家庭での子どもたちの生活を把握する

担任は子どもの学校での様子は把握していますが、家庭での生活はなかなか把握することはできません。そこで、定期的にアンケート等による実態調査をすることを勧めます。(子どもの姿を知る参照)
最近は学校評価が定着してきたので、学校全体で定期的に調査していることも多いと思います。重複する必要はありませんが、担任としての学級経営上の重点項目に関連した項目を加えたり、時期を工夫して、必要な情報を適宜収集するようにしてほしいと思います。

質問項目は、基本的生活習慣にかかわること、学習面にかかわること、家族やまわりとのかかわりなどを、子どもたちの発達段階や学級経営の観点から絞ってくことになります。

基本的生活習慣であれば、「起床・就寝時刻」「歯磨きの習慣」「朝食をとるか」「誰といつ、どこで、何をして遊んでいるか」「テレビの視聴時間」「読書習慣(時間・ジャンル)」「ケータイメールの利用状況」・・・

学習面であれば、「家庭での学習時間」「家庭での学習内容(予習・復習・教科)」「わからないときどうしているか」「通塾状況」・・・

家族やまわりとのかかわりであれば、「食事はだれと一緒にとっているか」「誰とよく話すか」「困ったとき誰に相談するか」「家の手伝いはしているか」

その他、「小遣いに関して(金額・もらい方・使い方)」・・・

これらすべてをたずねる必要はありませんが、子どもに意識してほしい項目を意図的入れておくとよいでしょう。
たとえば、お手伝いをしてほしいと思うのなら、ただ「やっているか」だけをたずねるのではなく、「頻度」「内容」「満足感」など、より詳しくたずねると、やっていない子どももやろうかなと思うようになります。
また、一人ひとりの様子を把握するためにも記名でおこなうべきでしょう。指導すべきことが見つかったとき、学級全体に対して働きかけるのか、個別に働きかけるのか。子どもに直接働きかけるのか、保護者に働きかけるのかの判断もしやすくなります。

表計算ソフトなどをうまく活用すると、いろいろな項目の相関を簡単に調べることができます。学習時間とゲーム時間に負の相関があれば、家庭学習の大切さを強調するだけでなく、ゲーム時間を減らすことを意識するといった、指導の方向性も見えてきます。

早い時期に調査をおこなって学級の特性を知ることは、1年間の学級経営の方向性を決めるにも役立ちます。また、何度か実施することで、子どもたちの変化の様子や指導の結果を知ることもできます。普段担任が見ることのない家庭での子どもたちの生活の様子を把握することは、学級経営にとってとても意味のあることです。
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