第6回は、1月25日10時〜12時です。講師は、理科教育の第一人者である『鳴川哲也先生』です。ぜひご参加ください。

第4回(通算125回)「野口芳宏先生」登壇

■日時 10月14日(月・祝)10時〜15時
■会場 大口町立大口中学校
■講師 野口芳宏先生(植草学園大学名誉教授)
■演題 
【午前の部】語彙の拡充の原理 〜3年「ありの行列」〜
【午後の部1】松井大樹先生 〜道徳「ロレンゾの友達」〜
【午後の部2】修養講座 〜「日本人の精神」とは〜
■プロフィール
 教師力アップセミナーのレギュラー講師。18年連続は野口芳宏先生だけ。今年で83歳、ますますお元気です。今回も丸一日、たっぷりと聞いていただきます。
 第1部は野口先生の模擬授業、第2部は会員のライブ授業発表、第3部は教養講座です。この第3部は、先生方の人格を高めるための講座。前回から始まりました。先生方の声も上々。教師力がアップすること間違いなしです。どうぞお楽しみに!

山田貞二先生セミナー1

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 9月7日に愛知県一宮市立浅井中学校校長の山田貞二先生をお招きし、「うれしい、楽しい、道徳大好き!〜しなやかな道徳授業をめざして〜」というテーマで講演していただきました。

 まずは、アイスブレイクとして「セブンイレブンじゃんけん」をしたり、2分間でペアの人の似顔絵を描いてプレゼントしたりするなど、温かい雰囲気づくりを行いました。学級でもセミナーでも、何でも言い合える雰囲気づくりが大切だということを教えていただきました。
 次に、ペアで簡単な場面指導を行いました。テーマは「明日は合唱コンクール、指揮者の子が泣いている。どのように声をかけますか」というものでした。その際、「君ならできるよ」と励ますよりも、まず「どうしたの?分かるよ、その気持ち」と共感することが大切であると学ばせていただきました。
道徳の授業も、まず傾聴、共感することから始め、自己肯定感を高め、安心感(セイフティ)の中で自己決定をさせていく必要性を学ぶことができました。
また、教師が子どもの話を聞く姿勢をもつことはもちろん、子ども同士が聞き合えるかどうかもポイントだと知りました。
1.傾聴三原則
(あいづち、うなずき、称賛)
2.オウム返し復唱
3.オープンクエスチョン
 を用いて、自己決定の場(納得解)へ導くことを教えていただきました。

山田貞二先生セミナー2

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〇そもそも「道徳」って何だろう。
 という問いを会場の全員で考えていきました。英語では「moral:習慣。風習」。広辞苑では「日常的に守るべき習慣」とあります。さらに国や地域、育ってきた環境や文化、家庭や時代によって変化することもあります。
それぞれ価値観が異なるものだから、それぞれが「納得解」を出すことが大切になってくることを学びました。
 道徳の授業を通して、「主体的判断力」と「共に生きる力」といった「道徳性」を育むことが大きなねらいです。しかし、私たちの道徳の授業に対する「思い込み」が弊害になることがあると教えていただきました。そしてその思いから成るパターン化された授業では、量的にも質的にも課題が残るため、「考え議論する道徳」へと転換を図ることになったそうです。明確な指導観のもと、しなやかな授業を行う必要性があるとのことです。
 授業の中で、「価値理解(内容項目)」「人間理解(人間の弱さを扱う)」「他者理解(自己との比較)」を「多面的・多角的」に考えることで学びを深めていくことが大切だということを教えていただきました。
〇多面的・多角的な考えとは
 「多面的」と「多角的」をあえて分けて考えていくことになりました。
・ 多面的とは
 社会的事象自体がもつ様々な側面→多面性
・ 多角的とは
 社会的事象を様々な角度からとらえること→多角性
 立場を変える。認め合い。
 これらを踏まえ、対話→拡散→収束(磨き合い)へと導いていくそうです。
 収束の際、議論を通して、時には対立・妥協も授業の中で経験させるとのことです。

 中心発問を発火点とし、認め合いながら対話をして拡散の方向へ導き、ズレを起こす補助発問から磨き合いという議論による話合いへと導いていくことを教えていただきました。

山田貞二先生セミナー3

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〇模擬授業「バスと赤ちゃん」
 導入は2パターンあることも教えていただきました。
・教材から(挿絵等)
・価値から(友情ってどう思う?等)
 今回は挿絵からの導入でした。本文中に「火のついたような鳴き声」とあり、実際に演じてみたり、音声を聞かせることで体感することができました。
 そして、運転手さんの提案によって起こった「拍手」の意味を考えていきました。
・運転手さんの提案に向けて
・母親に向けて
・乗客みんなに向けて
・赤ちゃんに向けて
 など、多くの意見が出ました。中には、
・周りに合わせて仕方なく
 という意見も出ました。しかし、こういった一見ネガティブな意見こそ、「よくぞ言ってくれた」と、大切にしなければいけないとおっしゃっていました。また、役割演技を通して参加者それぞれの納得解を求めていきました。
 一つの教材に対して、どのように扱うのかも授業の展開を左右する大事な選択とのことでした。例えば、共感的に、分析的に、感動的に。または、問題提起として捉えることもできるそうです。
 他にも、質の高い多様な指導方法として
・自分事としてとらえる。
・問題解決的な学習。
・体験的な学習。
 などの選択もしていく必要があることを学ぶことができました。

 2時間という短い時間でしたが、理論と実践を具体的に分かりやすく教えていただき、大満足のセミナーとなりました。

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