最近の授業アドバイスへの思い

子どもが全員聞く体制になってから話をしましょう。
友だちが発言しているのに板書を写している子どもには、書くのをやめてしっかり聞くように指導しましょう。
黒板を見て話をしない。子どもを見て話をしましょう。
子どもが作業しているときは、しっかりその様子を見ましょう。
子どもの発言はきちんと評価しましょう。
子どもの発言は、笑顔で受容しましょう。

これはこの1月あまりの授業アドバイスの内容です。新人か若手へのアドバイスに思えますが、実はそうでもないのです。ベテランでもこのようなことがきちんとできない人が目立つのです。これはどういうことなのでしょうか。基本的なことができていないままに経験年数だけが増えたのでしょうか。これは私の想像ですが、経験の中で話術といった授業技術をそれなりに身につけてきたので、こういった基本をきちんとしなくても、とりあえず子どもが席についておとなしく授業を受けてくれるようになったからではないでしょうか。指示一つとっても、きちんと確認するには少し待つ必要があります。限られた時間の中できるだけ早く授業を進めたい。そういう気持ちが、その少しを待てなくしているのです。4月5月の時期は基本的な学習規律を確立する時です。ここを雑にすると、今はよくてもちょっとしたことですぐほころびが出ます。ベテランでも例外ではありません。たまたま今まではうまくいっていたとしても、今年は崩れるかもしれないのです。
この傾向は、学校がそれなりに落ち着いているところで目立ちます。子どもたちに手がかかる学校では、こういった基本をおろそかにするとすぐに授業は成立しなくなります。手は抜けません。時間をかけて立て直した学校でも、喉元過ぎて熱さを忘れてしまっていることもあります。
基本的なことをきちんとしておかないと、教室の雰囲気はじわじわと緩んできます。学校全体が落ち着かなくなるのは突然ではありません。その前兆として、あたりまえのようにできていた基本的なことができなくなってきます。子どもがあたりまえのことができなくなるその裏には、教師が基本的なことに手を抜いているという事実があるのです。

私のアドバイスは先生方の耳に届いたでしょうか。そんなこと気にしなくても、ここの子どもたちは大丈夫。いざとなればちょっと締めればなんとかなる。そんなことを思われていないことを祈るばかりです。
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31