介護研修でフォローについて考える

先週末は、介護関連の研修で講師を務めました。今回は介護におけるリスクをどう回避するかを具体的に考える研修です。

介護の現場で起こる事故やトラブルは、個人の技術や意識の問題に見えることがたくさんあります。しかし、これをチームや組織としてどう回避するかが大切になります。今回の研修では具体的な事故やトラブルの場面を想定して、なぜそのようなことが起こったのか、何がいけないのか、どうすれば回避できたのかについて参加者に考えていただきました。
情報の共有といったコミュニケーションが大切なことは、すぐに気づいてくれます。情報を共有するための実効性のあるルールをつくることが必要です。しかし、ルールをつくっても必ずしも全員がそのルールを守れるわけではありません。うっかりしてしまうこともあります。一人ひとりが、ルールを守り情報の共有を意識することはもちろんですが、互いがフォローし合うことが大切になります。介護の現場では突発的なことがどうしても起こります。その時に自分の担当しか考えていない、見ていないではとても組織として対応できません。気づかない人に「気づきなさい」と注意をしてもできるようにはなりません。気づいた人がフォローするだけでなく、気づかなかった人に仕事をする上で意識すべきことに気づいてもらうことも必要になります。ここで注意してほしいことは、「フォローしてくれるから大丈夫」とならないようにすることです。「フォローしてもらって助かった。次からは○○に気をつけよう」と思ってもらわなければなりません。そのためには、事の重要性やなぜそのようなミスが起こったのかを当人に気づいてもらうことが大切です。フォローするだけでなく、そのようなかかわりも持つことが求められます。これもコミュニケーションです。とてもレベルの高い要求ですが、この参加者ならきっとできるようなってくれると思います。仲間の力が上がることがチーム力を高め、結果として自分も助かることをよく知っているからです。

このフォローという発想は、学年経営や学校経営にもつながることです。自分の学級だけ、自分たちの学年だけよければ、という発想では学年や学校全体の力は上がっていきません。隣の学級や学年が崩れれば自分たちにも必ず悪い影響が出てきます。逆に上級生がしっかりしていれば、必ず下級生にもよい影響が出てきます。互いがフォローし合う雰囲気を学校全体につくる必要があります。このことについて改めて考えるきっかけとなった研修でした。
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