学校評議員会で考える

昨日は中学校の学校評議員会に参加しました。

今年度の状況と次年度への取り組みについて、学校公開時の保護者アンケート、学習状況調査結果についての報告を学校から受け、それをもとに話し合いました。学校が劇的に変わっているわけではありませんが、いろいろなデータや皆さんの感想から少しずつですが学校の取り組みが前へ進んでいることがよくわかります。毎年取り組みがコロコロ変わるのではなく、目指すところをぶれささずに時間をかけて達成へ向かって努力することは大切です。しかし、毎年うかがう課題が大きく変わっていないことは少し気になります。今までの取り組みの延長線上では課題を解決することが簡単ではないということです。コツコツ続けて成果を出していることは評価できますが、新しい仕掛け、仕組みを考えなければいけない時が来ているようにも思います。

保護者へのアンケートは2回の学校公開日にとったものを提示していただきました。子どものようすや教師の授業への取り組みが質問項目となっていましたが、このデータの変化だけではコメントがしづらいものでした。同じ項目を子どもから見たアンケートと比較しないと、子どものようすや教師の取り組みが変化したのか、保護者の見方が変化したのかといったことがよくわからないからです。この点については検討をお願いしました。

また豊かな心を育てる教育の一環として外部の講演やいろいろな行事が検討されています。日々の実践の充実も示されていました。ただ、学校全体、学年、学級担任、教科担任、それぞれの取り組みをどうつなげていくのかがあまり明確ではありませんでした。もちろん個々に意識はされているのでしょうが、全体計画の中でしっかり明文化して位置づけて置くことが必要だと思います。時間をかけ、いろいろな視点や立場から子どもの心を耕し続けてほしいと思います。

全国学習状況調査の質問は、経年変化を見るためにほぼ固定されています。しかし、学校独自の課題や時代の変化に対応して調査内容を追加することも考える必要が出てきていると思います。携帯電話に関する項目も今後子どもたちへのスマホの普及に伴いLINEのような新しいツールに対応する必要があります。
また、読書について面白い結果が出ていました。読書の好きな生徒は70%ですが、60%近くの生徒が全く読書しないというのです。これは矛盾しています。読書より楽しいものに時間を奪われているのか、そもそも子どもたちは時間がないのか。きちんと調べずに読書指導の在り方を考えてもあまり意味がありません。
何を知るのか、次の取り組みにどう活かすのか学校としてのねらいを意識して、独自の調査を追加することを考えてほしいと思います。
校長が変わり、学校の目標もよりシャープになってきたと感じます。であれば、その目標がどう達成されているかを知る指標もより明確にできるはずです。目標達成の指標を具体的にして共有していくことが、個々の先生方の取り組みをよりよいものに変えていくきっかけになると思います。

最後に不登校について、ひとしきり話題になりました。この学校でもそうですが、一度不登校になると再び学校に出てこられるようになることは難しい傾向にあります。そのため、不登校の初期に学校に出てこられるように強く働きかける傾向にあります。しかし、根本的な原因を見つけ解決するための動きも合わせておこなわなければ、結局いつかは破たんしてしまいます。その原因は多様で、学校で解決できることは稀です。だからこそ、子どもたちを支える多様な人、場所、機関が必要だと思います。孤立して苦しんでいる保護者の実態が評議委員からも報告されました。地域の施設が保護者の悩みの受け皿になっていることも聞かせていただきました。不登校といった切り出しにくい問題も学校がオープンにしてくれることで、互いに実態を共有し考えを深めることができたように思います。すぐに解決できる問題ではありませんが、子どもたちを支えるよりよい環境づくりにつながることだと思います。

この日も学校からのごまかしのない情報提供のおかげで、多くのことを考えるきっかけをいただけました。いつものように学校をよくしたい、子どもたちによりよい成長の場を提供したいという地域の方々の思いが伝わってくる会でした。このような学校にかかわらせていただけることに感謝するとともに、少しでもお役に立てればと思いをあらたにしました。
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