最新更新日:2024/06/13 | |
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ちょっといい話 6月30日(木)
泣ける話ちゃんねる
双六 オレは小さい頃、家の事情でばあちゃんに預けられていた。当初、見知らぬ土地に来て間もなく、当然友達もいない。いつしかオレはノートに、自分が考えた双六を書くのに夢中になっていた。それをばあちゃんに見せては、「ここでモンスターが出るんだよ」、「ここに止まったら3回休み〜」、ばあちゃんはニコニコしながら、「ほうそうかい、そいつはすごいねぇ」と相づちを打ってくれる。それが何故かすごく嬉しくて、何冊も何冊も書いていた。やがてオレにも友達ができ、そんなこともせず、友達と遊びまくってた頃、家の事情も解消され、自分の家に戻った。ばあちゃんは別れる時もニコニコしていて、「おとうさん、おかあさんと一緒に暮らせるようになってよかったねぇ」と喜んでくれた。 先日、そのばあちゃんが死んだ。89歳の大往生だった。遺品を整理していた母から、「あんたに」と一冊のノートをもらった。開いてみると、そこには、ばあちゃんが作った双六が書いてあった。モンスターの絵らしきものが書かれていたり、何故かぬらりひょんとか妖怪も混じっていたり……。「ばあちゃん、よく作ったな」とちょっと苦笑していた。 最後のあがりのページを見た。「あがり」と達筆な字で書かれていた、その下に「義弘(オレ)くんに友達がいっぱいできますように……」。人前で、親の前で号泣したのはあれが初めてでした。 ばあちゃん、死に目に会えなくてごめんよ。そしてありがとう。 |
犬山市立楽田小学校
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