできるよ」と励ますよりも、まず「どうしたの?分かるよ、その気持ち」と共感することが大切であると学ばせていただきました。
道徳の授業も、まず傾聴、共感することから始め、自己肯定感を高め、安心感(セイフティ)の中で自己決定をさせていく必要性を学ぶことができました。
また、教師が子どもの話を聞く姿勢をもつことはもちろん、子ども同士が聞き合えるかどうかもポイントだと知りました。
1.傾聴三原則
(あいづち、うなずき、称賛)
2.オウム返し復唱
3.オープンクエスチョン
 を用いて、自己決定の場(納得解)へ導くことを教えていただきました。

山田貞二先生セミナー2

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〇そもそも「道徳」って何だろう。
 という問いを会場の全員で考えていきました。英語では「moral:習慣。風習」。広辞苑では「日常的に守るべき習慣」とあります。さらに国や地域、育ってきた環境や文化、家庭や時代によって変化することもあります。
それぞれ価値観が異なるものだから、それぞれが「納得解」を出すことが大切になってくることを学びました。
 道徳の授業を通して、「主体的判断力」と「共に生きる力」といった「道徳性」を育むことが大きなねらいです。しかし、私たちの道徳の授業に対する「思い込み」が弊害になることがあると教えていただきました。そしてその思いから成るパターン化された授業では、量的にも質的にも課題が残るため、「考え議論する道徳」へと転換を図ることになったそうです。明確な指導観のもと、しなやかな授業を行う必要性があるとのことです。
 授業の中で、「価値理解(内容項目)」「人間理解(人間の弱さを扱う)」「他者理解(自己との比較)」を「多面的・多角的」に考えることで学びを深めていくことが大切だということを教えていただきました。
〇多面的・多角的な考えとは
 「多面的」と「多角的」をあえて分けて考えていくことになりました。
・ 多面的とは
 社会的事象自体がもつ様々な側面→多面性
・ 多角的とは
 社会的事象を様々な角度からとらえること→多角性
 立場を変える。認め合い。
 これらを踏まえ、対話→拡散→収束(磨き合い)へと導いていくそうです。
 収束の際、議論を通して、時には対立・妥協も授業の中で経験させるとのことです。

 中心発問を発火点とし、認め合いながら対話をして拡散の方向へ導き、ズレを起こす補助発問から磨き合いという議論による話合いへと導いていくことを教えていただきました。

山田貞二先生セミナー3

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〇模擬授業「バスと赤ちゃん」
 導入は2パターンあることも教えていただきました。
・教材から(挿絵等)
・価値から(友情ってどう思う?等)
 今回は挿絵からの導入でした。本文中に「火のついたような鳴き声」とあり、実際に演じてみたり、音声を聞かせることで体感することができました。
 そして、運転手さんの提案によって起こった「拍手」の意味を考えていきました。
・運転手さんの提案に向けて
・母親に向けて
・乗客みんなに向けて
・赤ちゃんに向けて
 など、多くの意見が出ました。中には、
・周りに合わせて仕方なく
 という意見も出ました。しかし、こういった一見ネガティブな意見こそ、「よくぞ言ってくれた」と、大切にしなければいけないとおっしゃっていました。また、役割演技を通して参加者それぞれの納得解を求めていきました。
 一つの教材に対して、どのように扱うのかも授業の展開を左右する大事な選択とのことでした。例えば、共感的に、分析的に、感動的に。または、問題提起として捉えることもできるそうです。
 他にも、質の高い多様な指導方法として
・自分事としてとらえる。
・問題解決的な学習。
・体験的な学習。
 などの選択もしていく必要があることを学ぶことができました。

 2時間という短い時間でしたが、理論と実践を具体的に分かりやすく教えていただき、大満足のセミナーとなりました。

第3回(通算124回)「山田貞二先生」登壇

■日時 9月7日(土)10時〜12時
■会場 大口町立大口中学校
■講師 山田貞二先生(一宮市立浅井中学校長)
■演題 「うれしい、楽しい、道徳大好き!〜しなやかな道徳授業をめざして〜」
■プロフィール
 瀬戸市にて教員生活を始め、愛知県教育委員会指導主事を経て、現在、一宮市立浅井中学校長。道徳教育の実践家として、全国各地に講演に出かけ、月刊誌『道徳教育』に「子どもに語る道徳小話」を連載。今、道徳をどのように授業・評価しようか悩んでいる先生方が多いのではないでしょうか。考え議論する道徳の模擬授業を通して、最先端かつ、現場に馴染む「特別の教科 道徳」の具体を示していただきます。

