20代からの教師修業 出会いと挑戦 −4−福山先生の教師修行が始まりました。 福山先生は、毎日の指導案を、赤で修正をしていました。 振り返ることが大切だ。振り返るとは何か? 子供を見ることだ。 圧巻なのは「守破離」(学級通信) 土井先生の「一人ひとりの記録を残せ」のアドバイスに従ったのです。 毎日全員の名前を書き、ひとりの子につき3行良いところを毎日書いた。 初年度は1週間に1回、2年目は3日に1回、3年目以降は毎日書けるようになったそうです。 学級通信は、年間900号になります。 たしかに、見る目が育ってくるでしょう。 私は、囲碁、将棋をやる。囲碁、将棋も記録の世界だ。学級通信で、子供を記録できるようになると、出会いが増える。 修行の対象が、子供との出会いから、教材との出会いに拡がっていきます。 子供のことを知るためにはこどもの目線に立つべきだ。 「半紙ってなぜ半紙っていうの??」 「なぜ黒板っていうの?」 「やつ手っていうけど8つじゃないよ!なんで??」 身の回りにはいっぱい勉強しようと思ったらできるものがある。それをノートに書いていく。 まさに、有田和正先生の世界です。 「ナナホシテントウムシの背中はどんな模様になってる?ノートに書いてみよう」 「蝶の幼虫は足が16本あるよ。成虫は6本しかないはずなのに、なぜ?」 「阿蘇山という名の山はない。熊本の人達は知らない。」 福山先生は、“童心に還れ”と言いました。 童心とは、「わからないものをわからない」という素直な心です。 童心が、同心になり、動心となって、最後に憧心となるのです。 先生たるもの、憧れの存在になるべきなのです。 “無知の知”といいます。 「知らないから勉強して子供に伝えるのだ」という土井先生のことばが、福山先生を動かしているのでした。 福山先生の教師修行は続きます。 |
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