学校評議員会で学力向上が話題になる

昨日は、中学校の学校評議員会に参加してきました。毎回、学校の課題がよくわかる資料をしっかりと用意していただいているので、私としても忌憚のない意見を言わせていただけます。

学校評価に関するアンケートの集計は、前回との比較、学年比較、生徒・保護者・職員比較など非常に見やすい形で提供していただけます。学校全体としてはよい結果なのですが、ある学年が一部、学校生活に関する項目でスコアが下がっていました。といっても絶対的には悪くはありません。その一方で、子どもと教師との関係は向上していました。体育大会などでは子どもたちのとてもよい姿を見ることができていたので、子ども同士の関係もこれから変わっていき、それに伴いスコアもよくなっていくと思います。今回のデータは過渡期の状態を表わしているのだと思います。学年担当の先生方にはショックかもしれませんが、これからよい方向に変わっていくと確信しています。

今回、学校側からでてきた課題は学力の向上でした。以前は標準テストなどに表れる学力が市内でも高い地区でしたが、最近はそうでもなくなってきています。相対的な順位にこだわる必要はありませんが、子どもたちの授業に対する姿勢がよいだけに、もっと学力がついてもよいと考えられます。授業以外にも学力の定着を図るような活動をしようと、先生方に基礎学力コンクールを提案されたようですが、そもそも何が基礎かといったところから意見が分かれ、なかなかまとまっていないという報告でした。国語と数学の学力テストの分析について報告があったのですが、大きく4つ分野・領域での平均点の市、県、全国との比較だけでした。こういった資料や感覚だけで学力低下や基礎学力について話し合っても、議論は迷走してしまいます。
試験では同じ不正解という結果でも、どこでつまずいているか原因はいろいろ考えられます。正答率だけにとらわれずに、誤答の分析をきちんとした上で議論する必要があります。もっと言えば、日ごろから、子どもたちがどこまでついているのかきちんと判断できるような問題構成の試験をする必要があります。例えば、数学では計算力が弱いといっても、( )の外し方でつまずいている子どもが多いのか、分数の計算でつまずいている子どもが多いのかでは対応が異なります。それがわかるような試験を行い、客観的に見える化しておくことが大切です。何がボトルネックになっているかを明確にすれば、自然に議論は収束していくはずです。まずは、そこからだと思います。また、学習コンクールのようなものは、一般的に中位の子どもの学習意欲は高まりますが、下位の子どもは結果を出せないのであまり効果がないようです。下位の子どもにはスモールステップで一つひとつを確実にできるようにして、達成感を持たせることが必要です。こういったどの層をターゲットにするのかも議論すべき大切な要素です。先生方には厳しく聞こえたかもしれませんが、このようなことを話させていただきました。

校長はじめ学校側の皆さんは、私の言葉を真摯に受け止めてくださいました。会終了後も具体的にいくつか質問をしていただけました。情報を隠さずに出していただけるからこそ私たち評議員も真剣に考えることができ、真摯に受け止めてくださるので本音の意見を言うことができます。私にとってもよい学びをさせていただくことができるありがたい会です。
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