第1回は、5月11日10時〜12時です。講師は『田中博史先生』です。田中先生は算数科教育の第一人者です。算数の授業を通して、学級経営や子どもとの接し方を学びます。ふるってご参加ください。

第5回(通算149回)森本隆史先生 対面セミナー

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令和5年度第5回教師力アップセミナーを11月12日(日)に行いました。対面セミナーでした。
 今回の講師は、常に子どもの目線に立ち、温かい授業を創られている筑波大学附属小学校教諭の森本隆史先生をお招きしました。演題の『子どもと創る算数授業〜見せ方と問い方を変える〜』をもとに、森本先生の実践も交えて講演をしていただきました。その内容の一部を紹介させていただきます。

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〇算数授業で大切にしたいこと。
 算数授業で大切にしたいことは、『教師が子どもから引き出す』こと。

〇何を引き出すのか。
 「やる気」や「表現」、「分からなさ」、「迷う場面」、「本気さ」、「かかわり合い」、「感動」、「やさしさ」、そして「笑顔」。 中でも、一回の授業で一回は子どもの「笑顔」を引き出したい。

〇そのために、教師は何ができるのだろうか。
 判断をする場面は、「授業前」と「授業中」の二つに分けられる。

●「授業前」の判断について。
 「授業前」の判断で大切なのは、【見せ方】と【問い方】を考えること。しかし、教師の独りよがりになってしまってはいけない。その見せ方をすると子どもにはどう見えるか、その問い方をすると子どもはどう考えるのか、というように、子どもを中心に考えなければならない。子ども達の状況や教材を考えて、問題をどう出すか【見せ方】、どんな発問をするか【問い方】を計画したい。

≪3つのポイント≫
 1 教科書をしっかりと見る。
 2 子どもの「見え方」や「文脈」について考える。
 3 授業技術を1つでも増やす。

⇒ 教師が少しずつでも変わっていくと、子どもも変わっていく。

●「授業中」の判断について。
 「授業中」の判断で大切なのは、【言葉をかける対象】を考えること。何気なく使っている言葉が、『子どもから引き出す』ことを阻害している。例えば、「分かった?」「できた?」という言葉かけに反応できるのは、「分かっている」子どものみ。これでは「分かっていない」子どもは反応することができない。その結果、分かっている子どもだけで授業が進んでしまう。「分かっている」子どもではなく、「分かるときと、分からないときがある」子どもを対象に言葉かけの内容の判断をしたい。

≪言葉かけの例≫
 ▲「わかった?」(分かっている子どもが対象)
 ○「難しかった?」(分かっていない子どもも対象)

(子どもが解法を説明した場面)
 ▲「〇〇さんが言ったこと分かった人?」(分かっている子どもが対象)
 ○「今の〇〇さんの発表どうだった?」(分かっていない子どもも対象)

(子どもが根拠を示しながら解法を説明した場面)
 ▲「そうですね。」「その通りです。」(分かっている子どもが対象)
 ○「(その根拠は)どこのこと?」「(その根拠は)どこを見たら分かるの?」(分かっていない子どもも対象)

…など。

⇒ 無意識のうちに、分かっている子どもを対象にした言葉かけをしてしまっている。子どもが困っていそうなことを教師が代弁してあげるなど、困っている子どもがいる前提で授業を進めることが大切。

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 私はつい、「分かった?」「できた?」「いいですか?」と声をかけてしまいます。無意識のうちに、「教師が創る」算数授業にしてしまっていたのかもしれません。『子どもたちはどう感じるのか』『困っている子どもを大切に』『子どもたちが広げる』など、子どもを中心に「子どもと創る」算数授業を目指して、日々、授業改善に努めたいと思います。

 森本先生、ありがとうございました。
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