若い先生への期待

昨日は、要請訪問の研究授業の参観に出かけてきました。

午前中は、若い先生方と一緒に校内の授業を参観しながら、授業を見る視点と簡単なアドバイスをしました。
感じたことは、一人ひとり授業に真剣に取り組んでいることと、その一方では、いろいろな悩みを抱えていることです。
目の前で起きている子どもたちの事実はわかっても、どうしていいかわからない苦しさを感じました。若い先生方は、こんな基本的なことを相談するわけにはいかないと思っているのかもしれません
「こういう方法もあるよ」というちょっとしたアドバイスにも、みなさん素直にうなずいてくれました。

自分は分かっているからと友だちの発言に関心を示さない子に対して、何もかも先生が説明するのではなく、分かっている子どもに説明させたらいいというアドバイスをしたところ、参加した中の一人から早速4時間目にやってみましたと報告を受けました。
まだ復習の場面ですがと言いながら、分からない子に2人の子が説明することで、分かってくれたとうれしそうに話してくれました。その明るい笑顔に私もとても幸せな気分になりました。すぐに試してみる行動力が、若い人の強さだと感じました。

研究授業は、新任と2年目の先生の授業でしたが、子どもたちとの基本的な関係ができていることを感じさせてくれるものでした。
授業後2人にこういうことができるようになってほしいことをいくつか話をし、最後に、明日からでもできそうなこと、やりたいことを聞かせてもらいました。
1人は、「Iメッセージでほめたい」、もう1人は「ほめる場面をつくって、ちょっとしたことでもほめてあげたい」と答えてくれました。
2人とも子どもとの基本的な関係をつくる「ほめること」を選んでくれたことをとてもうれしく思いました。また、一言も言わなかった「ほめる場面をつくる」ことを気づいたことに大変驚きました。「ほめる」ためには、「意図して」ほめる場面をつくることが大切です。これに気づけるのですから、間違いなく今後力をつけていくと思います。

若い先生は未熟な面が多いことは確かです。しかし、素直に伸びようとする気持ちがあれば、急速に進歩します。彼らにちょっとしたアドバイスや励ましの言葉をかけることでその進歩をより確実なものにすることができます。素直で行動力のある彼らが、この学校をより素晴らしい学校にする原動力になってくれるものと期待します。

子どもが見えるようになるということ

昨日は、3年目の先生の授業のアドバイスをおこないました。
学校訪問での授業研究のための音楽の検証授業です。

合唱をどのように工夫して歌うかを、子どもたちにグループで考えさせるという、この先生が今までやったことがない形にチャレンジしていました。
子どもたちはそれなりに話し合うのですが、1時間終わってみると音楽活動が少ない、国語の授業のようになってしまいました。

授業後いろいろ話をしながら、この授業をどう変えるかということを尋ねたところ、グループ活動の一部分をバッサリ切って、実際にグループで歌いながらどこに強弱をつけようか、どのように表現しようかと話し合わせるようにしたいとすぐに返事が返ってきました。自分の授業で起こっていることをしっかり見て把握していたので、修正の方向がすぐに打ち出せたのです。

自分の授業は自分で直接見ることはできません。子どもたちの様子からしか評価できません。この先生は授業中の子どもの様子をしっかり見ることができるようになり、子どもたちの様子から自分の授業を評価できるようになっていたのです。

特別な1時間の授業がよかった悪かったと指摘されて授業はうまくなるのではありません。毎日の授業をきちんと自身で評価し、自分の力で学ぶことが大切です。そのための条件の一つが、子どもが見えるようになることです。毎日子どもが見せる評価を受け止めることが、何より大切なのです。

この先生の成長を喜ぶとともに、次回授業を見せていただくのが本当に楽しみになりました。

子どもの姿に感動

昨年よりお手伝いさせていただいている学校の授業研究に参加しました。
若手の社会科の授業でしたが、子どもたちは素晴らしい姿を見せてくれました。

子どもたちはとても柔らかい表情で、1時間集中を切らさず授業に参加していました。話し合いや発表では常に教科書や資料集のどの部分を根拠としているかを明確にし、それを聞いた子どもは、全員すぐにその部分を確認していました。これはその日だけやろうとしてもできることではありません。日ごろからきちんと子どもたちを育てている証拠です。

圧巻は、2度目のグループでの話し合いの場面でした。2つ目の資料に対して、子どもに直感で「イエス」「ノー」を確認したころ大きくわかれました。これだけ育っている子どもたちです。それを受けての話し合いは当然すぐに活発なものになると予想されます。ところがほとんどのグループで話し合いが起こりません。みんな集中して教科書と資料集を真剣に調べているのです。直感ではなく根拠を持って話し合おうという姿勢の表れです。根拠を持つことが徹底されていると感じました。

