若い先生のチャレンジ
昨日は英語の授業研究に参加しました。
若手の先生ですが、子どもたちが考えたり集中するような工夫がたくさんありました。どのような子どもたちに育ってほしいかがよく伝わります。目指す授業に近づくために、いろいろとチャレンジしているのです。 導入場面では、絵を使いながら簡単な笑い話を英語で話しました。子どもたちにとってはそんなに簡単なものではありませんが、だからこそ理解しようと集中して聞いていました。 ペアでの新しい語句の活用練習では、単にプリントの文章をそのまま読み合うのではなく、プリントに書かれた情報をもとに文をつくって言い合います。単純なパターンプラクティスと違い、頭を使って文をつくる必要があるので一見すると活発には見えません。しかし、子どもたちは集中して取り組んでいます。言葉がぽつぽつとしか出ない子もいますが、一生懸命考えています。互いに相談して助け合っているペアもたくさんありました。 検討会でも、具体的な場面に沿ってここがよかった、ここは別の工夫があるかもしれないと活発な意見交換がされました。参観者も授業者と子どもたちの姿からたくさんのことを学べたと思います。 工夫したことがいつもうまくいくわけではありません。むしろ失敗することの方が多いと思います。大切なのはそこから学んでいくことなのです。今回の授業も思ったようにいかないところがあったかもしれません。しかし、そこから目をそむけずその原因を考え、工夫をしていけばいいのです。次の授業ではまた新しいチャレンジを見せてくれるものと期待しています。 学びの多い授業検討
昨日は中学校の授業研究に参加しました。授業検討は大変内容の濃いものでした。
はじめに授業を撮影した2名の先生がそれぞれ授業の場面を紹介するのですが、明確な視点で子どもの様子や変化を伝えてくれました。 グループ討議は固有名詞でたくさんの子どもの事実が語られていました。子ども同士のかかわりとそれによる変化、資料(DVD)を見た後の子どもの変化なども丁寧に語られ、子どもの事実から学ぼうとする姿勢がしっかりと見られました。 その後の全体討議は、従来行っていたグループの代表が話し合いの内容を紹介するものではなく、話し合いを通じて自分が気づいたこと、感じたことが発言されていました。一人ひとりの発言もしっかりつながることで、議論の視点が広がり、内容が深まっていきました。互いに学びあえるものになっていました。 先生方が今までの授業研究を通じて成長されたこともありますが、担当の教務主任の先生が進め方をいろいろ工夫されたことがよい結果につながっていると思いました。 授業と授業検討会の両方からたくさんのことを学ばせていただきました。 学校が動き出す
昨日は、中学校で授業アドバイスと指導案の検討を行ってきました。
4月5月と比べて子どもたちの表情が柔らかくなってきました。どちらが先かわかりませんが、先生方の表情も柔らかくなってきました。子ども同士が関わり合う場面が確実に増えています。参観した先生方の授業は以前と比べて工夫や変化が見られました。 どなたもよい授業をしたいという思いは持っています。しかし、思いだけでは授業は変わりません。うまくいくかどうか別として、机の向きを変える、課題を変える、発問を変える、指名方法を変えるといった何らかの工夫が必要です。よい授業をしたいという思いを、授業の変化という形にすることが第一歩なのです。 この学校では、その変化が起こりだしたのです。一部の先生だけなのかもしれません。すぐによい結果が表れないかもしれません。しかし、間違いなくこの動きが、学校をよくするきっかけになると思います。大きな変化も最初は目に見えないような小さな変化から始まるものだからです。 「正解」という言葉を使わない授業
先日は、中学校で若い数学の先生の授業アドバイスを行ってきました。