川上先生セミナー1

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6月9日に東京都立矢口特別支援学校の川上康則先生をお迎えし、「通常学級における、発達につまずきがある子どもの輝かせ方」というテーマで講演していただきました。その一部をご紹介します。

まず初めに、子どものつまずき、困難さを感じるところからセミナーはスタートしました。文章を目で追いながら音読するのが困難な状態、体をうまく動かせない状態を体験し、どんな支援があれば、その子にとってよいのかということを考えました。音読で困るならリーディングスリットを活用してみる、運動で困るときは、手順表示をしてみるなどの手立てを提示されました。その子の立場になって考えることが大事であると学びました。
「子どもはルールよりもラポール(信頼関係)に従う」というお話がありました。信頼関係の中身は、1自分が認めた大人、2自分のことを分かってくれる大人の2つ。やり方(How to)を求めがちだけれども、あり方(To be)を見直さないといけないことを教えていただきました。
崩れる学級の原因についてもお話していただきました。学級経営には、「軸・枠・型・幅」が必要だが、これらを崩しにお試し行動をとる子がいます。また、教師に過度な身体接触をしてくる子がいます。「ぶれない、動じない、揺るがない、かつ、その子の持ち味を引き出す」ことを目指すとお試し行動をさせなくすることにつながります。腕に巻きついてきたり、膝の上に座ってきたりする子は意図的に離れないとどんどんエスカレートしてしまいます。「距離をとる」、「やってもらえるという誤学習をさせない」という2つを心がけていくひつようがあると教えていただきました。

川上先生セミナー2

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子どもたちの中には、理解がゆっくり「スローラーナー」がいることをお話しされました。スローラーナーは、行間を読み取ること、比喩的な表現を理解すること、言葉の書き写しになどに困難を抱えている。そんな子どもの学びにくさの分かる教師になろうということをお話していただきました。
川上先生は、お話の間にペアトークを何度か行いました。ペアトークの意義として、1理解のレベルを揃える、2インプットした内容はアウトプットで定着する、3他人のフィルターを通して学ぶ、4話すことでガス抜きができ、集中力が続く、の4つを挙げられました。しかし、ペアには能力差があるので、質問の難易度で調整するなど、配慮が必要なことを学びました。
「安心してわからないと言える教室をつくりましょう」というお話もされました。わからないが続くとやろうとしなくなってしまいます。対策としては、援助要求スキルを教えてあげる。しかし、スキルだけでなく、自尊感情と合わせて考える必要があります。困ったが言える人は自尊感情が高い人で自尊感情が低い人は、恥ずかしいという気持ちを持っています。だから「ピンとこない人?」など間接的に聞くことも一つの手段。そしてできたことは、「できたね!」と褒めてあげる、自尊感情を大切にすることを学びました。

川上先生セミナー3

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「できていることを発見しよう」というお話を聞きました。苦手を強みにするリフレーミングで視点を変えて、子どもの価値を引き出すことができます。反省しない→切り替えが早い
褒め方についてもお話をしていただきました。コツは短く、太く。「あー」(納得)、「いい」(同意)、「うーん」(降参)、「えー」(驚愕)、「おー」(感嘆)皮肉を込めずに褒めることが大切です。高学年向けな大人っぽい褒め方もベスト5で教えていただきました。1深い(読みが)2鋭い(見方が)3大きい(スケールが)4ちがう(着眼点が)5助かる(頼りにする)
逆に叱り方のコツも教えていただきました。コツは、褒めるときと同じで、短く、太く。気を付けなければならないことは、1行動を叱る(人格の否定をしない)、2意欲まで否定しない、の2点です。最後は、ハッピーエンドで終わるとスッキリします。叱るには、「覚悟」、「基準」、「技術」が必要です。効果のある褒め方・叱り方は、どちらも好球必打であることを学びました。
最後に二次障害についてお話していただきました。周囲の無理解や誤解は、ODD(反抗挑戦性障害/反抗挑発症)やOD(行動障害・素行症性 )などにつながることがあります。二次障害に陥らないためには、1「ポジティブな自己理解、2「レジリエンス」の高さ、3誰かに必要とされている感覚(貢献感覚)が大切になります。レジリエンスは「心の回復力や抵抗力、再構成力」などと定義されます。学校には、もがき苦しんでいる子の気持ちが分かる教師が必要です。子ども達の日常的な姿を見ている教師だからこそ、サポートができると教えていただきました。
今を見直し、教師としてどうあるべきかを見つめ直す2時間でした。参加者の振り返りからも明日から頑張ろうという思いが伝わるセミナーになりました。

