課題解決の手段を考える

子どもたちに与える課題を考えるときに、意識してほしいのはその課題解決の手段です。いきなり課題を与えて解決できる子どもはそれほど多くはありません。その課題を解決するにはどのようなアプローチがあるか考え、それぞれの手段を具体的にするのです。

個人ではなかなか解決できない課題であれば、友だちと相談するというアプローチがあります。「グループで考えて」「まわりと相談してもいいよ」とその手段を子どもたち与えます。

過去に取り組んだ課題の考え方や知識を利用するというアプローチであれば、基本的に子どもたちはその手段を持っています。子どもが自分で気づくのを待つというやり方もできますし、教師が働きかけることで手段として意識させる方法もあります。「似たような問題を解いたことない」「これに関してどんなことを勉強したかな」と思いださせたり、課題提示前に復習したりすることで、手段として意識させることができます。

根拠となる資料や情報をもとに考えるというアプローチであれば、その情報にアクセスできる手段を与える必要があります。資料集や辞書、インターネットなどをがいつでも使える状況であるのなら、利用するかどうかを子どもたちに任せておいたり、「資料集を見ている子がいるね」と気づかない子に手段を意識させたりすればいいでしょう。そうでないのなら、準備をしなければなりません。この場合、教師がわざわざ用意しているので、特に言わなくてもこれが課題解決の手段になることがわかります。

これらのアプローチや手段はどれか一つだけである必要はありません。互いに組み合わせることも可能です。一つに絞るのか、自由に取り組ませるのか。教師が与えるのか、子どもに気づかせるのかといったことも考えておく必要があります。「どうやったら解決できそう」「何か使いたいものはある?」と最初に問いかけてプローチや手段を意識させたり、途中で「何を使って考えた?」と聞くことで手段を共有化させたりする方法もあります。

子どもたちは課題解決の手段を持っていなければ、すぐに行き詰ってしまいます。あらかじめどのようなアプローチや手段があるかを明確にして授業にのぞむことで、子どもが行き詰った時の対応の幅が広がります。課題を考えるときは必ずその課題解決のための手段を意識するようにしてほしいと思います。
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