数年おじゃましている学校ですが、子どもたちの授業に向かう姿勢や表情がずいぶんとよくなってきました。生徒指導に追われていたことが嘘のように感じられます。授業者の表情も以前と比べるとずいぶん柔らかなものになっていました。学校全体で授業の改善に取り組んでいることの成果が表れていると思います。 この日驚いたのは、授業者が一度も「正解」という言葉を使わなかったことです。それに対して子どもたちは、違和感がありませんでした。いつもそうであることがよくわかります。(後で聞いたところは、最初のころは少し子どもたちが戸惑ったそうです) 2次関数の値の増減について答えさせた時に、「xの値が増えると」「xの座標が増えると」と2つの表現が出てきました。ここでも、正解という言葉は使いません。両方ともきちんと認めていました。そのうえで、座標についての復習と確認をしたところ、子どもたちは非常に集中して聞いていました。友だちから出た言葉をもとに授業が進んでいるからです。 もうひとつ印象的な場面がありました。 「正解」と言わずに数人に答えさせ、一人の生徒に板書させましたが、「減少」と書くべきところを「減小」と間違えてしまいました。まだ、正解かどうか明確になっていないので、子どもたちは黒板に集中しています。中には字の間違いに気づいている子もいます。子どもたちが少しざわざわしますが、悪い状態ではありません。子どもたちが揺さぶられているのです。その時、さっきまで机にうつぶせになっていた生徒が起き上がって授業に参加し始めました。友だちの動きが彼を授業に呼び戻したのです。子どもたちが積極的に参加する授業は、集中力が落ちている子どもも引っぱってくれるのです。 その後、授業者は間違いに本人が気づくまでちゃんと待ってから、授業続けていきました。間違えた生徒も笑顔で参加し続けました。 授業者は以前と比べて子どもとの関係を意識して授業をしていました。本人の努力はもちろんのこと、進歩の陰には、TTでサポートしているベテランのアドバイスも大きいと感じました。細かい授業技術より子どもとの関係を築くことを大切にするようアドバイスしているそうです。 「若い教師が育つ学校がよい学校だ」とよく言われます。この学校は間違いなくよい学校になっていくと思います。 セミナー講師で元気をいただく
先週末に開催されたプラネクサスの学校経営セミナーで講師を務めました。
実はここ数年、学校での研修では、講演形式のものはできるだけお断りして、授業研究や模擬授業のような参加型のものでお願いするようにしています。 講演形式では、みんなさん「いい話を聞いた」とおっしゃってはくれるのですが、なかなかその後の行動の変化には結びつきません。受け身ではいけないのは子どもと同じですね。 今回は管理職や職場のリーダーの方が対象で、どんな反応をされるだろかと、実はドキドキしていました。実際には思っていた以上に熱心に聞いていただけ、セミナー終了後「たくさんの宿題をもらった」「まず自分たちで、課題を整理し直す」など、前向きな言葉をいただけました。 こういったセミナーが役に立つかどうかは、参加者が学ぼうという姿勢を持っているかどうかで決まります。今回事前にヒアリングしたところ、皆さん自分の課題を持っておられました。必ずしも参加者全員の課題に答えられる内容ではないにもかかわらず熱心に聞いていただけたのも、課題解決のために何かをつかもうとされていたからでしょう。 参加者の前向きな姿勢に助けられ、充実したセミナーとなり、私もたくさんの元気をいただきました。 読売教師力セミナー打合せ
昨日は読売教師力セミナーの打合せに参加しました。
出演者が直接集まっての最後の打ち合わせ。模擬授業の指導案、パネルディスカッションの流れの確認もでき、当日のイメージがずいぶん固まりました。(全体での最終打ち合わせですから、固まってなければ怖い!) 今回のテーマは「キャリア教育事始」です。 「キャリア教育」と言われても何をすればいいの? 「キャリア教育」の授業ってどういうもの? こんな疑問に、「まずはこんなことから始めよう」という提案ができそうです。 とはいえ、ライブ感を大事にする読売教師力セミナー。授業者もパネラーもアドリブが得意な方ばかり。当日に何が起こるかは、まさに「やってみなくちゃ分からない」「出たとこ勝負」。出演者もドキドキ。だからこそ会場の参加者も楽しめるのです。 セミナーまであと1月あまり。「ワクワク」「ドキドキ」しながら当日を待っています。 エネルギーをもらった授業研究
