第1回は、5月11日10時〜12時です。講師は『田中博史先生』です。田中先生は算数科教育の第一人者です。算数の授業を通して、学級経営や子どもとの接し方を学びます。ふるってご参加ください。

【青山新吾先生セミナー12】質問

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(質問)
「特別支援学級と通常学級のどちらに入れたらよいのか,迷っている子がいるのだが,学力だけで特別支援学級に入れたらよいのか,集団の中で学ぶことが必要なのではないかと考えてしまう。特別支援学級って何なのか。」

(青山先生)
「地域や学校差があるが,将来のことを考えて,適切な場所にいれてやる必要がある。先までみこして,この子にどのような教育を与えたらよいのか保護者も含め,イメージすることが大切。」

【青山新吾先生セミナー11】特別支援教育の授業技術10の原則

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原則1 : 授業展開の見通しを明確にし,安定した授業をしよう。
原則2 : 1時間を1つの単位とした授業構成とオムニバス形式による授業構成を使い分けよう
原則3 : 1時間の授業の中に,必ず全員参加できる場面をつくろう
原則4 : 見ただけでわかりやすい状況をつくろう
原則5 : 子どもの「特性」を理解して授業を構成しよう
原則6 : 支援レベルの違いを意識して授業を構成しよう
原則7 : 教師と子どもの人間関係を基盤にした授業をしよう
原則8 : 安定した集団を基盤とした授業をしよう
原則9 : 支援を要する子どもの周りの子の感情にも配慮しよう
原則10 : お友達支援を活用した授業をしよう

 この中で、原則9「支援を要する子どもの周りの子の感情にも配慮しよう」は、支援を要する子どもの周囲に目を向ける重要性を指摘したものである。また、現在は原則10「お友達支援を活用した授業をしよう」を実践的に検討しているところである。

【青山新吾先生セミナー10】つぶやき法

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ある学校での例。C児がパズルをしている。C児は,パズルがうまくいかないと暴れて投げることがあると聞いた。ふと思いつき,少し近づいて、さも一人ごとのように,「パズルかぁ。パズルをイライラせず静かにできたらおりこうになるのかぁ。」とパズルのケースを見てつぶやいてみた。「どこに書いてあるの?」とC児が聞いてきた。「説明のここのところにさぁ」とケースを指して言ってみた。「ここ書いてあるの?」とまた聞いてきた。「イライラしてもパズルをなげないでね。いい子になれるよ。」と再度、説明の部分を指してみる。「ふ〜ん。」と言い,C児はパズルを投げなかった。
心理的な距離感に敏感なC児は,その距離を寄せてこられると,受け止められないのだと思う。そこで、何気なく,誰に言っているのでもなく,それとなしにつぶやくように話してみる。心理的な距離感を大切にしてのかかわりを試してみるのも効果がある。

【青山新吾先生セミナー9】白黒つけることだけが大切ではない

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< A君とB君がけんかをした場面 >
 A君がB君をたたいた。
 先生が「叩いたよね?」と聞くと,A君「うん。」といい自分がたたいたことを認めた。
 先生が,「B君に謝ろうか。」というと,A君は「なんで謝らないといけないの?あいつが先に悪いことを言った。」という。
 「いつ?」と聞くと,A君は,「去年言った。」と言う。

過去のことを持ち出して、認めないのである。事実は認めるけれど、謝る必要性を認めない。 
そこで、悪かった度合いを10段階で示して,どれくらい悪かったかなと聞いてみる。「4悪かった。」とA君が認めたならば,「じゃあ,4悪かった分だけ,謝るのが筋だよ。」とわかりやすく説明する。
物事を、「0か10」,「白か黒」といった二分法でとらえる子もいる。間がないのである。子どもにとってわかりにくい世界をわかりやすい世界にすることが大切。その結果として、相手に謝れれば「謝れたことはりっぱだね。」とほめてあげられる。

