教師が育つ学校づくりについて講演

先週末は校長会の研修会で「教師が育つ学校づくり」と題して講演をおこないました。

どの学校でも、ベテランからは「自分たちは先輩から盗んだ」、若手からは「なかなか教えてもらえない」という声が聞こえてきます。このギャップは放っておいても埋まりません。いかに学校として組織的に対応するかが課題です。

教師が育つためには、一人ひとりが課題意識を持って毎日の仕事に取り組むことが大切です。そのためには、学校として、どんな課題があるかをまず管理職が把握することから始める必要があります。学校を回り授業の様子を見て、全員に共通する課題、個人の課題をそれぞれ明確にするのです。その上で、課題をどう共有化しどう解決していくかを考えます。
全体での研修を工夫するのか、個別に対応するのか、グループをつくるのか、状況によってそのアプローチは変わってきます。いずれのアプローチを取るにしても、課題解決のための手段が具体的になるようにする必要があります。「子どもたちをよく見よう」といったスローガン的なものではなく、「挙手しなかった子どもを必ず確認する」というようにできるだけ具体的なものに落としていくのです。具体的になればなるほど、実効性は上がっていきます。

若手について言えば、目指す授業像が確立していない傾向があります。手本となるよい授業を見せること、そしてその授業のどこがよいのかを解説することから始める必要があります。その上で、具体的な指導に移るのです。
また、指導役になる方には、しっかりと相手の話を聞くことをお願いする必要があります。一方的に指摘するのではなく、一緒に考える姿勢が大切です。指摘されたからといってすぐにできるようになるとは限りません。うまくいかないことが続くと追い詰められていきます。まずは自分が認められていると感じてもらうことが大切です。以前と比べて最近の教師は同僚との関係が希薄な傾向があります。悩み事を相談できずに孤独になっていることもよくあります。まわりの先生と気軽に授業や仕事のことを相談し合えるような関係づくりが大切です。そのために管理職は意図的に動く必要があるのです。

結論を言えば、管理職が学校の課題を把握して、そのための具体的な対策をとる・・・という、PDSCのサイクルを回せばいいという当り前のことに帰着するのですが、ポイントはその具体的な対策を考えるときに何を意識するか、どういう方法があるのかを知っておくことです。今回はその具体的に意識すべきこと、方法を中心にお話しました。

大変熱心に聞いていただける方が多かったため、つい具体例を話しすぎてしまいました。最後は駈け足になってしまい、申し訳ないことをしました。講演はどうしても一般論になりがちです。参加者一人ひとりの課題解決にとって少しでも参考となる話ができたのであれば幸いです。
各学校の状況に応じたシャープな話をするには、子どもたちの様子を見せていただく必要があります。今回の参加者から一度学校に来てほしいと声をかけていただけたらとてもうれしく思います。
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