第5回は、11月16日13時〜15時です。講師は、インクルーシブ教育の専門家『野口晃菜先生』です。ぜひご参加ください。

【1/10 秋田喜代美先生1】

 東京大学教育学研究科教授の秋田喜代美先生にご登壇いただきました。
 今回は「子どもがつながる授業、質の高い学びのある授業をめざして」という演題でご講演され、子どもがどういう大人になるかを見据え、幸せでより良く生きるための方法を考えるということ、そのためにどうするかをパワーポイントや実際の授業映像を使って語っていただきました。
 秋田先生がご自身の目で見られた実践を熱く語ってくださり、教師がどのように子どもとつながっていくかを深く考えさせられる、とても学びのあるセミナーとなりました。その内容を紹介します。
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【1/10 秋田喜代美先生2】

 まず、「質」の高い学びについて話されました。
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 子どもの経験から考えると教育の質には二つの次元がある。
・「安心・居場所感でつながっている」次元
・「文化的価値ある対象に夢中になれる」次元
 そのために、様々な授業方法を持ち、目の前の子どもに合わせて、もっともよい授業方法をとることが大事である。そして、質の高い学びのための保障が必要である。
 それは、
1 参加の保障
2 対話の保障
3 共有の保障
4 多様性の保障
5 探究の保障
 である。この五つを継続的に行うことでさらに学習が深まっていく。
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【1/10 秋田喜代美先生3】

 次に、具体的な授業デザインについて話されました。
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 質を深めるための手立てとして
1 誰もが参加し良さを認め合う
2 学びを深め創り出す
3 思考や理解を吟味する
 ということがある。
 さらには、いい教師や上司は「待つ・聞く」ことが必要であり、子どもがゆっくりと他の子どもの発言を聞き考えたいときに、子どもの様子を観ずに、話も聞かずに教師が話をし続けてはいけない。教師も、子どもを待って観る間が大事である。例えば、落ち着いている教室には「あいづち、自然な拍手、つぶやき、相手を見ながらの言い方や聞き方」などの特徴がはっきりと見られる。

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【1/10 秋田喜代美先生4】

 そして、「どの学年でも挑戦のある学び」をしてほしいということで、そのための「課題」の一例を紹介されました。
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 ほとんどの子が夢中になっていても、一部の子どもがうまく課題に取り組むことができていないことがある。常にすべての子どもが満足することは難しいが、その中からも得ることがある。失敗して立ち止まったとしても、そこから、さらに学ばせることでさらなる成功につながることもある。
 そのために、「課題」を工夫し、手立てを考えていくことが必要である。しかし、東京大学付属中学校でも協働学習を10年取り組んでいるが、今でも不安を抱えながらやっている。必要なのは、その不安の中身を明らかにしながら、良さを考え、授業に取り入れていくことが大切である。

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【1/10 秋田喜代美先生5】

 最後に、授業を良くしていくための「学校間や教師の意識の高まり」の大切さをお話しされました。一人でできることは限られているかもしれないが、多くの人と協力し、より良い授業を作り上げていこうという意識を高めることで、次第に良いものが全国に広がっていく。それができる日本の教育界の素晴らしさを強調されました。
 秋田先生の講義を聞いた教師が、これまでの自分の授業を見つめ直し、より良い未来を築くことができるのではないか、そんな事が思える、学びの多いセミナーでした。
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