第2回(通算123回)「川上康則先生」登壇

■日時 6月9日(日)10時〜12時
■会場 大口町立大口中学校
■講師 川上康則先生(東京都立矢口特別支援学校主任教諭)
■演題 「通常学級における、発達につまずきがある子どもの輝かせ方」
■プロフィール
 1974年、東京都生まれ。臨床発達心理士、特別支援教育士スーパーバイザー。長年、特別支援教育コーディネーターとして、地域の相談支援にも携わっています。特別支援教育のプロフェッショナルとして有名な川上先生に、2年ぶりに登壇していただきます。特別支援教育の視点を、実践をもとに話される講演はまさに必見。先生の優しさと温かみのあるお話を伺えば、教育力アップにつながること間違いなしです。

多賀一郎先生セミナー1

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 本年度最初のセミナーは、追手門学院小学校講師の多賀一郎先生をお招きして、「学級にプラスの風を吹かせる〜ヒドゥンカリキュラムを意識した学級経営」というテーマで講演をしていただきました。このホームページでは、その一部を紹介します。

〇居心地のよいクラスとは
 安心感や明るさ・あたたかさのあるクラスがよい。「ちゃんと話を聞いてもらえた」、「自分のことを見てくれている」という思いが、子どもの安心につながる。教師が冷たくては子どもをあたためられない。教師自身があたたかく健康に生活していることが一番である。

〇どんな人を信頼できないか
 信頼感の観点は人によって違う。逆を考えて、どんな人は信頼できないかを思い浮かべると、以下のことが考えられる。教師も一人の大人として子どもの前に立っていることを忘れてはいけない。
・言う事がころころと変わる
・人によって態度が変わる
・お金に汚い
・偉そうにする、人を見下す
・他人を利用する
・話を聞かない

多賀一郎先生セミナー2

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〇授業の布石となるヒドゥンカリキュラム
・注意でなく、手をかける
普段行っている机間巡視にも目的がなければならない。見かけた時に注意ばかりしていると子どもはいつか爆発する。話している子どもたちがいたら、その子たちの間に入って授業をする。すると、自然と静かになる。細かいところには口ばかりではなく、手をかけることも大事である。

・第一声の直前の空気を読む
休み時間の遊びから帰ってきたら、いきなり授業始めるのでなく、いったん授業の準備をさせる。遊び時間が子どもの仕事なので、いきなり切り替わるわけではないということを意識したい。


〇気づかないまま伝わってしまうヒドゥンカリキュラム
・嫌味と皮肉を言ってしまう
嫌味や皮肉は言い返すことができずに、嫌な思いだけが残る。「お前が90点とるなんておどろきだ」、「君にも得意なことがあるんだね」といった一言が子どもを傷つけている。

・子どものマイナス点にこだわる
こだわるとこは見極める必要がある。子どものマイナス点はいくらでもあるが、その中でもプラスの点を探すのがプロの教師としての仕事である。

多賀一郎先生セミナー3

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〇保護者から教師はどう見えているのか
・「見た目」は大きい判断要素
プロだからこそ、よく見せようとしなければならない。
1 服装、髪型
2 声のトーン、大小
3 姿勢
4 語り口調
5 挨拶

・先手必勝の論理がヒドゥンカリキュラム
1 連絡帳に一言書いている
2 電話で余計な一言が相手に残っている
3 トラブルは、先に連絡


 具体的なお話ばかりで、普段の生活を振り返る2時間となりました。アンケートにも、「普段やっていた言動のマイナスの効果に気づくことができた」という感想を書かれた方が多くいました。プロの教師として子どもに接するときのポイントを学ぶことができた、多賀先生のご講演でした。ありがとうございました。

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