この子どもたちの姿は、この先生一人が作り上げたものではありません。参観されていた先生も一人ひとりの子どもをしっかりと見ていて、授業検討会も子どもの固有名詞がたくさん出てくる充実したものです。学年や学校全体がこのような姿勢で取り組んでいるからこそ、子どもたちをが育っているのです。
とても素敵な子どもたちと先生方のおかげで、充実した時間を過ごさせていただきました。

子どもをつなげるために

昨日訪問した学校で、ある先生から国語の授業の相談を受けました。
授業研究のテーマが「つなぐ」ということなのですが、子ども同士をどうやってつなごうかという相談でした。

この先生は、「子どもが友だちの発言を受けて、自分の考えをつなげていく」ことが受け持っている子どもたちには難しいと感じていたようです。そこで、子ども同士のつながりは教師がつないでいくことから始めればよいことをお話しさせていただきました。

例えば、主人公の気持ちを読み取るという課題であれば、子どもに本文のどこでそう思ったかを聞きます。根拠を本文に求めることで、子どもと教材をつなぐのです。
このあと、子どもの根拠と子どもの意見で子ども同士をつなぎます。

「Aさんはこの表現から、○○と考えたんだけど、同じところに注目した人いる」
「じゃあBさんは、この表現からどう考えたか聞かせてくれる」
「○○です」
「Aさんどう思う」
「わたしと似ている」
「Cさんはどう考えた」
「○○です」
「この意見はどうかな」
「Aさん、Bさんとはちょっと違うね」
「では、Cさんと同じ意見の人はいるかな。注目した表現は違ってもいいよ」
「Dさんの考えを言ってくれるかな」
「○○です」
「なるほどCさんの意見と同じだね。どこの表現からそう考えたの」
「○○という表現です」

このように、根拠とその意見次々につなぐことで、自然に子ども同士がつながっていきます。こういう形でつながることを経験していくと、この先生が望むような「友だちの意見につなげて自分の意見を言う」子どもが育っていくと思います。

授業研究参観

昨日は、学びの共同体のスーパバイザーをされている先生のアドバイスの様子を勉強させていただきました。

何度か見学をさせていただいている学校でしたので、どのようなアドバイスになるか大変興味を持って参加しました。
授業研究以外にも2時間校内を見学させていただきましたが、どの教室も落ち着いた雰囲気でした。
検討会では、先生方のグループでの話し合いの様子から、人間関係がとてもよい学校だと感じました。
スーパーバイザーの先生のアドバイスは、授業中にご自分で撮ったビデオを見せながらのもので、事実をもとにした説得力のあるものでした。
校内見学についてのコメントは、基本的なことに絞って列挙されました。おそらく、これを全部やれということではなく、まずこの中から納得できるものから手をつけてくださいというメッセージだと思います。
久しぶりにお会いして勉強させていただくとともに、楽しい時間を過ごさせていただきました。

授業研究に参加

昨日は、授業研究に参加してきました。

3・4時間目に学校全体の様子を見ました。3時間目の授業を見た時、何か違うと感じました。4月に見た時と比べて子どもの集中力が落ちているのです。ところが4時間目はさほどではありません。最後に見た学級では、集中できていない場面から、教師の働きかけで一気に子どもがすごい集中力を発揮する場面を見せてくれました。
どうやら子どもたちの集中力がなくなったのではなく、授業の場面によって集中するしないがはっきりするようになってきたようです。
具体的には、教師の話が続くような受け身の場面では集中力が極端に落ちていきます。そのかわり、課題に対して自分たちが考えたり活動する場面では、素晴らしい集中力を発揮もします。授業に対する評価をその態度で表明していると言ってよいのかもしれません。

授業研究での協議会では、子どもの固有名詞がたくさん出てくる、子どもの事実に基づく話し合いで、大変勉強になりました。その際、この学校の子どもたちの特性として、「具体的な結果が出ないとすぐにやる気をなくしてしまう」ということが話題になりました。

何をやるべきかを具体的にする。
(すぐには結果はでないので)ゴールまでの時間を意識させる。
(中間目標を設定して、「あとどれだけ」ではなく、「ここまできた」と)できたことを評価する。

このような話をさせていただきました。

学校訪問参観

昨日は学校訪問の公開授業、授業研究を終日参観させていただきました。
この学校に関わらせていただいて1年が立ちます。自分の目で見た子どもたちの様子の変化を、訪問された指導主事の皆さんがどのように評価されるか大変楽しみでした。