昨日は中学校の授業研究に参加しました。授業者は若手の先生でしたが、意識して新しいスタイルに挑戦してくれました。
授業後の検討会は、3つのグループで話し合いがもたれましたが、どのグループのどの先生も本当によく子どもを見ておられました。具体的な子どもの行動、変化がたくさん話され、気付けなかったことをたくさん教えてもらえました。 ある生徒を指名した後、教室の雰囲気が変わったことが指摘されました。授業者が暗かった教室の雰囲気を変えようと意図的に指名したということでした。自分が担任している学級ということもあって、生徒の個性や学級の特性をよくつかんでいるからできたのでしょう。 検討会の後、授業者と話をさせていただきました。 自分が意識して挑戦した場面をたくさん取り上げてもらった。うまくいったこともいかなかったことも、意見を聞かせていただいて本当に勉強になった。普段の自分の授業を先生方が見てくれているから、挑戦した場面に気づいてもらえたのだと思う。そのことをとてもうれしく思った。他の学級で同じ授業をするので、今日学んだこと生かして、もう一度挑戦してみます。 とても、前向きな発言を聞かせてもらいました。 学校全体に互いに学び合う関係が築かれてきているようです。とても元気の出る授業研究で、次回もとても楽しみです。私もたくさんのエネルギーをいただきました。 学校経営セミナー打合せ
9月17日(金)に行う、プラネクサス主催の学校経営セミナーの打合せを行いました。
今回は「授業評価」をテーマにしたものですが、事前に参加者にヒアリングしています。少しでも参加者のニーズにこたえたセミナーにするためです。 ・これから授業評価を行おうとしているが、具体的に設問をどのようにすればよいのか? ・授業評価を実際の授業改善につなげるためにはどうすればよいのか? ・授業評価を生かした研修の持ち方はどうすればよいのか? ・授業評価を受けて管理職はどう行動すればよいのか? 現場からの声を受けて、どのような構成でお話しすればよいのかスタッフで話し合いました。当日参加された方が、「明日からやってみよう」と言ってくださるセミナーを目指します。 なお、まだ申込みは受け付けていますので、興味のある方はプラネクサスのホームページをご覧ください。 学びの多い研修
先週末は模擬授業の解説と講演を研修で行ってきました。
理科の実験の模擬授業でしたが、生徒役の先生が素直に子どもの気持ちで取り組んでくださいました。 ・真剣に課題について話し合う。 ・発表者をしっかり見て聞く。 ・よい意見に対して素直に反応する。 とてもよい雰囲気で模擬授業は進みました。生徒役の先生からは、我々が事前に予想もしなかった面白い意見がたくさん出てきました。聞いてみると、真剣に実験について考えた結果出てきた意見で、決して教師として冷めた目で考えたものではなかったそうです。実際に子どもたち相手に早くやってみたくなるような授業でした。 関わり合いを通じて考えが深まる言語活動はどのようなものか、実感できたと思います。 このように予想以上におもしろいものになったのは、参加された先生方が素直であったこともその要因の一つですが、 ・課題が自由度の高いものであったこと ・出てきた意見に対して決して否定的な態度を取らなかったこと ・出てきた意見を他の生徒役につないだこと が大きいと思いました。 ポイントとなる場面で授業者の意図を確認しましたが、どの場面でも明確な答えが返ってきました。再現性のある授業をしている証拠です。 目指す子どもの姿、どのようにして育てていくかのステップが非常に明快なのです。 子どもの言葉で授業作っていくことを大切にしようと授業スタイルを変えて2年目の先生ですが、ずっとやってきたかのような自然な授業です。 基本に忠実に、一つひとつの場面を大切にして、意図的に経験を積んでこられたことがよくわかります。 ベテランにとっても、若手にとってもよい刺激になったと思います。 授業者も、参加者も、そしてコーディネートした私にとってもとても学びの多い研修でした。 授業について深く考える
