20代からの教師修業 出会いと挑戦 −5−福山先生の修行の対象は、保護者へ、そして自分自身へと拡がります。 まずは保護者と繋がります。 「ともに育てる教育カード」をくばり、どんな些細なことでいいから教えてほしいと依頼した。 書いてもらうコツは、毎日保護者以上の文量の返事を書くこと。これがたくさんの親が協力してくれる秘密だ。 親は忙しいのに書いてくれたのだから、「ありがとう」の気持ちを伝えなければいけない。 まずは母親。次第に、父親もそのうち書いてくれるようになる。父親は、子供とは全然関係ない趣味が書いてあったりする。(笑) 父親と繋がれる。参観日に来てくれる。母親だけじゃいけない。共に育てるから共育という。 次に、自分自身を高めるために、ボランティア活動を始めます。 点字で一冊の教科書を作ると1年間かかる。 地道な作業だが、でもそれを待っている子供や親がいる。 その子の親の気持ちになってほしい。 そのためには、ボランティアをすることだ。ボランティアを続けることは、教師としての新しい目(芽)を開かせてくれる。 ボランティアとの出会いが、障害児学級の担任へと繋がります。 49歳の時、特別支援学級の6人クラスを担当されました。 自閉症、アスペルガーなど、授業に集中できない彼らが1週間で素敵な絵がかけるようになりました。 なぜでしょうか? 子供は、認められることを待っている。見てほめることを「認められる」という。 「歩き方かっこいい」「えんぴつの持ち方素敵」「消しゴムの使い方最高」・・・ 言葉はたくさんある! 福山先生は、ほめて育てていきます。 すばらしいのが、5分のモジュールで次々に指導をしていくことです。5分したらやめ、「もっとやりたい」という思いを残して次の教科へ移ります。 音読の途中でも「よくやったねえ」と褒め、続きをやらせません。 ただ、「その他」の5分で、自分のしたいことができるのです。 子供の見えない所が見えてきます。自分で選べることが、特別支援の子にはいいのです。 集中力が持続できない障害のある子の特性に合った指導です。 シャボン玉の歌を歌いました。 「シャボン玉ってこれでいいの?シャボン玉ってカタカナ?とんだって漢字?」 「作曲した野口さんっていつの生まれ?」 わからないときは、原点に戻れ。教師は、子供に教えるためには調べるべきだ。 わからないことは、親子自学として、親子で一緒に調べます。 一緒に調べてくれたおばあちゃんに先生から手紙を出しました。それが、新たな出会いを生んだのです。 福山先生の世界は、こうして次々に拡がっていくのです。 |
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