読売教師力アップセミナー打合せ

昨夜は、この秋に行う読売教師力アップセミナーでも模擬授業の検討会でした。
授業の内容を検討するときに大切になるのは、当然のことながらゴールはどこかということです。ところが、キャリア教育のゴールが具体的に見えないのです。中教審の資料等を読んでもなかなか明確になりません。キャリア教育とは何か? その話し合いの内容はとても面白く、当日のパネルディスカッション担当としてはこの内容で進めれば成功間違いなしとの確信を持つことができました。
一方、模擬授業の担当者は今頃・・・。
愛知県を代表する2名の先生です。きっと次回の打ち合わせでは我々が唸る案を持ってきてくれることでしょう。いやいや、次回が楽しみです。

模擬授業の楽しみ

昨日は、来週行う研修の打合せを行いました。

この研修は、ベテランが模擬授業をおこない、授業の見方を会場の皆さんと考えるというものです。授業者とは大体の方向性を確認しながら、どう授業をつくるかを話し合いました。この会話のなかに、教材研究のエッセンスが詰まっていました。当日この内容を再現できたらと思っています。

今年は模擬授業をベースにした研修をいくつか企画しました。

気になる場面があればすぐに止めることができる。
やり直しができる。
子ども役から、子どもの視点での意見を聞ける。

などのメリットがあります。
また、中学校などでは教科性が強いため、なかなか他教科の授業について意見が言いにくいのですが、子ども役として参加することで、教科の枠を超えて話し合いに参加できます。

昨日の打合せの結果、どのような授業展開になるかは、実際に模擬授業の場面まで私も知らされません。どのような研修になるのか当日になってみないと予測できませんが、参加者と一緒に私も楽しんできたいと思っています。

子どもたちだけを見る授業参観

昨日訪問した学校では、若い先生方と一緒に授業を参観しました。暑い一日でしたが、子どもたちはとてもよく集中していました。とくに、子ども同士が関わりあう場面では、とてもよい表情がたくさん見られました。

今回は、校内を回りながら、教師の行動は一切見ないで、子どもたちの様子を中心に見ることにしました。教師を見ない授業参観は新鮮だったようです。

どんな場面で子どもたちの集中力が落ちるか?
参加できいない子が復活するのはどのような時か?
わからない子は、どのような行動をとるのか?
指名された後、子どもの様子はどのように変わるか?
教師が机間指導している時に子どもはどのような態度をとるのか?
同じ学級で、同じような活動場面でも子どもの集中度が違うのはなぜか?

こんな疑問を先生方と話をしながらの参観はとてもよい勉強になりました。先生方も自分の授業での子どもの様子はどうなのか、とても気になるようでした。
授業中に子どもを見ているつもりでも、意外に見ていないものです。今回の授業参観が今まで以上に子どもをしっかりと見るきっかけになってくれればと思いました。

また、授業後若い実技教科の先生2名の質問を受けました。
1学期の授業を振りかえって、授業の進め方に関して悩んでいることを具体的に相談していただけました。子どもたちにただ作業をさせるのではなく、考えたり、工夫したりして実習に取り組ませたいという、目指す授業像はとてもよいものでした。それだけに実際の自分の授業とのギャップがとても気になり、またどうしてよいかわからず苦しんでいるようでした。子どもの視点に立って授業の組み立てを考えることで、少し見通しが持てたのでしょう。明るい顔で席を立たれました。

この学校には、2学期もたくさん訪問しますが、若い先生方の授業がどのように進歩しているかとても楽しみです。

うれしい悲鳴

昨日は若手の先生方の授業のアドバイスを行いました。研修主任のお声掛けもあり、15名ほどの希望者がありうれしい悲鳴状態でした。

前回訪問した時は、先生と子どもたちの関係があまり良好でない印象でしたが、今回は子どもたちのよい表情をいろいろな場面で見ることができました。わずか1月ほどしかたっていませんが、子どもの変化は本当に早いものです。特に子ども同士が関わる場面を意図的に作っている学級では、子どもの笑顔をたくさん見ることができました。

先生方と授業後たくさんお話をする機会をいただきましたが、どの先生にも共通しているのが、授業に対する真剣な姿勢とそれ故に生まれるいろいろな悩みです。そんなお話を聞くことで私も大変勉強になりました。先生同士がそれぞれの課題や悩みを共有して、互いに助け合って解決していく、そんな学校になってほしいと強く思いました。

また、子どもたちにわからせたい、理解させたいという思いが強いためか、全体的に先生がしゃべりすぎる傾向にありました。大切なのは、子どもが自分たちで考えることです。そのためには、子どもが自然に考えるような発問、考えるための時間・量を確保することが必要です。先生の一方的な説明と子どもたちの作業だけで終わらない授業を目指してくれることを願って、アドバイスをさせてもらいました。

来週から夏休みです。若い先生方です。部活指導や2学期に向けての準備等で忙しいでしょうが、リフレッシュして一段とパワーアップした姿を秋には見せてくれることでしょう。

先輩が後輩を見守っている学校

昨日は、アドバイスを初めて足掛け3年になる学校を訪問しました。

ベテランの学年主任の授業は、子ども同士がしっかり学び合うとても素晴らしい授業でした。この先生が子ども同士の学び合いを意識した授業へとスタイルを変え始めてまだ2年目ですが、目を見張るほどの進歩が見られます。
よくベテランは変わらないと言われますが、ベテランが変わろうとした時は、蓄積したものがあるだけに、その進歩と変化のスピードは若い人以上です。自分に厳しい先生が、この日の授業に95点をつけられたことを、とてもうれしく思いました。
また、学年の運営の話で、子どもたちと先生の関係作りに力を入れている話になり、2年目、3年目の先生が安心して頼れる存在になっているとおっしゃっていました。この先生に若い先生のことをたずねると、しっかりと答えが返ってきます。日ごろから若い先生のことを気にかけているのでしょう。