昨日は研修会の講師として、みなさんと授業研究を行ってきました。
午前中は3グループに分かれ、授業の準備検討会をおこない、午後から代表者が模擬授業を行ってくれました。 どのグループも真剣に授業について話し合っていました。準備検討会でも模擬授業を取り入れてもらいましたが、行き詰った時に新たな視点を提供してくれていたようです。 午後の模擬授業では、自分たちがしっかり検討してきたこともあり、子ども役の反応をつぶさに観察していました。どの授業も授業者とグループの思いやこだわりがしっかり伝わるよい授業でした。授業者の意図が明確なだけ、検討も焦点化しやすく、互いに多くのことを学び合えました。 ・ワークシートにどこまでヒントを書くのか ・道徳で子どもに何を考えさせるのか、そのための発問の視点 ・子どもたちが考えることと資料の関係 具体的な授業があればこそ、問題を身近に感じることができました。 参加された先生方も授業のことを考える楽しさを味わっていただけたことと思います。 一つの授業をこれだけ集中して深く検討する時間はなかなか取ることはできませんが、このような研修以外でも、時間を見つけて授業について話し合っていただけたらと思います。 自分の問題としてとらえる
昨日は模擬授業で研修を行ってきました。
中学校の数学の相似の授業でしたが、生徒役の先生が前提となる既修事項を理解できていないために、授業者の先生がうまく進められないところがありました。 授業者は思わぬ反応に苦しむのですが、そのことが参加者を含め私にとっても大きな学びにつながりました。 何をしてよいかわからないときに子どもはどんな気持ちになるのか。 手がつかない状態では、教師に何を求めるのか。 相似な三角形を見つけたところから説明されたが、そもそもその三角形が見つけられない子どもはどうすればよいのか。 自然にわからない子どもの立場なることでたくさんのことに気づかれました。 みなさんの素晴らしかったことは、個別の問題ととらえずに、自分の授業でもこのような場面があったのではないかと振りかえっていたことです。 みなさん2学期は今まで以上に子どもの目線に立った授業をしてくれることと思います。 次回はこの模擬授業と同じ場面で、子どもたちを相手に研究授業をおこないます。謙虚な姿勢で指摘を受け止めることができる授業者なので、今回の学びを生かした授業をきっと見せてくれる事と期待しています。 本番が楽しみな模擬授業
昨日は今週行う研修での模擬授業について打ち合わせを行いました。
言語活動をテーマにした理科の模擬授業です。提案していただいた授業は、用意した実験道具から、何を調べる実験ができるか考えさせ、子どもの意見をもとに実験を行うというものです。受身で指示された実験をするのではなく、自分で考えることで、理科的な思考が身に付きます。子どもは自分の考えを発表したくなると思います。いろいろな意見を整理していくことで、対照実験のポイントも身に着きます。活発な言語活動が期待できそうです。 実験道具もこの授業のねらいに合ったシンプルなもので、日ごろから子どもたちの活動を大切にしているからこそ生まれる発想だと思いました。この模擬授業のためにオリジナルで作られましたが、来年は実際の授業で使ってみると楽しそうに話されました。研修での授業はどうしても見せることを意識したものになるのですが、実際にやってみたい授業を考えていただけたことをとてもうれしく思いました。 この模擬授業を通じて伝えたいことがたくさん出てきました。教科を越えて明日から使える内容をどうすればうまく伝えられるか。考える楽しみが増えました。 取り組みが広がる原動力
先週末にホームページの更新頻度が高い私立の中高等学校を訪問しました。
