第5回は、11月16日13時〜15時です。講師は、インクルーシブ教育の専門家『野口晃菜先生』です。ぜひご参加ください。

【11/14小笠原豊先生1】子どもが夢中になる理科の授業

今回は、中部大学の准教授の小笠原豊先生を迎え、「子どもが夢中になる理科の授業」について語っていただきました。
すごい実験道具に驚き、素晴らしいスライドに感心し、そして先生の巧みな話術で参加者は大笑い。先生自身が楽しんで講演をされているなと感じました。「教える教師が楽しまないと、子どもたちは楽しくない。」授業の根本はこれだなと思いました。
理科の授業のネタをいっぱい紹介していただきました。このホームページでは、その一部を紹介します。
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【11/14小笠原豊先生2】単元をつらぬく概念獲得型の探究学習

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小笠原先生は、「単元の導入が大事!」「強い問題意識、達成欲求を抱かせる『仕掛け』を用意すること」が大切であると言われました。
【11/14小笠原豊先生3】からは、その具体例を紹介します。

【11/14小笠原豊先生3】小学3年生の「豆電球に明かりをつけよう」

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1 自作のピカチュウのおもちゃを提示(子どもたちは興味津々)
2 ピカチュおもちゃの操作の仕方を説明
その後、次のような展開で進める。
T:このピカチュウおもちゃを作りたい人!
C:(全員勢いよく手を挙げる)
T:どんな材料がいるのかな?
C:豆電球、導線、乾電池・・・
T:(豆電球、導線、乾電池を渡す)
T:さっそく作ってみましょう。ただし、話はしません。
子どもたちは、試行錯誤しながらやっているが、10分経っても20分経ってもつかない。「どうしてつかないのかな?ひょっとしたら、ここが悪いかな?」と疑問を持ち始める・・・・・。
※なぜつかないか、導線は金属の銅の部分を抜いてあるから。←このちょっとした工夫がよい授業になる。
★自作の「巨大電池」→『教材は大きければ大きいほどよい』
大きな箱から何が出るかと思ったら、自作の「巨大電池」。(会場はどよめきの声)ゴミ箱を利用して作ったとのこと。子どもたちはこの巨大電池を指差しながらわかったことを発表した。「ここはだめ」「ここはついた」というように細かいところまで説明して見せてくれたという。
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【11/14小笠原豊先生4】小学5年生「ふりこの動き」

小学生には単元を貫く知識獲得型の探究学習がよい!
その一例「ふりこの動き」である。
1.アンティークの掛け時計を見せ、1往復2秒の正確な振り子時計であることを説明。
2.本当に一往復2秒!? ストップウオッチで計る(代表者)
3.実際に測定する(全員で) 結果は1.9秒 →昔のだから壊れちゃった?(小芝居する)
4.「どうすると2秒になるのかな?」と発問する。
5.子どもたちは、身近な道具を使って試し実験する。
ペットボトル(おもりのかわり)、粘土、電池等、色々なものを用意しておく。
※ペットボトルは、水を入れるとおもりの代わりにもなり、重さも変えることができる
→しかし何をやっても成功しない、不十分さを実感させる
6.さらにゆさぶりをかける演示実験を行う。
 蓋付きのコーヒー缶で実験する。缶の重さもひもの長さも同じにする。そうすると、ふりこの動きは同じになるはずだが、同じにならない。(実は、コーヒー缶の中におもりが入っていて、ひとつは蓋におもりがつけてあり、もうひとつの方は底におもりをつけて、重心を変えてある)
7.「なぜ缶の重さも紐の長さも同じなのに、ちがう結果が出るのだろう?」と発問。
8.子どもは「正確に調べたい!!」という。
ここではじめて教科書に載っている実験道具で実験する。
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【11/14小笠原豊先生5】その他、数々の探究学習レシピの紹介

このほか、「アポロ11号のミッションから自転車の反射鏡へ」「なぞの生命体(シダ植物)」、「この骨をならべなさい」「釣り名人になろう」「ダースベーダーをやっつけろ」「気体缶A〜Hの秘密」「胎児の血液循環の不思議」「階段の電灯」「マウスの毛の色」「江戸城の石垣」などの授業を紹介された。
小笠原先生の最後の一言:「子どもに感動を与えてやれる教員になってほしい」

あっという間の2時間でした。小笠原先生から元気をいただきました。
参加者の声をまとめました。ここをクリックするとアンケート結果を見ることができます。
小笠原先生、ありがとうございました。
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野口芳宏先生セミナー1

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第一部 国語学力形成法を物語文「やまなし」の模擬授業を通して

第一部は、昭和46年に初めて光村図書が取り上げた「やまなし」を通して、国語学力形成法を講義いただきました。

まず、「5月」を先生の朗読の元、ポイントとなる単語や文に着目しながら読み進めていきました。

野口芳宏先生セミナー2

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ノートに書かせるのが私の特徴。手を挙げさせて「はいはい」というのはうるさいだけ、考えの妨げになる。
また、わかった人が手を挙げるのはだめ、手を挙げることがいると挙げない子は安心する。
一人残らず授業に集中する、それが大事。