昨年に引き続き訪問された指導主事の方は、気になっていた学年の子どもたちの雰囲気がとてもよくなっていると喜んでおられました。
また、教師のかかわり方はどうあるべきかを知り合いの指導主事と子どもたちの姿をもとにお話しする機会があり、大変勉強になりました。

授業研究は、子どもたちの授業に集中している姿、友だちとかかわり合いながら活動する姿などが随所に見られました。先生方の日ごろの子どもたちへの指導の素晴らしさを示すものです。

指導主事の講評でも先生方の頑張りと子どもたちの進歩を評価され、私もとても幸せな気持ちになれた1日でした。

読売教師力アップセミナー打ち合わせ

昨晩は読売教師力アップセミナーの模擬授業予定者を交えての打ち合わせでした。
今回のテーマ「キャリア教育」をどう授業として実現するかについて、意見の交換を中心に話し合いました。

そもそもキャリア教育って子どもがどうなればいいの?
授業の最後に子どもが何と言えばいいのか?
・・・

まさに、授業がいかにしてつくられるかという上質のドキュメンタリーを見ているようでした。この部分を当日のパネルディスカッションで再現できるよう頑張りたいと思います。

さすがは授業名人

昨日は3名の授業名人の授業を参観させていただきました。そのうちお二方は、若手が作った指導案での授業という制約の中でのものでした。

内容的に盛りだくさんだった指導案に対しては、子どもとのやり取りと教えるところをきちんと整理されて時間内できちんと内容を押さえられていました。

子どもとのやり取りを大切にされた授業では、子どもからの発言をしっかり受け止め、必ずポジティブな評価を返されていました。印象的だったのは、演示を見るために生徒が集まったときのことです。前列の生徒が後ろに気遣って自主的にしゃがみました。そこですかさず「かしこいね」とほめられたのです。こういった他者への気配りに対してほめることは、生活指導面でとてもよい影響を及ぼします。授業で生活指導をするということをいたるところで具現化されていた授業でした。

最後に見せていただいた授業は、子どもに自己評価を意識させ、集中して取り組ませる素晴らしいものでした。技術系の授業で互いにかかわりながら学ぶとはどういうことかを学ばせていただきました。

このような機会を与えていただいた学校にも本当に感謝です。

授業名人とお会いする

昨日は、理科と数学の授業を参観してきました。その授業のアドバイスにいらっしゃった理科、数学の授業名人とお話をする機会を得ました。
さすがと感じたのは、子どもの様子やつぶやきをきちんと聞きとり、どう生かせばよいかを素早く判断されていたことです。指導技術や教科知識も大切ですが、子どもを見る力が素晴らしいことが、授業名人の授業名人たるゆえんでしょう。
明日は、お二人が同じ指導案をもとに師範授業をされます。どのような授業を見せていただけるのかとても楽しみです。

参加者が幸せな気持ちになる会

先週末は学校評議員をしてる学校区の青少年健全育成会議に参加しました。

地区の代表や関係者の大人が集まって情報交換の会議をするよくあるものから、体育館で子どもたちを交えたイベントに変わって2年目です。昨年は形式的な発表や表彰を来賓として眺めているだけで、子どもたちの健全育成にどうつながるか疑問を感じたまま時間が過ぎていきました。
今年は、子どもたち全員が参加した大人と触れ合うような企画があり、また、生徒会からの発表も、自分たちの足で役所や施設を訪問し、子どもたちの視線での健全育成像を示してくれるものでした。
触れ合いの時間では子どもも大人も本当によい笑顔を見せてくれました。会が終わった後の参加した大人たちの表情が温かいものに変わっていたことがとても印象的でした。きっと私もよい表情をしていたことでしょう。

今回の企画は健全育成に関わっている地域の方の提案が発端だったようです。参加者の目線で考えられた企画とその思いを学校がしっかりと受け止めたことが、参加者が幸せな気持ちになる会をつくりあげたのだと思います。

この地区での新しい健全育成のありかたを作っていく第一歩が踏み出された瞬間に立ち会えたのだと思います。

書籍の打ち合わせ

昨日は東京に出かけていました。School55.netで連載中のコラムをブックレットとして出版するための打ち合わせです。
私の文章力のなさを素敵なイラストとレイアウトでカバーしてくれている編集担当の方とも久しぶりにお会いできて、楽しい時間を過ごせました。
多くの方の助けで1年間続けてこられましたが、ブックレットとしてまとまった形にできることなり改めて感謝しています。
詳細が決まりましたら報告させていただきます。

