研修のその後が大切

先日授業アドバイスをした学校(研修担当者の目に見えない努力を感じる参照)の研修担当の方から、メールが届きました。研修のまとめとその後の報告です。

毎回研修の後には「子どもが輝くための授業力アップ作戦」と題したまとめが配られています。
今回は、

まとめ
算数授業のポイントを押さえて授業を進めよう
− 教科書をよく読むことが最善の策 −

その1
子どもが活躍できるように仕組むこと

その2
「考える」場をつくること

その3
「算数をつくる」というスタンスでいること

という整理をされています。

その説明を1ページ目に文章で、具体的な授業の進め方を2ページ目にイラスト入りの図解でわかりやすく示しています。

一部を紹介すると、
その2 「考える」場をつくること
「データからグラフや表をつくる」「計算する」など技能を高めることは大切なことです。しかし、それに終始して、「グラフや表を基に考える」「計算の仕方を考える」といった考える場が少なくなっていませんか。教科書の問題に「考えましょう」がある時に、「考える」場をつくると算数を楽しむ子どもが増えてきます。そうなると授業も楽しくなります。

囲みで
「活動あって、思考なし」小学校の授業でよくあることです。作業だけでなく、作業の前後に、「考える」場をつくりましょう。

図解では、

【作業】1辺5cmの立方体の展開図を書きましょう。

作業前
「どのように展開図をかけばよかったでしょうか。」
「辺に沿って切り開くとよかったよ。」
「切り開き方を変えると違う展開図になりそうだよ。」

作業後
「展開図を書いて気付いたことを発表しましょう。」
「11種類の展開図ができました。」
「1種類の展開図から、他の展開図もできるよ」
「1つの正方形を一つの頂点を中心に回すんだよ。」

と子どもとのやり取りをわかりやすく例示しています。

また、個別に私がおこなった指導もコンパクトにまとめて、各先生に配っています。

その後の報告では、模擬授業をおこなった先生が、先日その場面を実際に授業したことが書かれていました。
とても落ち着いて話し合いを進めていくことができ、笑顔もあり、誤答も受け止めることができていたそうです。
模擬授業がうまく生きたようです。

また、私が授業アドバイスをした先生が進んで模擬授業に挑戦してくださったようです。やってみた結果「曖昧であったところが、明確になった」ということです。
実践の中で多くの子どもが発言し、教師が笑顔で受け止める授業が展開されているという報告もありました。

このようなメールをいただくこと自体もうれしいのですが、研修を一過性のものにせず継続的な授業改善につなげるために働きかけていただいていることが何よりうれしいことです。
全体の授業力がアップしていく学校では、必ずこのような担当者の働きかけがあります。私のようなものが年に数回訪問したぐらいで学校がよくなることは期待できません。そのことをきっかけにして、いかに日常的な授業改善の動きにつなげるかが勝負なのです。この学校では、間違いなく先生方の授業力が向上していくことと思います。この学校にかかわることで、私自身も多くのことを学ぶことができています。このような出会いに心から感謝しています。
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