【青山新吾先生セミナー8】子どもとの関係を築くことの大切さ2

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「この子とこの話題なら話を続けられることって何ですか。」
一つでもつながりがあるかどうか。この問いに対して答えがたくさん出てきたら,その先生と子どもはうまくいっていることが多いと思う。逆にそんな風に見たことがなかったという人もいる。この子はこういった子だから,障害があるから・・と,決めつけた見方になってしまっていて、うまくいかないことが多い。
子どもが物事をどう見て,どう感じているかを知ることがとても大切。

【青山新吾先生セミナー7】子どもとの関係を築くことの大切さ1

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別の学校の話。男の子B児が教室で寝ころがっていた。前の年,担任が途中で変わったと聞いた。そのクラスは,騒ぐ人もいないけど,発言する人もいない雰囲気。支援の先生が入り、B児につきっきりの状態でいた。武道の有段者の若い男の先生で,すごく優しく声をかけていた。
私が,「B児は先生が達人って知っているの?」と聞くと,「知らないですよ。そんなこと言っていいのですか。」と答え,驚いていた。私は,これだけ毎日いっしょにいる先生と子どもの関係は何か。もっと先生と子供どもとの関係を結んだほうがいいと思い,「B児に先生の大事にしてきたことを伝えてもいいのでは?」と話した。
その後学校に訪れると,B児が支援の先生に「弟子入りした」と聞いた。大きく変わった様子はないが,先生に対して一目おいている感じだった。子どもが、誰かの話に耳を傾けようとする,そのような関係は重要だ。

【青山新吾先生セミナー6】特別支援教育の流れ

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特別支援教育が法的に位置づけられ,一人ひとりの個を大切にするということがより進められてきた。以前から個人では取り組んできたかもしれないが,国として進めることは大きい。しかし、個を大切にするということと,集団から個を切り離すこととは違うのではないかと思う。集団の中で個をどう見るかということが大切である。授業のユニバーサルデザイン化が言われるようになったのも、その代表的な動きだと思う。そして今後は、インクルーシブ教育体制に向けての動きになっていくだろう。

【青山新吾先生セミナー5】教師の団結がもたらしたもの

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子どもにとっての居場所。周りの子にとっても居場所がなければいけない。叱らなければいけないことも,トータル的には必ずある。担任だけが技術を磨けばいいものではない。「いろいろあるけど,あの子かわいいよね。」という思いが根幹にあるかどうかは大きい。
子どもの見方を広げることやチームの役割分担をすることは非常に意味がある。優しく指導する役。厳しく叱るときは叱る役など,役割分担が必要なのかもしれない。

【青山新吾先生セミナー4】教師の団結と成長していくA児

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2年生になり,担任が変わった。「学級開きに5分でいいからあの子を教室に入れてほしい。みんなでクラスを作っていくという話をしたい。」と担任に言われ,担任以外のチームで,いろいろな工夫をして入れようということになった。
一番怖いと言われていた先生がその子を教室に入れ,見守った。転校当初,「きちんと指導しないからそうなるんだ」と言って,厳しく指導していた先生だった。厳しい指導を入れた後に、その子が職員室の物を全部ほうり投げ,めちゃくちゃにしたことがあった。それを機に,厳しく指導するだけではだめだと,考えるようになった先生だった。
結果的に,学級開きの日に、自分の教室に1時間入ることができた。2年生の2学期頃には90%程度教室で過ごして勉強できた。
後で,その担任が,「どうしても厳しく指導しないといけないことがある。『先生なんか嫌いだ。』と言って出てくけど,他の先生が必ずフォローして連れてきてくれる安心感があった。」と言っていた。チームとはそうやって進めていくものだなと思った。まだ,特別支援の体制がとられる前の話だった。

【青山新吾先生セミナー3】転機

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その子に関して,会議を開いた。どの先生も,どうしようもない状況を語っていた。
そのような状況の中で、ある先生が,ふと「あの子コックになりたいって言っているよね。」と言った。給食が待ち遠しく,「俺コックになりたい。母ちゃんにおいしいもん食べさせたい。」と言っていたことがあったのだ。
そこで会議の流れが変わった。それまでは,「どうしようも手の打ちようがない」だったが,「もっとA児と向き合ってみよう」に変わったのだ。

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