読解していく中で、先生の授業の手法も学ぶことができました。

野口芳宏先生セミナー3

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「やまなし」は、イメージを的確に描かせることが大切。
文学の世界を味わうには、大きくは内容の世界と形式の世界がある。
「何が書いてあるのか」が内容、「どう書くのか」が形式。

文学作品は、内容美と形式美。この調和のとれた作品が完成度の高い作品。名作だ。

野口芳宏先生セミナー4

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内容美には3つある。
 1「理」 理屈・指導・観念・哲学:知的な価値だ。これを理解することは非常に大事。人はいかに生きるかをテーマにしたり、人生楽しんだりなど。
 2「相」 姿・形・イメージ:どんなイメージで伝えるか。様子。時、所、年齢、性別、衣など。装
 3「情」 感情:理屈がわかってイメージがわかると、感情がわかってくる。
 内容美は、この3つで内容が構成されている。
 理がわかり、適切なイメージで描かれ、適切な感情が描ける。

野口芳宏先生セミナー5

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形式美にも3つある。見事な作品は形式美がある。 
 1「体」構造:起承転結、序破急。導入・展開・山場など。
 2「律」リズム:五言絶句、五七五、七七、韻など
 3「語」言葉の適切さ
これらが総合してすごい作品となる。

野口芳宏先生セミナー6

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12月は黙読をすることから始まりました。

黙読の大切なこと、線を引いたり書き込みをしたりする「アクティブラーニング」
子供の読みには、「不備、不足、不十分」、これを「三不」という。三不がなければ教える必要がない。三不は、子供の力の抵抗と、限界。こう説明してきた。子供の力の抵抗と限界を、良いレベルに導くのが教育。
そこで、17に当たるものを「教師の読みの理想」と呼ぶことにしている。教師が、読みの理想を持てたときに、誤答が見つける。

野口芳宏先生セミナー7

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患者の「不備・不足・不十分」を知るために、医者が探るのが病因。そのためにレントゲンなどの検査をする。子供の「不備・不足・不十分」をわかるようにするのが発問。
子供の不備・不足・不十分は潜っている。見えないものを顕在化する。それが発問だ。
読みの理想を作るのを、「素材研究」といっている。
教材研究は、教師面の研究。教えるつもりでやっている。私の勉強会では、「いきなり教材研究はするな」。まず、一人の大人として作品として向き合え。だから、素材研究。素材がわかったら、教員として「教材研究」に移る。そして、授業者として「指導法研究」をする。3段階だ。

野口芳宏先生セミナー8

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「12月」
半年経っている。
1段落と2段落の関係は?
描写の手法。これは教えられなきゃ気が付かない。
1はまとめた述べ方。「括叙」:抽象的
2は細かな述べ方。 「細叙」:具体的  イメージできる。

適切なイメージを持つには文学には重要。不備・不足・不十分を指摘しないと、間違ったイメージのままでいることになる。
絵本では子供のくるぶしの深さ。だから月光も届く。
小さい蟹の世界だが、思想は大きい。小さいものを題材に、賢治の思想の大きさがある。今日はそこまで行きたい。

野口芳宏先生セミナー9

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「やまなし」をざっと読んだ。部分をたどったが、結局、これで何が言いたいのか。5月と12月。題名はなぜ「やまなし」か?かわせみは5月には出てこない。

2枚の幻灯が終わった後で、賢治は何も言っていない。
いろんな人の解説を読んで、「やまなし」と言う題は平和のシンボル。「かわせみ」は殺戮。
全体としては、ハッピーエンド。温かい平和な世界を志向している。5月に思いがけない殺戮がある。12月に実り豊かな命がある。そういうなかで、結局は、いいことがあることを忘れずに生きていこうよというメッセージ。

「やまなし」は40年という歴史を刻んだ。まず、光村からはずれない。これからも絶対残る。だんだんわかっていきたい。扉を開けきって来ないままに12時になった。これからも光を求めていってほしい。


野口芳宏先生セミナー10

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第二部は会員による発表 小学校6年生道徳「銀のしょく台」でした。

ジャン=バルジャンを許すべきだったのか・・ということを子どもたちに考えさせ、ゆさぶる授業を野口先生に授業のビデオを見てもらいながら、ご講評いただきました。


野口芳宏先生セミナー11

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第三部は、道徳の新しい方向についてでした。
「特別の教科としての道徳」としての答申をもとにお話しいただきました。

答えが一つではない道徳的課題を一人一人の生徒が自分自身の問題と考え、考える道徳。議論する道徳。それではいけない。一つの考え方を教師が示さなければ。

考える道徳ではなく、受容する道徳のほうがいい。
本も静かに読んで、疑うことなく受け入れることがいい。


野口芳宏先生セミナー12

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感謝という教育はとても大切。
感謝のないところに幸福はない。
同窓会も自分が元気でなければこれない。家族もまあまあ元気でなければこれない。お金に余裕もないとだめだ。過去に好意を持っていないと来たくもない。ここに集まれたのは4つの要因がある。それらに感謝しなければならない。

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