7年目の先生の授業も、子どもたちが先生、友だちの言葉を本当に集中して聞く素晴らしいものでしたが、それ以上に、そんな子どもたちの姿に満足せず、ワークシートをどう使うかという次の課題を持って授業に臨んでいたことが立派だと思いました。
授業後、アドバイスをしている時に、サブとして入っている新任とのTTの授業についてのアドバイスを求められました。小規模の学校で、学ぶべき先輩がいない中で苦労をしてきたからでしょう。彼らの役に立ってあげたいという気持ちを感じました。

また、教頭先生が雑談の中で、「2年目の教師に私のネタが盗まれているんですよ」と嬉しそうに話していたのも印象的でした。

先輩が後輩をきちんと見守っている。後輩もそれに答えるように努力をしている。そんな雰囲気の中で、この学校の若い先生は急速に成長しています。この日授業を参観した新人の先生方も、来年にはきっと見違えるような授業を見せてくれることが期待できると思いました。

質問することの意味

昨日は研究会で、この秋の学会発表に関する検討を行いました。

私は授業評価に関する発表を行うのですが、その中で学び合いを意識した学校での授業評価項目の例を取り上げています。その項目に関して、熱心な校長先生から質問を受けました。
一つは「教師の声の大きさが適切か」という項目は保護者にとって評価しやすくまた大切なことであるから、入れてはどうかというものでした。

とてもよい質問です。実はこの項目は意図的に外しています。なぜなら、適切な声の大きさはとても判断が難しいからです。明るく、教室の端まで聞こえるような大きな声がよいと考える方が多いと思いますが、子どもに集中して聞かせるために、わざと声を低くして話す方法もあります。その学校が、その教師がどう考えるかで違ってくるのです。その項目がなくても声の大きさが適切でないと考える保護者がいれば、きっと自由記述欄に書いていただけると思います。それに答えることで、評価ができるのではないかと考えていると説明しました。

また、もう一つの質問が、「子ども同士の学び合いの場面があるか」に対して、自分の考えを持つことも大切なので、「一人で考える場面があるのか」も聞いてはどうかというものでした。これもよい質問です。一人で考える場面というのは大切ですが、考えられない子ども、見通しが持てない子どもにとってはすぐに集中力が切れてしまう場面です。そこで、あえて「一人で考えなさい」という時間をとらずに、最初からグループで活動する考え方もあります。だから、項目に入れていないと説明しました。

この校長先生は「自分が不勉強で」とおっしゃっていましたが、決して不勉強なわけではありません。評価項目を検討して自分ならどうするかを真剣に考えたから生まれた疑問です。質問は、前向きに学ぶ姿勢があるから起こるのです。しかもその質問は、私がこの評価項目に込めた思いに直結するものでした。まだ校長1年目の方ですが、この学校は間違いなくよい学校なっていくと思います。ぜひ一度訪問させてくださいとお願いしました。

学校間での学び合い

先週末は小学校で、熱心な若手3人の授業とベテランの授業研究を中心に参観しました。落ち着いた授業と明るい子どもたちの姿が印象的でした。

ベテランの授業研究には、この学校の先生が隣の学校に声をかけたところ2名の先生が参加されました。このことは特に若い先生にとっては大変意味のあることです。同じ市町の学校でも、子どもたちの気質は違いますし、学校の取り組みも異なっています。先日もある学校で若い先生に、このようにすれば子どもがしっかりと友だちの話を聞く姿が見られるようになると話をしたところ、そんな学校があるのですかと驚かれました。自分の学校だけ見ていてはわからないことがたくさんあるのです。

短い時間の検討会でしたが、子どもたちの様子をこの学校の先生とは違った視点で話してくれました。その観察報告をもとに、グループ活動において役割を決めるべきか、子どもの聞きあう姿勢をどのように作るかについて話をさせていただきました。
他の学校の先生も参加することで検討会の視野が広がり、授業からの学びの質は間違いなく向上します。

このように、授業研究に他校の先生が参加することが最近増えてきました。とてもよい傾向だと思います。しかし、残念ながら小中、中高の交流はまだまだ少ないようです。子どもたちがどのような授業を受けて入学してくるのか、卒業後どのような授業を受けるのか知ることは、今の授業を考えるよい機会を与えてくれます。学校間での学び合いが活発になるように願っています。

ベテランが伝えること

昨日は、ベテラン2名と若手1名の授業研究に参加しました。
子どもたちは明るく、よい姿をたくさん見せてくれました。

授業後、先生方とお話しさせていただいて印象に残ったのが、ベテランの方の今回の授業に対する姿勢でした。ベテランですからいつも通りの授業を見せれば無難に過ぎていきます。しかし、ベテランだからこそ新しいことにチャレンジして若い人に見てもらいたいと、今までとは違った教材を用意して臨まれました。
ベテランが伝えるべきものは、授業技術だけでなく、常に授業改善に前向きに取り組む姿勢そのものであると教えられました。
もう一人のベテランも、以前と比べると確実にそのスタイルが進化しています。
若手の先生も前向きにアドバイスを受け止めることができていますし、確実に進歩しています。
ベテランが授業に取り組む姿勢を伝え、若手がそれを学ぶことで、学校全体の授業改善への取り組みが進んでいくのだと実感しました。

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