ホームページの活用についてのお話を伺うのが目的でしたが、ホームページだけでなく、いろいろな場面で生徒・保護者とのコミュニケーションを取る取り組みをしていることがわかりました。しかも、その取り組みはトップダウンではなく、教員が互いに学び合って広がっていったものでした。 教員同士が学ぶ合うことの大切さはよく言われますが、実際にはなかなか難しい物があります。お話をいろいろ伺っているうちにわかったことは、キーマンの存在でした。中学、高校の各学年に必ずムードメーカーがいて、コミュニケーションの核となっているのです。互いの取り組みをオープンにし、いい意味で競い合うことで広がり、学び合い、そのことが次の新しい取り組みを生み出すことにつながっているのです。 ホームページをきっかけにたくさんの取り組みとそれを生み出す原動力を学ばせていただきました。 先生方の学ぶ姿に感激
昨日は小学校の研修の講師を務めてきました。
テーマは、学習内容の活用です。これから1年ほど先生方とこのテーマをもとに一緒に勉強をさせていただくのですが、今回はその口火切るものでした。このことをきっかけに私自身が学習内容の活用について整理することができました。このような自分にとっても勉強する機会となるような仕事は大変ありがたいことです。 研修の後半は先生方に、いろいろな活用場面のアイデアをグループで考えていただきました。 グループになってすぐは、皆さんアイデアを考えているのでやや硬い表情で声も聞こえませんでした。しかし、しばらくしてどなたかが声を出されると、堰を切ったようにどのグループも活発に話し始めました。会場全体に声が先生方の声が響きます。でもすぐに声はおさまり、適度な声での話し合いになりました。しっとりとした雰囲気です。どの先生も体を前に傾けて話を聞こうとしています。この状態であれば大きな声を出して注意を引いたり主張する必要もありません。この状態が最後まで続きました。まさに、グループでの学び合いのお手本のような状態でした。この様子をビデオにとって子どもたちに「見本だよ」と見せてあげたいほどでした。 このような姿を先生が見せてくれたのはテーマが先生方にとって意味のあるものだったこともありますが、なにより人間関係が良好なことが根底にあります。そうでなければこのような「聞きあう姿」は見られないからです。 研修終了後食事に誘われました。なんと、校内での流しそうめん大会です。先生方とおいしいそうめんをいただきながら、こんなところにもこの学校の先生方の人間関係のよさの秘密があるのだと思いました。 これから一緒に勉強させていただくのが本当に楽しみとなりました。 思いの深さと実現力
昨日は学校改革に成功した私立高校を訪問して、校長先生からお話を伺いました。
一番に感じたのは、子どもたち、学校への思いの深さです。「子どもたちを育てたい、学校をよくしたい」という思いがなければ学校はよくならない、という当たり前のことをあらためて実感しました。 しかし、思いだけでは学校は変わりません。それを実現するためにとった行動が素晴らしいのです。 「するな」の指導ではダメ。内面を育てれば自然に変わる。 地域に出て行って触れあうだけではダメ。地域によい影響を与えることが大切。それが子どもの自己有用感につながる。 教師に思いを持たせる。その思いを実現していくことで教師が育つ。 子どもたちの姿を見てもらうことが学校のよさを伝えること。 挑戦を繰り返して歴史と伝統がつくられる 学校をよくするためには思うだけでは何ともなりません。それを現実のものにする実現力が必要です。ここには書ききれないほどたくさんのことを学ばせていただきました。 この話は、後日まとめて記事にしたいと思います。 指導案検討会に参加
研究発表のお手伝いをしている学校で、公開授業の指導案検討会に参加しました。教科単位での検討会でしたが、広い会議室で同時に行っていたので話し合いの様子が比較でき、こんなところにも教科の個性といったものがでるのだなと思いました。
