教科、分野の「見方や考え方」を明確にする

各教科で身につけさせたい力に、その教科における「見方や考え方」があります。授業を見ていて、その「見方や考え方」を意識した発問や活動になっていないと感じることがよくあります。教科の「見方や考え方」とはどのようなものか明確にして教材研究する必要があります。

たとえば理科の実験で身につけさせたい科学的な見方や考え方はどのようなものでしょうか。知りたいこと、疑問を解決するためには、どのような実験をおこなえばよいのか考える。仮説があれば、どのような結果が出るか予想する。結果から何が言えるか、言えないか考察する。その結果新たな疑問が見つかれば、その疑問を解決するためにどんな実験をすればいいのか考える。こういったものです。
地理的な見方や考え方であれば、国や地方の人々の生活や活動を地形、気候、時には歴史的な背景と関連付けて考えるといったことです。

その上で、教材を通じてこのような「見方や考え方」を身につけるために、どんな発問や活動が必要かを考えることが必要です。これらは、教材ごとに異なるのではなく、その教科、分野ごとにある程度共通のものにできるはずです。
一部の例ですが、理科の実験であれば、「どんな実験をすればこのことが確かめられる」「このほかにどんな実験をすればいい」、地理であれば、「どうしてこの地方ではこのような生活をしているのだろう」「同じような地理的条件のところに共通するものはなんだろう」、また数学であれば、「いつも成り立つの」「どうすればそのことが言える」「成り立たないのはどんなとき」、国語であれば、「本文のどこに書いてあるの」「この表現で筆者が伝えたいことは何」といった発問とそれに伴う活動です。

各教科の授業を通じていろいろな「見方や考え方」を身につけさせることが求められています。まず教科、分野ごとに身につけさせたい「見方や考え方」は何かを明確にし、それを身につけるための発問や活動を具体化してほしいと思います。教科、分野を通じて軸となる発問や活動ができることで、教材研究もよりスムーズに進むようになると思います。
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