学校が動き出す

昨日は、中学校で授業アドバイスと指導案の検討を行ってきました。

4月5月と比べて子どもたちの表情が柔らかくなってきました。どちらが先かわかりませんが、先生方の表情も柔らかくなってきました。子ども同士が関わり合う場面が確実に増えています。参観した先生方の授業は以前と比べて工夫や変化が見られました。

どなたもよい授業をしたいという思いは持っています。しかし、思いだけでは授業は変わりません。うまくいくかどうか別として、机の向きを変える、課題を変える、発問を変える、指名方法を変えるといった何らかの工夫が必要です。よい授業をしたいという思いを、授業の変化という形にすることが第一歩なのです。

この学校では、その変化が起こりだしたのです。一部の先生だけなのかもしれません。すぐによい結果が表れないかもしれません。しかし、間違いなくこの動きが、学校をよくするきっかけになると思います。大きな変化も最初は目に見えないような小さな変化から始まるものだからです。

「正解」という言葉を使わない授業

先日は、中学校で若い数学の先生の授業アドバイスを行ってきました。

数年おじゃましている学校ですが、子どもたちの授業に向かう姿勢や表情がずいぶんとよくなってきました。生徒指導に追われていたことが嘘のように感じられます。授業者の表情も以前と比べるとずいぶん柔らかなものになっていました。学校全体で授業の改善に取り組んでいることの成果が表れていると思います。

この日驚いたのは、授業者が一度も「正解」という言葉を使わなかったことです。それに対して子どもたちは、違和感がありませんでした。いつもそうであることがよくわかります。(後で聞いたところは、最初のころは少し子どもたちが戸惑ったそうです)

2次関数の値の増減について答えさせた時に、「xの値が増えると」「xの座標が増えると」と2つの表現が出てきました。ここでも、正解という言葉は使いません。両方ともきちんと認めていました。そのうえで、座標についての復習と確認をしたところ、子どもたちは非常に集中して聞いていました。友だちから出た言葉をもとに授業が進んでいるからです。

もうひとつ印象的な場面がありました。
「正解」と言わずに数人に答えさせ、一人の生徒に板書させましたが、「減少」と書くべきところを「減小」と間違えてしまいました。まだ、正解かどうか明確になっていないので、子どもたちは黒板に集中しています。中には字の間違いに気づいている子もいます。子どもたちが少しざわざわしますが、悪い状態ではありません。子どもたちが揺さぶられているのです。その時、さっきまで机にうつぶせになっていた生徒が起き上がって授業に参加し始めました。友だちの動きが彼を授業に呼び戻したのです。子どもたちが積極的に参加する授業は、集中力が落ちている子どもも引っぱってくれるのです。
その後、授業者は間違いに本人が気づくまでちゃんと待ってから、授業続けていきました。間違えた生徒も笑顔で参加し続けました。

授業者は以前と比べて子どもとの関係を意識して授業をしていました。本人の努力はもちろんのこと、進歩の陰には、TTでサポートしているベテランのアドバイスも大きいと感じました。細かい授業技術より子どもとの関係を築くことを大切にするようアドバイスしているそうです。

「若い教師が育つ学校がよい学校だ」とよく言われます。この学校は間違いなくよい学校になっていくと思います。

セミナー講師で元気をいただく

先週末に開催されたプラネクサスの学校経営セミナーで講師を務めました。

実はここ数年、学校での研修では、講演形式のものはできるだけお断りして、授業研究や模擬授業のような参加型のものでお願いするようにしています。
講演形式では、みんなさん「いい話を聞いた」とおっしゃってはくれるのですが、なかなかその後の行動の変化には結びつきません。受け身ではいけないのは子どもと同じですね。

今回は管理職や職場のリーダーの方が対象で、どんな反応をされるだろかと、実はドキドキしていました。実際には思っていた以上に熱心に聞いていただけ、セミナー終了後「たくさんの宿題をもらった」「まず自分たちで、課題を整理し直す」など、前向きな言葉をいただけました。
こういったセミナーが役に立つかどうかは、参加者が学ぼうという姿勢を持っているかどうかで決まります。今回事前にヒアリングしたところ、皆さん自分の課題を持っておられました。必ずしも参加者全員の課題に答えられる内容ではないにもかかわらず熱心に聞いていただけたのも、課題解決のために何かをつかもうとされていたからでしょう。

参加者の前向きな姿勢に助けられ、充実したセミナーとなり、私もたくさんの元気をいただきました。

読売教師力セミナー打合せ

昨日は読売教師力セミナーの打合せに参加しました。

出演者が直接集まっての最後の打ち合わせ。模擬授業の指導案、パネルディスカッションの流れの確認もでき、当日のイメージがずいぶん固まりました。(全体での最終打ち合わせですから、固まってなければ怖い!)

今回のテーマは「キャリア教育事始」です。

「キャリア教育」と言われても何をすればいいの?
「キャリア教育」の授業ってどういうもの?

こんな疑問に、「まずはこんなことから始めよう」という提案ができそうです。

とはいえ、ライブ感を大事にする読売教師力セミナー。授業者もパネラーもアドリブが得意な方ばかり。当日に何が起こるかは、まさに「やってみなくちゃ分からない」「出たとこ勝負」。出演者もドキドキ。だからこそ会場の参加者も楽しめるのです。

セミナーまであと1月あまり。「ワクワク」「ドキドキ」しながら当日を待っています。

エネルギーをもらった授業研究

昨日は中学校の授業研究に参加しました。授業者は若手の先生でしたが、意識して新しいスタイルに挑戦してくれました。

授業後の検討会は、3つのグループで話し合いがもたれましたが、どのグループのどの先生も本当によく子どもを見ておられました。具体的な子どもの行動、変化がたくさん話され、気付けなかったことをたくさん教えてもらえました。

ある生徒を指名した後、教室の雰囲気が変わったことが指摘されました。授業者が暗かった教室の雰囲気を変えようと意図的に指名したということでした。自分が担任している学級ということもあって、生徒の個性や学級の特性をよくつかんでいるからできたのでしょう。

検討会の後、授業者と話をさせていただきました。

自分が意識して挑戦した場面をたくさん取り上げてもらった。うまくいったこともいかなかったことも、意見を聞かせていただいて本当に勉強になった。普段の自分の授業を先生方が見てくれているから、挑戦した場面に気づいてもらえたのだと思う。そのことをとてもうれしく思った。他の学級で同じ授業をするので、今日学んだこと生かして、もう一度挑戦してみます。

とても、前向きな発言を聞かせてもらいました。
学校全体に互いに学び合う関係が築かれてきているようです。とても元気の出る授業研究で、次回もとても楽しみです。私もたくさんのエネルギーをいただきました。

学校経営セミナー打合せ

9月17日(金)に行う、プラネクサス主催の学校経営セミナーの打合せを行いました。

今回は「授業評価」をテーマにしたものですが、事前に参加者にヒアリングしています。少しでも参加者のニーズにこたえたセミナーにするためです。

・これから授業評価を行おうとしているが、具体的に設問をどのようにすればよいのか?
・授業評価を実際の授業改善につなげるためにはどうすればよいのか?
・授業評価を生かした研修の持ち方はどうすればよいのか?
・授業評価を受けて管理職はどう行動すればよいのか?

現場からの声を受けて、どのような構成でお話しすればよいのかスタッフで話し合いました。当日参加された方が、「明日からやってみよう」と言ってくださるセミナーを目指します。

なお、まだ申込みは受け付けていますので、興味のある方はプラネクサスのホームページをご覧ください。
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