とはいえ、私が目にした指導案は、どれも子ども同士がかかわり合う場面が工夫されていて、子ども同士のかかわりを大切にすることが教科を越えて根付いてきたことを感じました。こんな子どもの姿が見たいという思いも伝わってきます。 いくつかの指導案について授業者と話をしましたが、目指す子どもの姿が明確なので、具体的な発問や活動についての検討も論点がはっきりしたものになりました。 本時の目標につながる活動はどれか。 子どもたちが学ぼうとするにはどういう仕掛けが必要か。 子どもたちにリアリティを持たせるには、どのような教材よいのか。 ペアでの活動を生かすために全体活動で何をしておく必要があるのか。 皆さんと話すことで、私もたくさんのことを学ぶことができました。 検討会が終わった後も、授業のことを話し続けている教科がありました。この学校が目指す姿をそこに見たような気がします。研究発表会の研究協議では授業について楽しくかつ真剣に話し合う姿をきっとたくさん見ることができると思います。私も当日はこの学校の素敵な姿をたくさん皆さんに紹介したいと思います。 会場と舞台をつなぐ難しさ
昨日は市の研修会で模擬授業の解説を行ってきました。200人が参加する大規模なものでした。
この市では初めての試みで、しかも大きな市民会館の大ホールでの模擬授業ということもあり、最初会場の雰囲気は固かったのですが、次第に模擬授業を見ながらいろいろな反応を見せてくれるようになりました。しかし、私の取り回しが悪く、なかなかうまく拾って全体の問題とすることができません。私の視点での問いかけが多く、会場の先生方の疑問とうまくリンクしていなかったのかもしれません。 模擬授業も終わりに近づいたころ、授業者が、ここはどのように進めるといいか、どのような問いかけがいいかを子ども役の先生と相談しながら進め始めました。授業者の先生と子ども役の先生が自然に一体となって授業を考え始めたのです。 これが模擬授業のよさです。会場の先生方も一緒になって考えているのがよくわかります。模擬授業の中で自然に出てきた疑問や課題であったので、会場全体に広がり、舞台とつながっていったのでしょう。 授業者の先生と子ども役の先生のおかげで、授業をみんなで考えるよさを伝えることができたと思います。ありがとうございました。 最後に取りまとめの校長先生から、この研修を材料としてそれぞれの視点から各学校で料理してくださいという挨拶がありました。私もこの研修から会場と舞台をつなぐ難しさをあらためて実感しました。よい経験として今後に生かしたいと思います。 ベテランと若手が参加する研修
昨日は終日市主催の授業力研修の講師を務めました。各学校からベテランと若手2〜3名が参加して、その内容を校内に広めてもらおうというものです。若手教師2名が午前と午後にそれぞれ模擬授業を行ってくれました。
私が研修で行う模擬授業は、よいと思った場面、気になる場面があればすぐに止めて、その場面を参加者と振り返ります。今回は基本的なスキルの部分に焦点を当てたかったので、最初の授業はどうしても短い間隔で止めることになってしまいました。授業者にとっては流れが中断してしまうので大変やりにくかったともいます。それにもめげずガッツで最後まで乗り切ってくれた授業者のおかげで、具体的な話ができました。 午後の模擬授業は、1学期に実際にやった授業を再現してくれました。子ども役から出た意見が、教師の予想とはかなり異なったものなので授業者が困って助けを求めるシーンがありました。これが模擬授業のよいところです。このあと、どうすればよいのかを全体で考えることができました。最後に実際の子どもの発表の資料を見せてもらい、教師の考えと子どもの考えの違いがよくわかり、授業者が戸惑った理由も納得できました。 また、授業者はグループ活動に入る前に個人の考えを最低一つは持たせようと個人で考える時間をとっていました。その意図を聞いたところ、グループになった時に聞くばかりでなく話せるようにしたいからということでした。一方では、時間をかければわからない子が自分の考えを持てるようになるわけではない。時間で切るべきだという意見も出てきました。そのとき、わからない子は自分の考えをなかなかもてないので、どこがわからないかだけははっきりさせる。グループでの話し合いは、わからない子が、どこがわからないかを発表して、他の子がそれにこたえることから始める。このことをルールにしていると、自分の実践を発表してくださる先生がいらっしゃいました。この話に参加者全員が納得!! 私自身も大変よいことを教えていただきました。 若手教師のガッツや素直さ、ベテラン教師の実践力。ベテランも若手も参加する研修は、それぞれのよさの相乗効果で、実りの多いものになりました。次回は、私が仕切らずに各グループで授業を検討してもらいます。若手とベテランがどのような化学反応を起こしてくれるのか楽しみです。 やっぱり教師は授業が好き
