「わからないところ」から始める

問題演習では、解いた後、子どもや教師が正解を説明するという進め方が多いように思います。問題を解いた後、いつもすぐに正解が説明されると、解けなかった子どもはどのように考えるでしょうか。正解の説明から自分がつまずいていたところが理解できれば、ここに気づけばよかった、ここが大切だと学べます。しかし、問題が複雑になってくると、正解の説明を聞くだけではつまずきの原因をなかなか見つけることはできません。結局正解を写して、やり方を覚えようとします。このようなことが続くと、だんだん自分で考えようとしなくなり、早く正解を示してほしいと考えるようになります。これでは力はつきません。どのようにすればいいのでしょうか。

以前にも書きましたが(「わかった」は禁句!?参照)、「わかった」から出発すると、わからなかった子どもは参加できなくなります。子どものつまずきから出発する必要があります。
解答をするときに、「わかった人」ではなく、まず「困った人」と聞きます。

「問題を解いていて困ったことなかった。○○さん」
「・・・がよくわかりません」
「なるほど、・・・がよくわからなかったんだ。同じところがわからなかった人いる」
「いるね。○○さんが言ってくれてよかったね。じゃあ、みんなでわかるようにしよう」

子どもがつまずいているところが明らかになれば、みんなでわかるように助ければいいのです。ヒントをいう、何をしたか、何を考えたか発表し合う。このような活動をすることで、つまずいた子どもも何をすればよかったかを気づくことができます。こういう経験を積むことで、自分の力で解けるようになっていきます。このようにすることで、正解を発表する時も、答そのものではなくどう考えたか課程を言えるようになっていきます。

また、問題を解いているとき、子どもの手が止まっている、見通しが持てていない状態であることに気づけば、一旦作業を止めて、困っていることを聞くようにするとよいでしょう。

いつも正解からではなく、わからないところから始めることを意識してほしいと思います。
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