授業を語るということ

昨日は中学校での授業研究に参加していきました。

小グループに分かれての授業検討は初の試みということを聞き、どのような話し合いになるか大変興味深く見させていただきました。中学校では教科性が強いので、他の教科の方はなかなか意見が言いにくいのですが、みなさん積極的に気づいたことを話しておられました。「この場面は自分教科だったらどうすればよいのか」と他人事ではなく自分の問題として真剣に考える姿も見られ、よい学びにつながったと感じました。グループでの検討内容の発表では、みなさん本当に真剣に他のグループの発表を聞いていました。今後授業研究を通じて先生方の授業がどのように進化していくかとても楽しみです。

教師と子どもが接する時間の大半は授業です。また子どもにとっても友だちと共通の時間を最も過ごす場面です。その授業のことを語り合うということは、教師と子ども、子ども同士の接し方を考えることであり、学級経営や生徒指導にもつながることです。

先生方が雑務に追われることなく、授業について語り合う時間をたくさん共有できるようになって欲しいと思います。

指導案をみんなで考える

昨日は、授業参観と指導案の説明会に参加しました。
研究授業当日の授業を見る観点を参加者全員で事前に共有する会でしたが、指導案の原案作成にあたっては、授業者だけでなく教科全体で作った授業であるという意識が感じられ、教科全体で検討されていることが良くわかりました。
ベテランと若手が一つの授業について意見を出し合い作り上げることは、これから新人が増えてくる学校現場にとって、大切なことだと思います。
ベテランの持つ経験と若い人の感性が混ざり合い、よりよい学校文化を作りだしてくれることと思います。
本番の授業が楽しみです。

子どもの事実を受け止めての指導

昨日訪問した学校では一番驚いたのは、3年生の表情が以前と比べてとてもよくなっていることでした。昨年が悪かったというわけではないのですが、少し気なる子どもがいたことも事実です。ところが、その子たちがどこにいるのか、教室を回ってもわかりませんでした。他の子と同じようによい表情で授業に参加していたのです。この2年間の先生方の子どもたちへのかかわりがよい結果を生みだしたのだと思います。先生方の子どもへの対応も子どもの進歩にともない、よい意味で変化しています。

毎年入学してくる子どもたちは違います。また、新学期に見せる姿も変わります。先生方とお話して感じるのは、その子どもたちの姿を見て、それに応じた対応をしようとしていることです。この場面はこうするものだという型にはまった発想ではなく、日々変化する子どもたちの事実を素直に受け止めて接しているのです。

次回訪問する時にも、子どもたちのよりよい姿が見られる事を確信して教室を後にしました。

新しい子どもたちと出会う

昨日は、今年度から授業研究のお手伝いすることになった学校で研修主任と丸一日学校を回って、子どもたちの様子をじっくり見ました。
ある意味幼く素直な子どもたちで、授業中に見せる行動や態度が、教師との関係を明確に反映していました。気になる点もたくさんあるのですが、逆にこの子どもたちであれば教師が接し方を少し変えるだけで、大きく進歩するだろうと感じさせてくれました。
最後に研修主任の授業を1時間じっくりと見せていただきました。中堅として実力も十分にある方ですが、自ら新しい授業スタイルにチャレンジし、授業改善に取り組んでいました。
この子どもたちと先生方なら1年後はきっと素敵な授業をたくさん見せてくれることと思います。

研修の打ち合わせ

昨日は夏休みにおこなう2日間の研修内容を担当の先生と打ち合わせしました。

先生方の授業力向上のお役にたてる研修はどんなことが必要かを考えると、実際に授業を考え、授業をおこない、そして改善する。このことを高いレベルで経験していただくことが大切だと思います。そこで、最近は模擬授業を提案することが増えています。実際の授業で学ぶことも多いのですが、模擬授業の良さは、途中で止めたりやり直せるということです。

「しまった、ここはこう対応すればよかった」
「うまい対応が浮かばない」

このような時、実際の授業ではどうすることもできませんが、模擬授業では一旦止めて、やりなおすことも参加者と相談することも自由です。こうすることで授業について多くのことが学べます。

また、授業者だけでなく子ども役にも大きなメリットがあります。授業はどうしても教師目線で見ることが多くなります。子ども役を経験することで、子どもがどのような気持で授業を受けているのか、教師の一言がどのように感じるのか、子どもの目線で授業を見ることができます。子どもの視点で感じたことであれば、その教科の専門でなくても授業検討で意見を言いやすくなり、検討会の活性化につながります。