昨日は中学校の現職教育で模擬授業をコーディネートしてきました。
この学校では模擬授業は初の試みです。先生方も、授業者もどうなるかとやや緊張気味でした。 中学校ですので、参加される先生の教科はばらばらです。教科の特性に影響されやすい、授業の流れより、個々の場面で起こったこととその対応を一緒に考えてもらうことを中心にしました。日ごろ手を焼いている生徒がいるのでしょう、問題のある生徒役の先生はとてもリアルに演じてくれます。思わずこんなシーンあるあるとうなずいていました。 机間指導は何をすればよいのか 友だちの発言を聞けていなかった理由はなぜなのか 指名されていない生徒が答えをつぶやきやき教師の気を引こうとしているときどう対応するのか 教師の発問意図がなぜ子どもに伝わらないのか グループ活動のあと子どもの発言を引き出すためにどう問いかけるか ・・・ 模擬授業から気づいたたくさんの疑問や問題を先生方と考えることができました。 最初かたかった先生方の表情もほぐれ、若手は子どもの立場に立った素直な感想を、中堅は生徒役で迫真の演技を、ベテランはこの問題の原因はここにあるのではないかとさすがの指摘を、授業者の先生は自分の行動や発問の意図を、それぞれの立場や経験に応じた活躍を見せてくださいました。模擬授業を通じて先生方がつながっていくのを感じました。たくさんの笑顔と真剣な表情に、先生は授業が好きなんだとあらためて実感しました。私自身もたくさんのことを学ばせていただいたとても楽しい時間でした。 継続すること
昨日は、授業力アップのセミナーにオブザーバーとして参加しました。このセミナーは先生のグループが自主的に開催しているもので、市教委などの後援はあっても基本的には手弁当の会です。
今年で8年目になりますが、参加者、スタッフの熱気あふれる大変よいセミナーです。新任の参加者が多いのですが、自腹を切ってこのような研修に参加するということは、この市の新任研修が受講者にとって有意義なものであることの証だと思います。(研修嫌いの若手が多い市町も結構たくさんあります) このセミナーのスタッフには、毎年若手が参加していますが、何年か前に受講者の中に見た顔がスタッフとして成長した姿を見せてくれることはうれしい驚きです。しかも、裏方だけではなく、グループでの実習のリーダーとして進行から受講生へのコメントまでをこなしています。この会のリーダーの先生方がいかに若い先生をフォローし育てているかがよくわかります。 今回は、特に若手がリーダーをしているグループを中心に参観しました。若さあふれる、決して上から目線ではない、参加者とともに学ぶ姿勢が印象的でした。スタッフとして活躍することで、彼らもより多くのことを学んだことと思います。 先日授業参観した若手教師もスタッフとし参加していましたが、緊張している受講者を持ち前の笑顔でほぐしながら、見事に進めていました。この先生の学級がよい状態であった理由がよくわかりました。 余談ですが、雑談の中で、先日の私のアドバイスをすぐに実行して、子どもの変化を手ごたえとして感じ始めているとのことでした。素直に他人の言葉を受け止める姿勢が素晴らしいと思いました。次にお会いする時はより成長した姿を見せてくれることでしょう。 また、毎年新しいことにチャレンジしていることもこのセミナーの特徴です。評価の高さに安住することなく、より高いものを目指すからこそこれだけ会を重ねることができたのだと思います。当然参観する私もたくさんのことを学ぶことができます。このセミナーに欠かさず参加するようにしている所以です。 毎年同じことの繰り返しでは、その先に待つのは穏やかな死です。新しい血を取り入れながら、常により高いところを目指さなければ継続していきません。このことをあらためて教えていただいた一日でした。 |
|