新人の成長に感心する

先週末は企業の新人研修の最後の担当日でした。

研修開始前に会場に入って目にした新人の姿に驚きました。てっきり必死に発表の準備をしていると思っていたのですが、柔らかい雰囲気で研修の始まるのを待っています。余裕すら感じます。研修の開始後30分を最後の調整時間としましたが、まわりと確認したり、リハーサルを行ったりして本番を待っています。あとで聞いたところ、前日、全体で伝えたいことのすり合わせを行った後、遅くまで残ってプレゼンテーションを仕上げたようです。みんなで一緒だったので、意外と楽しくやれたようでした。きちんと前日に準備ができていたので、余裕を持って研修に臨めたのです。こういったことも社会人として大切なことです。

プレゼンテーションは、伝えたいことが非常によくわかるものになっていました。前日に指摘されたことをかなり高いレベルでクリアしています。中には中間発表と同じスライドが1枚もないという者もいました。研修を受ける前の新人に伝えるものですから、これから受講する内容そのものについて話してもあまり意味はありません。研修を受けるにあたって、意識してほしいこと、学んでほしいことを自分たちの経験から伝えます。12人の発表を貫くものがはっきりとしています。「だれ、何のために?」「どうやって?」「本当に必要?」といったキーワードが共通して出てきます。ムダなものが削られて、とてもすっきりしたものになっていました。前日にみんなで話し合ったことが活かされていました。ほとんど全員が5分で発表を終わりました。中には1分以上時間が余った者もいます。余ったからといって内容がないわけではありません。伝えたいことがシャープになっていたのでよく伝わるプレゼンテーションでした。
この日もとてもよい姿勢で仲間の発表を聞いています。一言一言にしっかりとうなずき、発表者の問いかけに一生懸命反応します。聴衆として仲間の発表から学ぶことの大切さを、発表者としては仲間に支えられていることを実感していると思います。参観者からも温かいコメントをいただけ、達成感を持つことができたと思います。

この1週間、2名の講師と私で担当した、「学校・教育とICT」「コミュニケーション」に関する研修はこの日の午前で終了しました。最後に新人たちにこの研修の感想を発表してもらいました。うれしかったのは、何も言わなくても私の方ではなく仲間の方を向いて話し、だれもが体を乗り出して聞いてくれたことです。相手に寄り添うことや仲間と助け合い支え合うことといった、個々の内容ではなく研修を通じて学んでほしかったことが語られます。この1週間で、本当によく学んでくれました。短い期間によく成長し、いいチームになってくれたと思います。この先苦しいことがあっても、相談し、助け合えるよい同期となりました。私も彼らに出会って、とても多くのことを学ぶことができました。素晴らしい出会いに感謝です。
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