川上康則先生セミナー 1
9月3日に東京都立矢口特別支援学校の川上康則先生をお迎えし、「発達につまずきのある子どもの輝かせ方〜通常の学級で特別支援教育の視点をいかす〜」というテーマで語っていただきました。その一部をご紹介します。
まず話されたのは、「指導のやり方を求めるのではなく、教師としての在り方を見直そう」これが子ども理解の第一歩目なのだということです。子どもの問題行動ばかりに捉われず、教師自身の子ども理解に対する守備範囲を広げていくことが肝要である。このお話を聞いて、教師として大切なことは何だろうかと考えさせられました。 「お試し行動を理解し教育の軸がぶれないようにしよう。」というお話がありました。「かまって」サインなどのお試し行動はお母さん・若手の教師・支援員がターゲットになりやすく、腰回り・足回りにくっついてくることもあり、距離をとらないとエスカレートしていきます。このような行動に対しては、「堂々と毅然と穏やかに」「焦らず慌てずあきらめず」対応することで子どもを混乱させずに済むと教えていただきました。 講演の途中、川上先生の指示で何度もペアトークを行いました。とても表情良く、明るく楽しく話す参加者たちの姿がありました。リフレーミングの練習ワークにおいても盛り上がりました。枠(フレーム)を捉えなおすリフレーミングを行うことで、子どもの苦手としている部分を「強み」に変えていこうという視点は非常に大切であると学びました。 川上康則先生セミナー 2
具体的なお話の中に、座っているときなどの姿勢が悪い子についての話がありました。こういった子に対して、「姿勢が悪い!」と叱るだけでは一過性の指導にしかなりません。よい姿勢を教え、地道に育てる心構えが教師には必要です。さらに、姿勢が崩れるということはその子の背景要因の氷山の一角に過ぎず、触覚、固有感覚、前庭感覚などその他様々なものが背景として考えられることを教師は知っておくべきだとお話しいただきました。
また、子どもの価値を引き出すことについての話では、ほめ方や言い方に捉われすぎにほめよう。大切なのは言い方よりタイミングである。さらに、大人が楽しそう、嬉しそうにすることで十分ご褒美になると教えていただきました。そして、「ほめて育てる」は実は入り口であり、ほめることの本来の目的は「ほめられなくても行動する子に育てる」ことであることを忘れてはいけないと再確認することができました。 川上康則先生セミナー 3
学級経営について、教室の「あたり前」は根気と継続でつくっていくものであり、「よいあたり前」をつくっていくことこそが学級経営である。そして、最高のクラス、最高の仲間づくりは最後の1日まで目指すことができ、「このクラスの一員であったことを誇りに」の気持ちをいつも演出していこうという担任としての姿勢を教わりました。
最後に、「うまくいかない」ことがある子どもの「価値」を高める教育こそが特別支援教育なのだと語ってくださいました。特別支援教育の考え方が通常学級に、さらに教育そのものに通ずる考え方なのだと学ばせていただきました。川上先生、本当にありがとうございました。 |
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