社会科で「因果」の視点での整理を大切にする

社会科の授業では、共通、特徴という視点での整理が大切になります。「工業地帯に共通の特徴」「四大文明に共通の特徴」といったことを見つける活動はよくあります。ここで、もう一つ意識してほしいのは、「因果」という視点です。その特徴が、原因となったものか、結果なのかどうかです。

例えば、工場地帯は「港湾が発達している」「平地である」「人口が多い」ことがほとんどです。流通に便利なところ、土地がある、労働人口を確保できる、消費者が多いといった条件を満たしているから、工場がたくさんできたといえます。これは原因です。しかし、関連する工場が近くにあった方が便利ですから、工場地帯には工場ができやすくなります。結果として工場が増えていきます。土地についても、そこに工場が集まった、集めようとした結果、海を埋め立てて確保しているということも言えます。人口が多いのもそこに工場があるから増えたという結果であるとも言えます。これはポジティブなフィードバックの例ですが、一般的には原因と結果は常に絡み合っています。こういう視点を意識してほしいのです。ポジティブフィードバックでは永遠に拡大することはありません。どこかに限界が来ます。そこで、頭打ちになったり、ネガティブフィードバックがかかって衰退したりします。このことも大切な視点です。これは時系列で見るという視点です。地理であれば年次変化を意識することにつながります。

歴史は、本質的にこの視点が大切になります。例えば、四大文明に共通しているのは、「大河のそばにある」「乾燥地帯」「(狩猟ではなく)農耕」「文字」「王がいる」といったことですが、因果関係に注目すると、「大河」がその一番の因になります。水があることと大河が運んでくる肥沃な土が、農業を発達させます。その結果、生活が安定し人が増えてきます。乾燥地帯であるので、灌漑の必要性もあります。そのためには大規模な共同作業が必要になり、それを指揮する人間が必要になってきます。豊かになれば、外敵が現れてきます。結果として王が生まれてくることになります。記録の必然性もありますから、文字も生まれてきたのです。「王がいる」「文字」は原因ではなく結果です。こういう視点で整理させたいのです。「四大文明の共通の特徴は」といって並列で記憶させることではないのです。

社会科では、「共通」「特徴」といった視点での整理だけでなく、「社会(地理分野)で大切にしたい問いかけ」や「社会(歴史分野)で大切にしたい問いかけ」でも述べましたが、「因果」という視点での整理を意識してほしいと思います。
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