最新更新日:2024/05/29 | |
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ちょっといい話
乳がんの恐ろしさ
親友のMとは幼稚園からの長い付き合いです。何か悩んでいる時、いつでも私が最初に相談するのはMでした。Mの1番の相談相手も私だったと思います。私が相談した時、いつでもMは「大丈夫だよ」と言ってくれました。Mのその言葉でいつも私は安心出来ました。 Mと部屋で話をしていた時でした。Mは「実は来月入院することになったの」と言い出しました。驚く私にまるで他人事みたいに「乳ガンになっちゃった」と続けました。「初期だから全然大丈夫だよ」と笑って言うMの言葉を信じるしかありませんでした。Mは入院して手術を受けました。私はMの負担にならないように、できるだけお見舞いに行きました。病室での彼女はそれまでと変わらない笑顔でした。しかし病魔は、Mの体を蝕んでいたのです。手術が終わって退院予定日になってもMは退院出来ませんでした。「ちょっと延びただけだから大丈夫」とMは、笑っていたけれど衰弱しているのは明らかでした。 Mはそのまま退院することなく天国へ旅立ってしまいました。最後に会った日、弱弱しく私の手を握りながら「大丈夫」とMは言いました。でも、その目には涙が光っていました。私が初めてみたMの涙でした。 Mがいなくなってしまった今、何か悩んだ時は空を見上げるようになりました。「大丈夫」と言うとMの笑顔が浮かんで頑張れる気がするから……。 |
犬山市立城東中学校
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