最新更新日:2024/06/28 | |
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3月7日(火) 卒業式・式辞(抜粋)一宮市立北方中学校、第七十六回卒業生、九十六名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。 卒業生の皆さん、卒業という節目に北方中学校での三年間を振り返ってみてください。 みなさんが入学する直前の三月、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて一斉休校が始まりました。そんな嵐の中、中学校生活がスタートしました。再開後の学校生活にも様々な制限がかかりました。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が繰り返し発令され、正解がない道のりの連続でした。どうすれば学校が前に進んでいけるのか、大人の私たちでさえ、対策を立ててはうまくいかず、打ちひしがれる日々でした。しかし、そんな状況でも、元気と明るさを失わず、笑顔で登校してきてくれました。 二年生の若狭湾宿泊学習。約半年時期を遅らせ寒くなりかけた十一月に実施しました。カッター漕艇ではクラスの仲間と力を合わせて一生懸命櫂(かい)を漕ぎました。 修学旅行。今年度初めて訪れる伊豆の今井浜で、ガラス細工、アジの開き、魚釣りの体験を行いました。あいさつがしっかりでき、てきぱき行動するみなさんの姿を見て、今井浜の方からお褒めのお言葉をいただきました。そして、二年ぶりの夢の国・東京ディズニーランド。時間は短かったものの、級友とアトラクションに乗り、大いにはしゃぎました。 体育祭。男女でダンスを踊りました。その完成度は年々上がっています。北方中の良き伝統になりつつあります。本番、男子も女子も楽しそうにダンスを踊る姿は、後輩たちに行事を楽しむことの大切さを教えてくれました。 歌声コンクール。今年も全校で聞き合うことはかないませんでした。しかし、各クラスの個性あふれるすばらしい歌声を屋内運動場に響き渡らせました。マスクをつけて、間隔をとった並びでの制約だらけの合唱でしたが、自分たちができる最高の合唱を目指して日々努力してくれました。 ここで、卒業の餞(はなむけ)にかえて、二つのことをお話しします。 一つは「人や社会の役に立つようになる」ということです。 将来「何のために仕事をするのですか」と尋ねられたらどう答えますか。たいていの場合「お給料をもらって生活を安定させるため」という答えが返ってきます。確かに生活の糧を得て家族が安定して暮らせるようにすることは大切なことです。 しかし、どんなにお金があっても、社会の中で独りよがりでひとりぼっちであったり、家族が孤立したりしていたのでは、本当の意味で幸せとは言えないのかもしれません。 人は一人では生きられなくて、他の人や社会とつながり合って生きています。学級活動や部活動を通して、仲間とつながることの大切さは皆さんが一番よく分かっていることと思います。 そんな意味で仕事を通して「人や社会の役に立つようになること」を目指してほしいと思います。人や社会の役に立ったと実感したとき、きっとお金に換えられない喜びや幸せが感じられると思います。 さて、もう一つは「学び続ける」ということです。 現在のように変化の激しい社会では、学校で身につけた、学習の方法や考え方は生かせますが、知識は必ずしも生かせるとは限りません。それは知識基盤社会といわれる現代において、日々、新しい知識や技術が生み出されているからです。 ですから、むしろ社会に出てからの毎日の勉強が大切です。勉強といっても、学校のように決められた教科や教科書が与えられるわけではありません。社会に出てからの学びは、その時その時の自分にとって必要な知識や考えに気づき、学び方を自分で探し、自ら学んでいくことなのだと思います。 何か情報を得たり、問題がおこったりしたときに、「なぜそうなんだろう。どんな背景があるのだろう。自分はどうすべきだろう」と考えることが大切だと思っています。興味や関心を持つことこそ、いつも「学び続けること」のきっかけになると考えるからです。 皆さんは、人やものや事柄を素直に受け止めて、本気で取り組むことができます。「役に立つこと」と「学び続けること」の実践を通して、信頼される立派な社会人に成長してくれることを期待しています。 |
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