そして今回の研修の目玉は、授業者をチームプレイにしたことです。同じ学校の2人が協力して授業づくりをおこなうという形式にすることで、授業について同僚と話し合う機会を持ってもらうのです。学校でいろいろと話を聞いていると、先生同士が授業について話をすることが少なくなっているように感じます。研修を機会に、学校内で授業について話し合うことが増えることを願っています。

本番の研修がどうなるか、今からとても楽しみです。

子どもは正直

昨日訪問した学校で、若手を中心に授業を見せていただきました。
初めて訪問してからもう一年ほどになりますが、子どもたちの表情が随分変わってきました。初めて訪問したころに見た子どもたちは、黙って教師の方を向いて静かに授業を受けているのですが、表情がとても硬かったのが印象に残っています。「形を整えればいいんでしょう」と子どもが硬い表情をすることで主張しているようでした。
昨日は、教師や友だちの発言に笑顔でうなずいたり、問題を解くのに周りの子と相談したりする姿がたくさん見られ、柔らかな雰囲気に包まれた授業を増えてきていることを感じました。教師が子どもの言葉を受容して、子どもの言葉が止まった時でも待てるようになってきたことが、ゆったりとした気持ちで授業を受けるようになった理由の一つでしょう。また、子ども同士の関係がよくなってきているのは、教師が普段から友だちと相談する場面を意図的に作っていることの表れだと思います。
その反面、同じ学級でも教師の一方的な説明が続くと、昨年見た姿に戻ってしまいます。子どもは授業に対して実に正直に反応するということを改めて実感しました。

今年は年間15回ほど訪問させていただく予定ですが、先生方の変化とそれに伴い子どもたちがどのような姿を見せてくれるのかとても楽しみです。

進歩すれば課題はより明確になる

昨日は、7人の授業アドバイスを行ってきました。
昨年からアドバイスしている先生方の授業は、どれも進歩している手ごたえが感じられるものでした。

授業の質が上がると、子どもたちは非常によい雰囲気の中で授業に臨みます。
授業の大前提である、子どもが落ち着いて教師の話を聞ける状態になっているということです。
そうすると、子どもがしっかり考えているか、積極的に活動できているかどうかといった事実は、発問の良し悪し、教師の進め方など、授業の本質的な部分に原因があるとわかります。
当然今まで以上に授業者の課題が明確になってくるというとです。

授業後尋ねてみると、授業者はその課題をがきちんと意識できていました。
子どもしっかり見て、子どもの反応を意識して授業を続けていることの証です。
こうなると、毎日の授業の積み重ねが授業力アップに直結してきます。
次回の訪問がとても楽しみです。

また、今年初めて教壇に立つ先生方とお話ししていて印象に残ったのは、具体的に授業をどう作っていけばよいかわからないまま教壇に立っているということでした。
思った以上に孤独な状態で教師生活がスタートしているのです。
若い先生が気軽に授業について質問したり話し合える状況をどう作るのかは、これから新人が増え続ける学校現場の大きな課題のようです。

若い人は成長も早い

昨日参加した授業研修の授業者新任2年目の若手教師でした。
半年ぶりに授業を見せていただいてビックリ!
これが同じ教師かと我が目を疑いました。
実に堂々と終始笑顔で、子どもの言葉もしっかり聞けていました。
最初から最後まで子どもたちの集中力がきれない素晴らしい授業でした。
まだ新年度が始まって一月もたっていないのに、子どもとの信頼関係がしっかりできていました。

この半年間どのようにしてきたのか聞かせてもらいました。
私が感じた一番のポイントは指摘されたことやアドバイスをとにかく毎日の授業できちんと意識してきたということでした。
特に子どもへの声掛けを大切にしていたようです。
子どもの言葉にうなずき、受容し、ポジティブに評価する。
言うのは簡単ですが、学校の教師全員が参観する大舞台で、これがきちんとできたのは、毎日の授業でコツコツと実践し続けてきたからでしょう。

ベテラン教師にも大いに刺激なったと思います。
授業を観ていた私も元気をもらうことができました。
K先生ありがとうございました。

また、この授業をつくるにあたって、教科の壁を越えて若手の教師を中心に10人ほどが指導案の検討に何度も協力してくれたそうです。
一人を支える多くの仲間の存在も大きな要素でしょう。
そして、この時期の授業研究にK先生を指名した研修主任の仲間を観る目の確かさにも感心しました。

よい環境に恵まれ、本人が地道な努力を続けることで若い教師は驚くほど成長します。
次回この学校を訪問するのが本当に楽しみなりました。
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